中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

日系企業の中国進出は、オリンピックの世界の壁?

2010-08-13 19:12:23 | 中国
いきなり大きなテーマから入りました。日本はお盆の真っ最中ですね。帰省ラッシュ、Uターンラッシュのニュースもネットやテレビで見ることが増えています。上海の今日の最高気温は39度の予想、コンクリートやアスファルトの街中の体感温度は42度はあると思われ、入浴状態です。テレビのニュースでは、老人子供、体の弱い方は上海万博に行かないように警告が流れていました。

中国入りして1週間が経ちました。あっと言う間に経ちました。そんな中でも、こちらの駐在員の方々にお会いするおかげで、新たな中国の問題点も把握することができましたし、出張とは言え、やはり「事件は現場で起きている!」だと思います。特に、もう10数年も駐在経験のある先輩方の話は、最近の中国だけではなく、経済の発展や競争の厳しさの変化を、流れで捉えてらっしゃるので、とても勉強になります。

日本で、日経新聞の見出しだけを追いかけていると、日系企業、特に超大手企業が中国で拡大のスピードを早め、内陸部などにも販路を広げ、それ以外の上場企業はもちろん、ITベンチャー、飲食など様々な企業が中国でこの先さらに活躍するように見えてしまいます。が、実態は・・・・

日本の業界№1企業が必ずしも中国で成功していないこともそうですが、仮に成功している企業がいたとしても、欧米、韓国なども含めた世界ランキングにすると、中国で10位以内にも入らない・・・過去に中国で成功した日系企業も、たかがこの3年くらいで劣勢に追い込まれる・・・日系企業の相手から、中国企業の市場獲得に乗り出したものの、資金回収で大きな痛手を負う・・・など。中小、ベンチャーどころか、日本では名だたる大企業でも、中国での成功確率は、オリンピックの世界の壁に相通ずるのでは?日本代表が世界ランキングの何位になるか?金メダルがとれる種目も少なくなっている・・・オリンピックの成績は世界の勢力図かも知れませんね。

そのような環境にも関わらず、日本本社では、中国の分析も精通もしていないトップが方針を決定、社名のネーミングにおいても日本的感覚を押し付け、さらには、現地化の名の下に、本来その企業の強みを伝えるべく赴任している人材まで返してしまう・・・以前のメールでも書きましたが、日本のエースが、それも10年近い経験と分析で立ち向かっても困難な闘いが、中国、そして世界で繰り広げられています。世界企業の資本力、実は強大なサムスンのような韓国企業、そして中国企業と法制の壁・・・書いているうちに気が遠くなりそうですが、こちらでお会いした何人かの優秀なビジネスマンの方なら、この難局を乗り越えていくことでしょう。

日本に戻り、私ができることは、危機感を煽ることではなく、現実と過去からの流れを共有し、仕事力のある方に準備すべきスキルを身に着けていただくこと・・・もちろん、私も頑張ります!『一起加油!』