中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

中国進出でも開拓でもない・・・それは挑戦です!

2010-08-08 19:07:48 | 中国
前回の出張は6月後半でしたので、まだ2ヶ月も空いていないのですが、久々の上海です。夜の便でしたので、東京の夜景にさよなら、上海の夜景に迎えられました。高速道路から市内に入り、万博会場が見渡せる橋から見た上海市中心部は、ライトアップされた橋や自ら光を放つ高層ビル、それらに照らされ明るく漂う雲・・・街の勢いの差を感じました。「差」と言う言葉を使うこと自体が東京との比較から出たわけですが、上海を中心とした、浙江省・江蘇省あたりまでで人口1億4,000万・・・ここだけでも日本一国の相手ができてしまいそうです。

そんな上海市も一概に一つの街として語れないこともあり、各区ごとに分析をしても丁度いいかも知れません。上海に会社を設立する場合も、どの区で始めるかで条件も違う場合がありますし、区の開発の計画によっては、これから伸びる区、やや劣勢な区などもあると思います。市内中心部の盧湾区などは、目抜き通り「淮海路」に出店できる店や国を制限していたりするとのこと。実際、各区の税務局は、それぞれに営業目標を持って競っているようなもので、「儲かる=税金が入る」投資は大歓迎!と言ったところでしょうか。

また、日系企業が上海に進出する場合、欧米企業、韓国企業、インドなどアジア各国、台湾、そして地元の企業とライバルは誰なのか、これまた業種によって厳しい戦いを強いられます。日本の新聞の見出しには、引き続き日系企業の中国進出や開拓の文字が躍りますが、この開拓と言うのは、まだ未開の地を開くと言うもの・・・世界が集う上海はおろか、内陸部でも西に行けばヨーロッパが、南に行けばASEAN各国が、北に行けばロシア、韓国がすでに食い込んでいるわけですから、開拓どころか進出でもなく、「中国に挑戦!」ではないでしょうか?

最近は、猫も杓子も中国進出で、ある方は「上海でおふくろの味の日本料理店をやりたい」と夢を語っていましたが、仮に日本人相手だとしても、日本料理店の競争でさえ激しさを増していて、産地直送の海鮮、日本人好みの調味料を使う店などハイレベルな競争になっているわけで、そう易々と日本のものを持ち込んでも勝てないでしょう。また、蕎麦が有名なある居酒屋は、以前は日本人経営者が腕を古い、連日満員でしたが、久々に行ってみると、お店を現地の人にまかせたのか、日本人スタッフの姿はなく、その代わりに「まずい蕎麦」がお出迎え、土曜の夜だと言うのに店内は閑散としていました。まかせることの重要性と難しさを痛感しました。

今日で早くも3日目。今回は、上海中心の滞在になります。初日から、恐怖感にも似た緊張感で駆け回っていますが、自らの中国進出・・・・いや、「挑戦」のシナリオを少しでも鮮明なものにするには、まずは挑戦者としての準備を怠らず、あとは繊細かつ大胆に行動していきたいと思います。言葉だけが身震いしてる感じですが・・・