中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

それぞれの朝。上海の公園に見る平和な光景。

2012-04-02 01:38:18 | 中国
上海二日目の朝。午前中から気温20度を超える温かさの中、久々にジョギングを敢行しました。近くの公園を周回(1周500m)するコースですが、気がつけば8㎞も走ってしまいました。この数週間、お酒とたばこでグダグタになった身体でジョギングするのは自殺行為のような気もしますが、そうは言っても年始から総計168㎞はジョギングの距離を稼いでいるせいか、身体も軽く、やはりマラソンやジョギングは根性ではなく距離だと痛感しました。

そんな朝の公園ですが、3年ほど前にも同じようなブログを書きましたが、今日も様々な人が、様々な過ごし方をしています。平均年齢は60歳はおろか70歳は超えている、いわゆる老人がほとんどの公園ですが、まずは中国を代表する太極拳に勤しむグループ、さらには剣術を師匠らしき人から学ぶ若者と欧米人が公園の小さな広場を占めています。その傍らでは、水の筆で写経をする老人と見つめる観衆。さらには、カラオケの機材を朝から思い切り持ち込んで、歌に興じるおばさんの集団もいれば、ひたすらベンチで一人でアカペラで歌い続ける初老の女性もいました。少なくとも12周、40分くらいは走ったのですが、彼女は最初から最後まで歌っていました。

スローペースのジョギングの行く手には、後ろ向きに歩く男性、狭い路地でバトミントンに興じる老夫婦、さらには、犬の散歩をする男性にもすれ違い、目が合った犬に吠えられたり。太極拳に対抗してか、古めかしいポップスでダンスをする団体もいれば、4,5人集まって囲碁や花札をする老人グループ、ひたすら二人で何やら議論するおじさんたち、最後は、何もするわけでもなく、ただボ~と時を過ごす老婆まで、それぞれが、ひたすらそれぞれの時間と空間を楽しんでいます。

彼らの時代は、辛亥革命は大げさとしても、欧米列強の侵略、日本の侵攻、中華人民共和国の成立から、大躍進、文化大革命と言う悲惨な時代をやり過ごし、改革開放以来の経済成長までを経験してきた生き字引のような年代です。中国人は○○だ!と簡単に片づける以前に、中国に近代史は、想像を絶するような混乱と変化の時代だと認識すべきです。公園の周りの木々の向こうには、高層ビルが立ち並び、若者は日本以上の贅沢を謳歌する・・・こんな時代が来るとは、この公園の老人たちには夢にも思わなかったことかも知れません。

秋に向けて、政権交代が行われ、まだまだ水面下での権力闘争は続いているようですが、老百姓(一般市民)、特に苦難の時期を過ごした世代からすれば、このささやかな朝の公園の幸せが、せめて孫の代まで、少なくとも自分らの余生までは続いて欲しい・・・きっとそう願っていると感じました。欧米列強に振り回されてきたアジアの歴史、あらためて世界の中心に返り咲くべく中国はアメリカや世界の国々と対峙しながらも発展を続け、崩壊を防ぐための難題に取り組んでいかなければなりません。日本も一緒に!と言いたいところですが、次なるアジア共栄圏を模索できるのは、今のところ中国しかいないようです。