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企業内でできる診断士活動と、複業の見つけ方 ~ 複業を語ってみる(2回目)

2023-10-14 12:00:00 | 事務局からのメッセージ

事務局の大井秀人(20期)です。

前回、複業をテーマに連載します!と大見得を切ってしまい半ば後悔気味ですが、2回目を頑張って書いてみます。今回のお題は「企業内でできる診断士活動と、複業の見つけ方」です。

※第1回はこちら(複業診断士を語ってみます(第1回)

1.企業内診断士はどんな複業ができるのか?

企業内診断士はどうしても勤務先にまとまった時間を拘束されます。私の場合、月~金のデイタイムは基本的に勤務先業務に専念です。そのため複業は、夜や土日に対応可能、打合せはリモート可能、といった条件を満たすものに限られます。コロナでリモート会議が珍しくなくなったのは、複業にとって追い風と感じています。

また診断士資格を生かしキャリアを磨くという点で、「診る・書く・話す・聴く」スキルの活用、中小企業支援、経営の専門性に関わるものが、個人的には望ましいかなと思います。そういった視点で4つほど挙げてみました。

①補助金申請支援

事業再構築補助金、ものづくり補助金などの申請に必要な事業計画書の作成や申請のお手伝いです。いろいろな経営支援団体が並び立つ活況な業界で、多くの企業内診断士が取り組んでいます(稼プロ!OBも立ち上げていますね)。支援できる診断士が不足しており、定時外にも取り組めるので、比較的挑戦しやすい複業と思います。

採択される事業計画書を作成するためには、社長さんの思いが詰まった実現可能性の高い事業計画を策定する必要があります。そのためには、経営者に補助金制度を「話し」、社長の思いを「聴き」、決算書を「診て」、計画書を「書く」必要があります。4スキルがフル活用できるのも特徴です。

単発の依頼で終わることも多いですが、採択され実行までフォローすると社長さんから感謝されますし、リピートいただくこともあります。ポイントは、単に補助金を獲ることだけにフォーカスせず、事業者さんの本当の課題に向き合うことです。そのことで診断士としての支援実績を積める複業と感じています。

②補助金事務局、審査

①と逆の運営側です。たまに協会や受託事業者から募集があります。事務局は提出書類のチェックや事業者とのやりとりをし、審査は事業計画書を基準にしたがって採否を判断します。事務局は平日昼間のケースが多く複業では難しいですが、審査は兼業でも可能なことが多いようです。補助金は中小事業者の関心も大きく、その制度や運用に詳しくなれる複業です。

③執筆

今、まさに23期生のみなさんが企画に挑戦しているものですね。講義であったように自身で企画を持ち込むということもありますが、多いのは研究会などに所属し、そこでお声がけいただくケースかと思います。雑誌の特集記事の1つや業界動向などです。

執筆のお仕事をいただくには、書くスキルと、書ける分野(専門性)を確立しブランディングすることの2つが必要と感じています。前者は実績がものをいいます。まず執筆できる人であることを知ってもらわないといけないので、チャンスがあれば挑戦したいところです。後者の専門性は、執筆するとき「なぜ、あなたが記事を書けるのか」という問いの答えにつながります。いずれも稼プロ!で学ぶ要素とつながりますね。

また、紙媒体ではなくブログ記事の執筆といった案件もあります。私は補助金関連のブログや社長インタビューブログを何件か有償で書きました。いずれにしても、経験を積むと書籍出版につながることも夢ではないですし、なにより自身のアピールにもつながります。継続したい複業と感じています。

少し宣伝ですが、私が所属している東京協会の地域連携支援部では、毎年、地域支援ノウハウ集や施策活用事例集といった執筆案件の公募をしています。こういったものに採択されると、診断士業界内で専門性のアピールにもつながります。

④講演

専門性が認められるとお声がかかる仕事です。なかなか自分から売り込むことは難しそうですが、執筆と同様で、話すスキルと、話せる分野(専門性)を確立しブランディングすることの2つが必要と感じています。書いた実績(執筆)を見て、声がかかるというケースが多いようです。私も1回だけありました。

講演はいざ声がかかると準備が大変ですが、自身のコンテンツの整理にもつながる有益な仕事で挑戦したい複業です。ちなみに私は昨年、資格の効用で勤務先でも社内向け講演に行いました。発表資料の準備は大変でしたが、自身のPM(プロジェクトマネジメント)の経験・考え方を整理する良い機会になりました。

