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稼げるプロコンへの道標:実践的アドバイス

2024-06-06 12:00:00 | 23期生のブログリレー

こんにちは。22期の浅野です。

 

6月22日の卒業式を迎えることで、23期の事務局の仕事が終わり、このブログも今回で最後となります。事務局はボランティアですが、講師の貴重なお話を無料で聞けるという特典がありました。

 

先日、某大学の養成過程OBで構成されるDX研究会で、先輩診断士Y氏の経験に基づく貴重なお話を聞く機会がありました。その中で特に印象深かった点をいくつかご紹介します。お話のテーマは「どうやって顧問先を獲得するか」でしたが、実際には支援活動の取り組み方から多くの学びが得られました。

 

Y氏は金属部品製造会社で32年間経営に携わり、社員5人の会社を400人規模のグローバル企業に成長させました。さらに、海外3工場も自ら現地に滞在しながら立ち上げるという経験をお持ちです。2013年には国内外の町工場支援のために新会社を設立し、現在は機構の専門家として活躍されています。今年70歳で公的な仕事は定年となりますが、現在も「元気な町工場」をひとつでも増やしたいという思いで、製造業の支援に専念されています。

 

Y氏は、自分の経験をもとに、どのように顧問先を獲得するに至ったか、いくつかの事例でどのように会社を良くしたのかを紹介してくれました。入り口は以下のようなものがあります。基本的には、社長と話をすることでヒアリングの機会を得て、支援へと発展させるアプローチです。まず、社長と話す機会を得ることが第一ステップです。

 

  • 公的な支援先と、退職後に民間契約を結ぶ
  • 仕事センターの利用
  • 学会でのネットワーキング
  • 地元の商工会議所の活用
  • その他、さまざまな交流の場

 

話を聞いていて思ったのは、支援の仕方の細部にノウハウが詰まっているということです。例えば、以下のようなポイントが重要です。

 

  • 工場に入るときは作業着に着替える。スーツ姿で工場に入ると空気が悪くなりますが、作業着なら親しみを持ってもらえます。
  • 字が多いマニュアルは読まれないので、絵や写真を中心にした手順書にする。
  • 工場の従業員にインタビューする際は、事前に「学歴」「性格」「好き嫌い」などを聞いておく。

 

特に③の従業員インタビューにおいて、1人ひとりの情報を事前に把握しておくという点は、非常に新鮮で驚きました。会社のヒアリングで事前に調査することは当然ですが、従業員それぞれの情報を事前に集めておくというのは新しい発見でした。そして、インタビューの際には反応を見ながら、頭をフル回転させてヒアリングすることが重要だそうです。そのくらいエネルギーを使って「傾聴」することが大切だと感じました。

 

学会などで社長と知り合いになる際も、製造業での豊富な経験と「傾聴」スキルが生かされているのではないかと思います。

 

その他、特に印象に残った言葉を列挙すると以下の通りです。

  • 自分はそう思っていなくても、儲けようとしている匂いを相手が感じ取ると続かない。困っている会社の支援は月3万円で行うこともあり、お金を持っている企業は月数十万円で契約したこともある。
  • 40歳までに人脈を築こう。人脈は数ではなく質の問題である。気が合う人で「この件なら彼に聞こう」と思えるような人を5、6人知っていれば、困った時にそこを起点に助けを得ることができる。

 

Y氏のように「元気な町工場」を一つでも増やしたいという「思い」をもって頑張っている先輩からは、学ぶべきことがまだまだ多いと感じた日でした。

コメント (3)
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