さわやか易

人生も歴史もドラマとして描いております。易の法則とともに考えると現代がかかえる難問題の解決法が見えてきます。(猶興)

ドラマで振り返る序卦伝・下経三十四卦(その3)

2024-08-03 | さわやか易・講座

亨と利子は娘の結婚相手に求めるものは何よりも人柄だった。国際結婚は問題にはしなかった。「雷火豊」娘の結婚相手は洗練された人柄であり、家は元貴族の大富豪だった。結婚生活は順調だったが、娘の夫はあっさりと外交官を辞めてしまう。子供の頃からやりたかった職業であるマジシャンになりたいとのことだった。マジシャンを日本でやりたいと、娘と共に日本にやって来た。「火山旅」何処に行けば、マジシャンになれるのか全く解らなかった。

夫のマジシャンとしての腕は相当なものだが、その世界で受け入れてもらうまでは大変だった。娘はマネージャーとなり、夫と共にあちこちと駆け回り、売り込みを続ける。「巽為風」2年間かかったが、やっと仕事が入るようになる。夫のハンサムで洗練された身のこなしが評判になり、テレビ出演も多くなった。「兌為沢」娘夫婦の喜びは天にも昇る気持ちである。

娘夫婦はテレビ局スタッフを大勢連れて銀座のクラブで大パーティをやった。「風水渙」その散財はこれまでの稼ぎの10倍にもなる。さすがに猛反省し、「水沢節」節度をわきまえるようになった。

「風沢中孚」娘夫婦はその後は誠心誠意、真心を込めて仕事をし、感謝と奉仕の精神に徹することになる。ますます評判は高くなり、収入も安定し、生活も豊かになった。「雷山小過」

その後、亨は無事に定年を迎え、利子も日本に引き上げ、役員になった息子たちの活躍する姿を見守る立場になった。亨と利子夫妻は久しぶりに温泉旅行を楽しんだ。「水火既済」世の中の全てが、見事に調和していると実感した。そう思って帰宅すると、何と家の中が荒らされていた。空き巣が入ったのである。「やれやれ、世の中は一寸先は闇だなあ。」そう思わずにはいられない。「火水未済」 序卦伝はこれが終わりであるが、人生に終わりはない。

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