さわやか易

人生も歴史もドラマとして描いております。易の法則とともに考えると現代がかかえる難問題の解決法が見えてきます。(猶興)

序卦伝(25)沢火革と火風鼎

2024-07-20 | さわやか易・講座
「水風井」は内面にじっとエネルギーを蓄えていることでもある。蓄えられたエネルギーはやがて動き出すだろう。
 
「井道は革(あらた)めざる可からず、故に之を受くるに革を以てす。」
井戸というものは、何もしないと土が崩れたり、塵がたまったりするものである。そこで、時々大掃除をする必要がある。オーバーホールである。老朽化した井戸は思い切って、井戸替えをしなくてはいけない。人間の心もそうである。ストレスや悩みを抱えていると、次第に清新さがなくなる。そこで、人は悩みを忘れ、清新さを取り戻すために、気分転換が必要となる。
 
国家や社会にとっても、長い間、同じ体制、同じ制度の中にあると、制度は腐敗し貧富の差が生じて来る。フランス革命は何故起こったのか?王様に権力が集中し、貴族と僧侶たちが民衆の上に君臨し続けた結果、民衆は食べることも大変な事態になった。これでは、革命が起きて当然である。「沢火革」は革新する道を説いている。
 

「物を革(あらた)むる者は鼎(かなえ)に若(し)くは莫(な)し、故に之を受くるに鼎(てい)を以てす。」
鼎とは物を煮炊きする器である。煮炊きすることによって、もとの食材とはまるで違うものが出来上がる。古きものが新しいものへと変化する。そこで、「沢火革」の次に「火風鼎」が来るのである。神を祭り、賢人、君子を養い、故き弊害を去り、物事を新たにするのである。
 
又、鼎はどっしりと安定した物を表している。革命によって、混乱した社会は安定を求める。そこで、革命の後に安定の象徴、鼎がある。王朝にとっては、鼎は王位の象徴であった。「鼎の軽重を問う」という言葉があるが、重要な地位を保てるか、否かを決める大事な時にあることをいう。

コメントを投稿