事務局の大井秀人(20期)です。
さて複業をテーマにした連載も3回目になりました。今回から2回は複業ノウハウです。その初回は手続き編です。
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過去記事ははこちら
複業診断士を語ってみます(第1回)
企業内でできる診断士活動と、複業の見つけ方 ~ 複業を語ってみる(2回目)
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1.企業内診断士が複業するために必要な手続き
とぶち上げたのですが、あまりない気がします。複業するにあたって必須な事務手続きは
- 勤務先への副業届
- 開業届
の2つくらいのような気がします。とは言いながら、診断士になった当初は心理的ハードルが高かったのも確かですので、私や周りの経験談を紹介してみます。
2.副業届
今や政府が副業を推奨し、法律的にも副業は禁止されていないのですが、たいていの会社は何らかの規定があります。私が勤務先で副業申請をしたときに人事から聞いたのですが、会社が気にするポイントというのが何点かあるそうです。
- 労務管理の複雑さ
複数の会社と雇用契約をすると、時間外労働の管理が非常に面倒になるため、仔細に確認する必要がでてくるそうです。個人事業主として受託契約ベースで活動する分には、実はあまり問題にならないとのことでした。 - 秘密保持
会社の資産・情報を持ち出さないか、またはそれら活用して収入を得ないかという懸念です。当然不法行為。事故を起こすと懲罰を受けるのは本人ですが、会社や周囲にも大きな迷惑がかかります。 - 勤務先業務への悪影響
あからさまに副業を優先する、勤務先の業務を下に見る言動をとるなど、周りが不快感を感じたり士気が下がるような行動をしないかという点。当たり前ですが、行き過ぎる人がたまにいるので気になるそうです。
逆に、勤務先で副業を応援してもらうには、上記の懸念を払しょくする行動や約束が必要と言えるのではないでしょうか?
- 士業を事業主としてやる意気込みを見せる
- 複業でやる内容を明らかにし、会社の資産・情報を使わないものであることを明確にする
- 勤務先にも良い効果をもたらす(学びのフィードバック、業務での実践、人脈の紹介)
ただ今なお、副業禁止の会社・職場も残っています。業務特性による秘密保持のため、前例が無いなどの理由が多いようです。そのような場合でも、診断士の場合は資格更新に実務経験が必要といった点や、上記の効果などを説明することで認められるケースを見てきました。私の周囲でも、会社で禁止・前例が無いといった方がいらっしゃいましたが、上司や人事に掛け合うと認めてもらえたといった話を聞きます。勤務先で禁止といってもあきらめず、行動することが大事と思います。
3.開業届、青色申告申請
複業を始めると補助金支援などで意外にまとまった収入が入ってきたりします。そのため確定申告は必須です。、税務面も公明正大に対策をしておく必要があります。また、青色申告にすると、確定申告で最大65万円の控除を受けられる節税メリットもあります。そのために開業届は出しておくとよいでしょう。
この手続きは思ったよりも簡単です。私の場合、会計ソフトのMoneyforwardにある開業届、青色申告申請の作成機能で作って、税務署に送ったらすぐにできました。
参考URL(青色申告とは?やり方・対象者を初心者や個人事業主・フリーランス向けに優しく解説)
開業届を出して個人事業主になるのは中小事業者の第一歩。診断士は中小企業を支援する立場ですから、企業内といえど自ら事業者になることで覚悟を示せるような気がします。
4.その他あった方がいいもの5選
最後に、稼プロ!の諸先輩方から教えていただいた、早めに準備したほうがよいものを5つあげてみました。
- 名刺
複業で会社の名刺を使うわけにはいかないですね。事業者さんや診断士仲間に、自分の業(=プロ)としている覚悟を示すためにも、診断士の名刺は早い段階で作るほうがよいです。これは1回目の講義でどなたかから聞いたような記憶があります。 - プロフィール写真
私は勤務先では営業職でないので会社の名刺はあまり減らないのですが、診断士の名刺はすぐに無くなります。研究会、マスターコース、イベント、事業者支援などなど、いろいろな方とお会いする機会が多いということです。ということは名刺をもらうことも多くなります。ただ、会った方の顔って覚えてないんですよね。。。。
なので、顔を覚えてもらうためにも、名刺などに使う写真は準備したほうがよいと思います。また、執筆でも著者の写真を求められることもあり、それなりの映える写真はあったほうがよいです。
私は前塾長の鴨志田さんにご紹介いただいた写真館で、メイク・ヘアセット付きで撮ってもらいました。少しお金がかかりましたが、空前絶後的に良い写真を撮っていただけました。思い切って投資したほうが長期的に使える写真ができあがると思います(そういう意味では安い投資と思います)。 - 専用メールアドレス
私用のメールアドレスとは別に準備したほうがよいです。ちょっと活動し出すと診断士関連メールは激増します。関連の情報サービスのメールも届くようになります。なので、私用のメアドを使ってると訳がわからなくなります。
ちなみに迷惑メールもとてもたくさんきます。ただgmailは優秀でほとんどの迷惑メールを弾いてくれますが、たまに必要なメールも迷惑メールに入ってきます。私の場合、山﨑塾長のメールが、当初迷惑メールフォルダに入っており(汗)、気づかなかったことがありました・・・・。数日に一回は迷惑メールフォルダは覗いたほうがよいでしょう。 - 専用銀行口座
これは20期のときの事務局長で、今はpwmcを主宰されている小野田さんからのアドバイスでした。いろいろと案件が増えて収入が増え、勉強会や懇親会にも参加、PCなどの更新など費用もかかってくると、、、、私用の口座では、どれがプライベートで、どれが複業の収入・経費なのか、訳わからなくなります。
また収入が増えてくると、それが専用口座の取引履歴に目に見えてわかるので、モチベーションもあがります(^^)。個人事業主として経費処理をするときにも、専用口座だと計算がしやすいですね。 - 会計ソフト
確定申告をやろうと思うと、決算を行う必要があります。また青色申告するとなると、複式簿記をする必要もあります。診断士の複業ではさまざまな依頼先から収入をいただきますし、適正な経費処理も必要です。その事務量はバカになりません。
会計ソフトがあると、銀行口座やカード口座と連携して半自動的に仕訳をしてくれます。申告書も作ってくれます。逆に会計ソフトなしでは、絶対に決算できないです。年間1万円ちょっとで済みますので使わない手はありません。
また会計ソフトを自分で使っていると、中小事業者の苦労もわかります。こういったITツールの利用の提案もできます。複業するなら会計ソフトはマストアイテムと思います。ちなみに私はMoneyforwardを使っています。
ここまでお読みいただきありがとうございました。今回はちょっと雑多な内容になりましたが、ご容赦ください。
次は「第4回(1月下旬):複業ノウハウあれこれ①(タイムマネジメント編)」の予定です。
空前絶後の!感動体験ですね。名刺とメールアドレスは特になるほどです。卒塾までに用意します。
勤務先は、自分の診断士活動のみ例外的にOKという状態なので、社員の副業を解禁することになった場合のルール造りの参考にさせてもらいます。
須藤さん: 写真はスジのいい方にお願いしないといけないな、と思いました。あとプランも重要です(笑)。ご参考ください。
杵渕さん: 労務管理が一番実務的に面倒みたいです。時間外労働は複数社で通算されて、取り扱いや計算が超面倒なんだそうです。
永岡さん: 複業で中小事業者の軌跡を追体験できるんですよね。事業者さんに比べれば甘いものですが、、、それでも違うのではと思います。