
先日、書店でふと懐かしい名前を見つけました。清水おさむ「美しい人生」(青林工藝舎)。清水おさむといえば70年代末期の三流劇画ムーブメントの中心人物。四半世紀を超えての再開でした。といっても「美しい人生」は当時の作品ではなく、比較的新しいものです。
かつての清水おさむといえば、ひたすらバイオレントで、見開きページに首が飛ぶ、血しぶきが上がる、といった作品ばかりだった印象です。エロ劇画というより、情念をストレートにたたきつけた作品という感じで、ストーリーも同じようなものが多く、正直敬遠気味でした。
しかし、この作品では、描線や構図が整理され、洗練され、さらにきっちり描き込まれていて、読み応えのあるものになっています。4編の短編が含まれますが、それぞれ、プロレスラーと見世物小屋の少女、アフターファイブにおかまに変身するエリートサラリーマン、首切り朝右衛門といったマージナルな人々を主人公にしており、情念が悲しさや滑稽さ、美しさに昇華していて、とても面白く読むことができました。やはり、首が飛び血しぶきも上がりますが、「解剖学的な処理」というか精緻な表現というか、グロというよりは何かアバンギャルドな印象を受けました。
コアにあるものは変わっていないと思いますが、表現の仕方がグレードアップし、凄みを増したという感じです。
初出は「アックス」という雑誌のようですが、残念ながら私はどのような雑誌か知りません。ただ、このような作品の発表の場がまだあるのは、なかなかよいことだと思います。
ところで、宮西計三はどうしているのでしょうか。
かつての清水おさむといえば、ひたすらバイオレントで、見開きページに首が飛ぶ、血しぶきが上がる、といった作品ばかりだった印象です。エロ劇画というより、情念をストレートにたたきつけた作品という感じで、ストーリーも同じようなものが多く、正直敬遠気味でした。
しかし、この作品では、描線や構図が整理され、洗練され、さらにきっちり描き込まれていて、読み応えのあるものになっています。4編の短編が含まれますが、それぞれ、プロレスラーと見世物小屋の少女、アフターファイブにおかまに変身するエリートサラリーマン、首切り朝右衛門といったマージナルな人々を主人公にしており、情念が悲しさや滑稽さ、美しさに昇華していて、とても面白く読むことができました。やはり、首が飛び血しぶきも上がりますが、「解剖学的な処理」というか精緻な表現というか、グロというよりは何かアバンギャルドな印象を受けました。
コアにあるものは変わっていないと思いますが、表現の仕方がグレードアップし、凄みを増したという感じです。
初出は「アックス」という雑誌のようですが、残念ながら私はどのような雑誌か知りません。ただ、このような作品の発表の場がまだあるのは、なかなかよいことだと思います。
ところで、宮西計三はどうしているのでしょうか。
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