約束~名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯~
1961年に起きた「名張毒ぶどう酒事件」の奥西勝死刑囚の姿を、再現ドラマとドキュメンタリーを組み合わせて描いたもの。
無実を叫び続けながら52年間も勾留されている奥西死刑囚を演じた仲代は「これまで役者を60年やってきましたが、
実在する人物を演じたのはこれが初めてです。
映画やドラマでは虚と実の間にいる人物を演じればいいのですが、実在する人物を演じるということはとても難しかったです」と話した。
また「事件に関するいろんな資料を見たり話を聞いたりして、僕は奥西さんが無実であることを信じています。
極端な言い方ですが、このまま奥西さんが死ぬまで(無罪を)決定しないようなことがあるなら
司法が殺人者になるであろうと思っています」と強い口調で語った。
本作は日本の司法に異議を申し立てるような挑戦的部分がある。
樹木は「仲代さんも私も“もうこの作品で仕事がなくなるな”と覚悟を決めています。
仲代さんが80歳で、私も70歳だからもう(仕事がなくなっても)いいかと思っている覚悟なんです」と話した。
(作品資料より)
当時の実際の映像には 緊迫するシーンが多々あり
関係者が口裏合わせのように 証言を翻す
奥西氏を手錠、腰縄で市中引き回し 村民が大声で罵倒!
その群集の中 幼い息子、娘の「お父ちゃん!お父ちゃん!」と叫ぶ声
関係者は 心が痛まないのだろうか?
人が人を裁く 司法は冤罪だったら五十数年の人生をどう責任をとるのだろうか?
何度も出されては棄却された「再審請求」
それには 司法の利権が絡む
理不尽さに胸が震える
弁護団長が病気入院した 奥西氏の見舞いに行った時
「やせ細った腕には 手錠がかかっていた・・・」と声を詰まらせ つまらせ語っておられた姿に
年老いた死刑囚救済に尽力される姿勢に胸打たれ 考えさせられる作品に出会えたことに感謝します。
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