中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

中国語ネイティブ講師の大罪?四声を甘くみるな!

2012-04-22 23:03:35 | 中国語
もうこれで何回目でしょうか?中国語の発音、特に四声(声調)についての雄叫びです。昨今のグローバル人材育成の掛け声に伴って、英語の必要性が急増、中には公用語にする企業まで現れましたが、日本の最大の貿易相手国は中国、ならば中国語も勉強しなければ!と、企業はもちろん、大学の第2外国語でも中国語を選択する学生が増えています。父親嫌いの私の長男も今年大学に入りましたが、こっそりと中国語を第2外国語として選択していました。ちまたの英会話学校も、副業ならまだしも、ほとんどついでのように中国語もいかがですか?とセールス活動。講師らしき中国人なら日本に万といますので、すぐにビジネスらしきことがスタートできます。

結論から申し上げますと、中国語の発音、たかが4つの声調をきっちり教えることのできるネイティブ講師はほんの一握りです。中国の幼稚園、小学校あたりの児歌と呼ばれる練習は、言葉を覚えながらも、四つの声調が自然と身に付くようにできていて、ネイティブの中国人は、物心がついてすぐに、中国語の音声を体に染み込ませるわけです。が、日本人、特に大人になってからの中国語の学習においては、ただでさえ、同じ漢字でも、音読み、訓読み以外に別の読み方を覚えなければならず、さらに英語やローマ字では解決できない複雑な音もあります。初心者の意識の中では、たかが4つの声調よりも、ピンインと呼ばれる発音のほうが難解で急務なわけです。

それに加えて、肝心のネイティブ講師が、声調の重要性をないがしろにして、適切な指導をしない場合が多く、十数時間勉強して、「色んなフレーズが言えるようになりました!」と講師から報告があったので、実際に受講生に発音してもらうと、ピンインやフレーズはともかく、声調が逆、あるいは正確にできていないことがほとんど。特に、三声+二声については、かなりな確率で、二声+二声になってしまっています。何度も言及してきたような、三声の考え方、あるいは一声はできるだけ高く!何万回は大げさとしても、何百回は言ってきたつもりです。

どうして、ネイティブ講師が、私、いや、日本人の指摘や苦手なポイントに耳を貸さないかも理解できます。それは、彼らが自分の話す言語を客観的にとらえる機会もつもりもないからです。もちろん、弊社の講師の中には、一度研修しただけで、そのコツを理解し、実践する優秀な講師もいますが、その方々の特徴は、「素直であること」「臨機応変であること」「向上心が強いこと」、この3つに集約されるでしょう。

私ども漢和塾への中国語研修の依頼は増える一方ですが、優秀な講師は一足飛びには増えません。仕事を追いかけるのは止めてでも、声調でさえ教えられない講師はどんどんお断りしていこうと思います。「声調なくして報酬なし」、企業理念ではなく、実践しようと思います。「日本人の発音、声調の指導には自信がある!」そのような方がいらっしゃったら、是非、日本人が尊敬される中国語の教育にご協力ください。そう、受講生にとっては、「声調なくして尊敬なし」なのですから・・・