易には決まり事やルールがあり、独特の呼び方がありますので最初に押さえて下さい。易の六十四卦には卦全体を表す言葉「卦辞」と六つ爻それぞれに付けられた言葉「爻辞」があります。爻は合計すると、64×6=384爻あることになります。その内の半数192が陽爻で、もう半分の192が陰爻になります。一番下の爻を初爻と呼びます。そして、二、三、四、五と続き、一番上の爻を上爻と呼びます。陽爻を九、陰爻を六で表します。ですから、初九と言えば、一番下にある陽爻になります。
陽爻と陰爻はそれぞれ正しい位置があります。陽爻は奇数の位置、すなわち、初、三、五が正しい位置です。反対に陰爻は偶数の位置、すなわち、二、四、上が正しい位置になります。上の卦「水火既済」は全ての爻が正しい位置にあります。
次に、中心になる爻を覚えて下さい。それは下卦では二爻で、上卦では五爻です。特に、五爻は全体の中心的な爻となります。易では中ということが大切にされます。「主爻」も覚えて下さい。全体の中で最も重要な役割を果たす爻のことです。五爻が主爻になる場合が多いのですが、卦によっては他の爻になることもあります。
「応じる」と「比する」も覚えて下さい。相性が良い、悪いということです。陽爻と陰爻は「応じる」「比する」ですが、陽爻同士、陰爻同士は「応じない」「比してない」となります。「応じる」は下卦の初爻と上卦の四爻、下卦の二爻と上卦の五爻、下卦の三爻と上卦の上爻が応じているかです。又、「比する」は、例えば二と三とか三と四の隣同士の爻が陽と陰なら「比する」、陽同士、陰同士なら「比してない」となります。
六爻にはそれぞれに位があります。初爻は庶民、二爻は士分、三爻は大夫、四爻は貴族、五爻は君主、上爻は引退した君主または聖人を指します。会社で言えば、初爻は平社員、二爻は課長、三爻は部長、四爻は役員、五爻は社長、上爻は会長といったところでしょう。必ずしも位通りにはなりませんが、覚えておいてください。
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