麓の鎮守の森、八坂神社を「麓のトトロの森」と私はよんでいる。
「トトロ」は宮崎駿監督の「となりのトトロ」はスタジオジブリの長編アニメーション映画。
昭和30年代前半の日本を舞台にしたファンタジーで、物語は、田舎へ引っ越してきた草壁一家のサツキ・メイ姉妹が、“もののけ”とよばれ、子どもの時にしか会えないと言われる不思議な生き物・トトロとの交流を描いていく物語。
ジブリの共同設立者のひとり高畑勲監督は「トトロ」について「宮崎駿のもたらした最大の恩恵はトトロだとわたしは思う。トトロは普通のアイドルキャラクターではない。...トトロは全国のこどもたちの心に住みつき、こどもたちは木々を見ればトトロがひそんでいることを感ずる。こんな素晴らしいことはめったにない。」と語っている。
2017.6.22
八坂神社の境内の樹木は杉とブナ。樹齢約300年と云われている。湯沢市川連町、湯沢市役所稲川支所の東方800mにある。季節の変わるごと多様な趣を醸し出される。宮崎駿監督のいう「トトロの森」を彷彿させる。遠くから眺めるとなにかしらトトロがひそんでいるような気がしてくる。田んぼの「あきたこまち」が日増しに緑が深くなってくると、ひときわ「トトロの森」が輝きを増してくる。
2017.7.15
森の中には樹齢約300年の杉約80本、樹齢がほぼ同じのブナの木10数本がある。
2017.7.15
境内内で一番太い杉の木とブナの木は並んで立っている。この場所はかつて長床の建っていたいた場所の側。
「かつてこの場所に長床があった。茅葺の建物は子ども達のよい遊び場になっていたが、昭和30年代頃荒れが甚だしくなり解体された。解体された材料は一か所に集められなくなるまで十数年あったと記憶している。神社等の解体されたものの焼却は固く禁じられていたとも云われている。「長床」(ながとこ)は神社建築の一つ。本殿の前方にたつ細長い建物、修験者、行人、長床衆に一時の宿泊・参籠の場であったり、宮座や氏子の集合場所にあてられてたという。八坂神社の長床は比較的大きく建物の真ん中が神社へ向かう参道になっていた。この参道を挟んで左右に分かれていた長床は一つの建物だった。」ブログ「八坂神社のお祭り」( 2014.8.4)引用
2017.4.2
今年の雪消えは例年より少し遅れた。4月2日の朝、朝霧で周りが見えず鎮守の森が浮き出たように見えた。お気に入りなのでこのブログのプロフィールに使っている。
2017.6.11
約800m離れた場所からの一枚。偶然森の真上から朝日。
私は木ではなく鎮守の森、八坂神社の森をを「トトロの森」と呼んでいる。今年一月から毎週のように日曜日の朝自宅の田んぼ付近から、東西南北に国見岳と八坂神社の写真を撮り続けている。
八坂神社は長治元年(1104)勧請、慶長4年(1599)川連城の領主の保護を受け再興されている。八坂神社はかつては現在地から約400mほど離れた所にあったと云われている。その後宝暦6年(1756)に現在地に建立、移転した八坂神社に秋田佐竹藩主の臣で横手城の岡本代官が来村の際、「立派な社を造るように」と命じられ、社殿が再建されたと言い伝えがある。2011年豪雪で損傷した八坂神社。一部解体したら二つの「束」に墨で寛政12年(1800)の文字と川連村 大工棟梁虎吉の名があった。現在の八坂神社は再建されてから216年になる。
八坂神社の祭神は「素戔嗚尊」、御神体は「祇園牛頭天王」の木像。鎌倉時代のもの説がある。祇園とは、京都の八坂神社の旧称。明治の神仏分離令までは祇園社と称した。八坂神社神殿には「祇園宮」の額が掲げられている。八坂神社の御神紋は「五瓜に唐花(ごかにからはな)」と「左三つ巴(ひだりみっつともえ)」である。唐花紋は別名「木瓜(もっこう)」ともいう。この五瓜に唐花紋がキュウリの断面に似ていることから、八坂神社の氏子や祇園祭の山鉾町の人びとは祇園祭の期間である7月一ケ月間はキュウリを食べないという。
八坂神社のある麓、川連の住民(氏子)はこの風習に従い、家々で自家栽培の「きゅうり」は八坂神社に奉納されたあとに食べる習わしがあった。「きゅうり」は当時春植えた「きゅうり」は旧暦の6月に入って食べられようになった。昭和40年代から「キュウリ」のハウス栽培が急速に進むと年中食べれるようになり、自家栽培の初ものの「キュウリ」を神社へ奉納する習慣は消えた。
2017.7.15
祭典はかつては旧暦の6月14.15日だったが現在は7月14.15日が祭典になっている
例年7月15日の例大祭が終わると「トトロの森」は静けさを取り戻す。木々に「トトロ」が棲みついているような雰囲気を漂わせる。だが住宅地のすぐ近くの森を訪れる子ども達はほとんどいなくなった。少子化と言われてから随分時間がたった。少ないといわれる現在の子供たちにも「トトロ」は潜んでいることに変わりがないはずだ。子ども達の限りない夢と創造性を育てていきたいものだ。