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映画 「約束」

2013-04-20 | Weblog

 

約束~名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯~

『死刑弁護人』など優れたTVドキュメントを制作し、それを映画化もして高い評価を得ている東海テレビによるドキュメンタリー・ドラマ。
東海テレビが取材をし続けてきた貴重な映像の数々と、
日本を代表する名優である仲代達矢と樹木希林をキャストに迎えたドラマを通して、
“名張毒ぶどう酒事件“の全貌と今も無実を訴える奥西勝の現在に至る生涯を描く。
 
             

1961年に起きた「名張毒ぶどう酒事件」の奥西勝死刑囚の姿を、再現ドラマとドキュメンタリーを組み合わせて描いたもの。


 無実を叫び続けながら52年間も勾留されている奥西死刑囚を演じた仲代は「これまで役者を60年やってきましたが、

実在する人物を演じたのはこれが初めてです。

映画やドラマでは虚と実の間にいる人物を演じればいいのですが、実在する人物を演じるということはとても難しかったです」と話した。

               


 また「事件に関するいろんな資料を見たり話を聞いたりして、僕は奥西さんが無実であることを信じています。

極端な言い方ですが、このまま奥西さんが死ぬまで(無罪を)決定しないようなことがあるなら

司法が殺人者になるであろうと思っています」と強い口調で語った。


 本作は日本の司法に異議を申し立てるような挑戦的部分がある。

樹木は「仲代さんも私も“もうこの作品で仕事がなくなるな”と覚悟を決めています。

仲代さんが80歳で、私も70歳だからもう(仕事がなくなっても)いいかと思っている覚悟なんです」と話した。

                                                               (作品資料より)

 当時の実際の映像には 緊迫するシーンが多々あり

関係者が口裏合わせのように 証言を翻す

奥西氏を手錠、腰縄で市中引き回し 村民が大声で罵倒!

その群集の中 幼い息子、娘の「お父ちゃん!お父ちゃん!」と叫ぶ声

関係者は 心が痛まないのだろうか?

人が人を裁く 司法は冤罪だったら五十数年の人生をどう責任をとるのだろうか?

何度も出されては棄却された「再審請求」

それには 司法の利権が絡む

理不尽さに胸が震える

 

弁護団長が病気入院した 奥西氏の見舞いに行った時

「やせ細った腕には 手錠がかかっていた・・・」と声を詰まらせ つまらせ語っておられた姿に

年老いた死刑囚救済に尽力される姿勢に胸打たれ 考えさせられる作品に出会えたことに感謝します。

 

 

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