人と人が集まることによって、人は成長する。しかし、成長するばかりではなく、困難な目にもあう。
「升(のぼ)りて已まざれば、必ず困(くるし)む、故に之を受くるに困を以てす。」
上を目指す者は、競争相手との戦いもあり、ストレスもある。順調な時ばかりではない。行き詰まることもあるだろう。困難を感じることが必ずある。卦の形は、沢の下に水があるということは、水が沢より下がってしまうことを表し、沢には水がなくなってしまうという象である。
これでは、困窮してしまう。困の卦は、困窮したことを表している。
「上に困(くるし)む者は、必ず下に反(かえ)る、故に之を受くるに井(せい)を以てす。」
上を目指して行き詰まり、困窮した者は、必ず下に引っ返す。井戸には常に水がある。絶え間なく湧き出る無尽蔵の水がある。そこにしばらく身を置くことである。
心掛けとすれば、この「水風井」を忘れないことである。「地山謙」にも通じるが、常に自分の身を低い所に置くようにすると、無尽蔵の水を得ることが出来る。無尽蔵の水とは平常心であり、勇気であり、元気である。
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