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キノコ大豊作

2020年12月15日 | 地域

秋は「きのこ」の季節。今年の当地方は梅雨には比較的雨が多く日照不足で作物は低調な成育。8月に入ってから比較的好天が続き、作物は例年並みだったが収穫時期は遅れ気味だった。そんな中で平年より半月以上も遅れて「キノコ豊作」の報が入ってきた。

近年各地で熊の出没情報が多発。2020・1・25「秋田魁新報」に次の記事があった。「24日午前9時ごろ、秋田県湯沢市川連町川連の市道にクマがいるのを、付近の10代女性が見つけ、市役所を通じて湯沢署に届け出た。人や物への被害は確認されていない。県内でクマの目撃情報が警察に寄せられたのは今年初めて。県警地域課によると、県内で1月にクマが目撃されたのは2018年以来2年ぶり」。さらに7月八坂神社にある小社がクマに小破された。ミツバチの巣があったらしい。

こんな背景が重なると村に住む住民は山菜、きのこ採り等で里山にも出入りすることが少なくなった。私も裏山に出向くことはいつもよりは少なくなったが、それでも時々住宅近くの山には出入りしている。

10月の中旬、クリタケとヤマブシタケにぶつかった。ほとんどがナラ枯れに枯死したミズナラの樹。クリタケはともかくヤマブシタケを地元ではウサギタケと言い珍しいキノコ。私も年に一、二個採った程度だったが今年はそのヤマブシタケが連なって生えていた。

            ヤマブシタケ、ヤマブシタケ下面

Wikipediaには「日本名の由来は、子実体の外観が、山伏の装束の胸の部分についている梵天(丸い飾り)に似ているためといわれる。中国ではシシガシラ(猴頭)猿の頭の意ともいう。食感は海鮮類に似ているが、特別な香りや味はないため、スープなどの汁物として味を含ませて用いることが多い。中国では四大山海(他はフカヒレ、ナマコのいりこ、熊の掌)の珍味の一つとされ、宮廷料理用の食材として珍重された。」とある。

私がこのヤマブシタケを知ったのは20年ほど前、友達と松の木峠散策で見つけた。友人に地元ではウサギタケと言い、珍しいキノコと知らされた。その後15年前国見岳の峰、そして2年前は地元の里山。せいぜい見つけても一個。それが今年は十個近くに遭遇。採った方がビックリの状態。一般のキノコのイメージが全く違う形なので、自然の山でであっても見過ごす確率が高い。近年血糖値を低減、マウス実験で抗腫瘍効果等話題となり原木や菌床栽培が可能になりスーパーで見かけられるようになった。

                              左クリタケ、右ナラタケ

クリタケとナラタケもナラ枯れのミズナラの木に今年初めて出てきた。クリタケは初め饅頭形でのちに平らになる。探してみてもこの木一本だけだった。クリタケ、ナラタケは当地ではサワボタシやサモダシと呼び最もポピュラーなキノコになる。

ナラタケの表面は帯黄色で中央部に放射状の線がある。このナラタケは3年前ナラ枯れで薪に伐採した切り株と周辺に発生。今年はここだけにしか発生しなかった。数年前は杉林にも大発生。旺盛なナラタケ菌は古木や土だけではなく生えている樹の表面にも生えていた。

ナラタケ菌はオニノヤガラやツチアケビのような無葉緑ランに内生木菌根をつくる。この場所の近くの杉林に毎年オニノヤガラが出てくる。今年は発生がいつもより少なく丈も短かった。

              ナメコ        

11月になって、昨年までムキダケが生えてきたミズナラの枯れ木にナメコが生えてきた。今年のムキダケはいつもよりは少なかったがそれでも10月から11月にかけて堪能した。はじめわずかな発生だったので来年に期待などと思っていた。11月の末になって昨年までムキダケだらけのミズナラの枯木におびただしいナメコの発生。株元から4、5mの高さまで、ナメコタワー化ししばらく呆然として見とれた。高いところは持参の鉈で柴枝伐り、臨時の長枝でかき落とした。晩秋ゆえレジ袋等入れ物なしでの入山。想像以上大量の発生。とっさに着用ていたヤッケを脱ぎ、胴部分を紐で括ったら大きな入れ物になった。帰宅で計量したら14㌔もあった。

       広げた新聞紙2枚分の量のなめこ

雪のなかった12月も昨日と今日で雪降りの天気、昨日の朝の積雪は27cmだったが今日は45cmもあった。予報は明日も大雪予報。この冬初めての除雪車が稼働した。ニュースで奥羽本線真室川から横手、北上線が不通。

雪降りの直前、裏山の「なめこ」は前回の半分、約10Kの量になった。さらに老菌になった「なめこ」タワーのミズナラの枯れ木は4、5本もあった。

                    ナメコタワー ミズナラの枯れ木

私のキノコ採りはほとんど自宅の山中心で、山名人のように深山にはいってのマイダケやマツタケ等とは縁はない。自宅からせいぜい1Kほどの集落中心の裏山。天然のナメコは初めての体験で豪華な晩秋だった。


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