中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

農村だった?・・・張家港に行ってきました!

2010-08-12 19:11:10 | 中国
張家港に行って参りました。日本語読みで「チョウカコウ」は、河北省に「張家口」と言う市がありますが、今回お邪魔したのは、江蘇省の張家港、上海からバスで2時間弱、長江に面した都市です。都市と言っても、基本は農村であり、市内中心部を除くと、延々と田舎の風景が広がります。良好な、つまり深さのある港にも恵まれて、日系企業を含めた外資系企業が保税区に工場をかまえています。

1992年頃から開発が始まった保税区、さらに2004年になると、保税物流園区もでき、市内中心部の人口は90万人程度(すでにデータが古いかも知れません)、いつものようにビデオを回しても、この1年に見た四川省、湖南省、河北省などの都市の風景と何も変わらず、驚いたのは、少なくとも上海よりは、圧倒的に街が綺麗!大げさな表現ではなく、道には「ゴミ一つ」落ちていません。

それもそのはずで、交差点ごとに清掃のおじさん、おばあさんがいて、確実にゴミを撲滅しています。さらに、最近は中国のいくつかの都市で導入されているようですが、歩道のあちこちに、乗り捨てOKの無料レンタル自転車が完備されていて、かつての農村は、それはそれは「豊かな」街へと変貌をとげています。ところどころに農家が点在していますが、ふと思ったのは、野菜などの作物がそれなりに獲れているとは思いますが、いったいこの街は何で生計を立てているのだろう?いくら中国が発展していると言っても本業は何?と言う疑問がわいてきました。

その答えは現地駐在員の方が解明してくれました。「要は外資資本ですよ!」・・・日本の高度成長期との比較は適当ではないかも知れませんが、当時の日本は加工貿易と言われながらも、製造業、製品は切磋琢磨を繰り返し、世界に名だたる企業やブランド、製品を世に送り出してきました。もちろん、今や韓国のサムスンに限らず、中国の海尓集団など多くの優良企業が生まれていますが、こと張家港に限ると、広大な土地を利用し、保税区をつくり、外資資本を導入し、そこから得る利益(税金)で、行政自体が潤う。お金持ちが多いと言われる市民も、立ち退き等の資金を元手に不動産で儲けたり、公務員は行政が儲かれば、それにともなって裕福にもなる・・・どうやら富裕化のキーワードは、結局は「外資」・・・中国の発展の多くは、まだまだ各自の自立よりも行政に頼ることが大きいのだと、あらためて認識しました。

100年揺るがぬ国家のレールを引いた小平や、現政権の本当の思いは、人民各自がもっと自立、自活して、国が発展することに違いないと思いますが、各国から「バブルがはじける!」と批評される原因は、この「他力本願」な体質が影響しているのかも知れません。相変わらずの出張生活で、ほんの一部の情報から中国を分析することは安易だとは思いますが、この先も「色んな中国」をできる限り体感していきたいと思います。