ほかにも、スポットで、事業計画書の添削を頼まれたり、診断のお手伝いをしたり、といったこともあります。実績と信用を積むことでいろいろな話が舞い込んでくるので、何かやってみるということが大事なのかなと思います。いずれも一から開拓することは難しく、基本は先輩診断士や仲間からの紹介から始まることがほとんどです。そのための人脈づくりや信頼関係を結ぶことが重要と感じています。

2.どこから見つけてくるのか

では、どこから見つけてくるのかという点です。私の場合リアルコミュニティとWeb(SNS)でした。診断士としてのお仕事につながらるのは、やはりリアルのご縁が一番大きいかなと思います。

①マスターコース、研究会

マスターコースや研究会自体からお仕事を提供いただけるケースもありますが、そこで知り合ったOBから紹介を受ける、OBがつくっている支援団体に登録するなど、さまざまなパターンがあります。積極的な関わりが大切で、余力があれば運営にも関わるとお声かけられやすくなる気がします。Giveの精神が大事です。

②協会活動、部会活動

協会のイベントの運営に関わることで、つながりが増えます。そこからちょっとした仕事を頼まれるケースがあります。 活動していること自体が、診断士として活動している自分のプロモーションになるということに最近気付きました。「○○部で××している△△さん」みたいな感じです。

③複業マッチングイベント

種本さんが関係人口の話題を取り上げていましたが、その文脈で、今、全国の自治体が複業ワーカーを募集しています。私も一昨年、出身の愛媛県松山市のマッチングイベントにエントリーし、松山の中小企業支援事業者とつながりました。そこを通して3社支援しています。ちなみに、昨年インタビューまでされてしまいました(^^ゞ。地域事業者とつながるには、セルフブランディングやキャリアビジョン作成を通して提供価値を明確にしておくことが大事と感じています(この点は①②と共通してますね)。

私は、複業マッチングをFacebook広告で知りました。Webで複業や診断士を探していると、広告がそちらに最適化されていたようです(汗)。専門家のスキルを複数の会社でシェアする考え方は、今後広がりそうなので、診断士としてはチャンスが増えそうに感じています。

3.大事にしたいこと

最後に、自分に合った複業を見つけるために大事だなと、最近感じていることを3つ挙げてみました。

①ボランティアも重要

いろいろと顔を出していると、ちょっとした相談やイベントのお手伝いを頼まれることもあります。無償だと気がのらないという方もいらっしゃると思いますが、時間が許せばできるだけ協力するほうがよいと感じています。回り回って、案件のご紹介などに返ってくる気がするからです。

②キャリアプラン

人脈づくりや紹介が大事といっても、やみくもにいろいろな集まりに参加すると時間が全く足りません。自分が何に参加するかという戦略・戦術はやはり必要で、その基軸となるのはキャリアプランだと思います。稼プロ!で立てたプランはそういう点でも役だっています。

③チームで動く

診断士の世界はさまざまなバックグラウンドや仕事をしている人が多いです。一方で企業内診断士は時間的制約も大きいです。ピンで動くのは限界があり、チームとして動いてシナジーを発揮することができたら、と常々思っています。そういったオーガナイズのスキルの必要性を感じるようになってきました。

今回、長文になってしまいました、、、ここまでお読みいただきありがとうございます。次は「第3回(12月上旬):複業ノウハウあれこれ①(手続き編)」の予定です。


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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (永岡伸一)
2023-10-14 19:05:12
第2回目の発信、ありがとうございます。大変参考になります。つながりを作ってゆく大切さがよくわかりました。インタビューの記事もいいですね!
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Unknown (須藤佳代)
2023-10-14 20:04:15
大事にしたいこと3点も含め、大変参考になります。地道な人脈作りから実績と信用を重ねていきたいです。
第3回も楽しみにしております。
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Unknown (杵渕竜也)
2023-10-15 17:00:47
とても読みやすく参考になりました。なりたてでどう動いていいかわからない、特に企業内の方に読んでもらいたい内容ですね。
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Unknown (大井 秀人)
2023-10-17 20:20:14
永岡さん、須藤さん、杵渕さん

コメントありがとうございます!3回目も頑張ります(^^)
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Unknown (たけい)
2023-10-18 21:51:05
第3回も楽しみにしています!
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