新河鹿沢通信   

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田植の報告

2015年05月27日 | 農業
前回の「山神社修復と神体 1」で次回「山神社修復と神体 2」で詳細を報告する予定だった。田植前の代かき作業、そして田植と連続する作業の中で訃報が入った。昭和63年「稲川有機米研究会」設立に率先して参加した「k」君。同年の「S」君とは中卒以降「農業基本法」世代、研修や青年会活動は一緒だった。米とトマトを作りながら地場産業の「漆器店」に定年まで務めた努力家。二人とも同じ地域、体調をくずしていたことは知っていたが、、、。

「山神社修復と神体 2」の作業が終わっているのだが、もう少し検討の余地があり次回にすることにした。葬式、田植作業が重なりやっと5月24日、自宅と仲間の田圃合わせて3haの作業が終わった。昨年の米価暴落で「米つくり」を止めた等が聞こえてくる中での田植、「農」だから「田んぼ」がある限り稲を植える作業を続ける。暑すぎる天気の中で24日、神棚に「あきたこまち」の苗とお神酒で「田植の報告」をした。

2015.5.24

神棚は何時の時代からのものかはわからない。毎年大晦日前の大清掃で神棚に「天照皇大神宮」の御札を納め新年を迎える。天照皇大神様の御札「神宮大麻」(じんぐうたいま)は明治になって氏神様に仕える神主が氏子に配るようになったといわれている。神棚は「神宮大麻」を納めるために作ったとすれば約150年ほどになる。神棚は質素なもので我家の歴史を見つめてきた。田植は農家にとって一年の覚悟の始まりかも知れない。

山神社修復と神体 1

2015年05月11日 | 村の歴史
集落の東から山道を約1k進むと内沢の中心部に「山神社」が鎮座している。ブログ2014.2.15「冬の内沢探索と昔ばなし」でも山神社にまつわることを記録している。平成13年鳥居の工事がおこなわれ、当時ハガキ通信「河鹿沢通信」60号で紹介した。

ハガキ「河鹿沢通信」60号 2001.5.20

この場所は右の進むと「オヤシキ」、「ナツギャド」へ続き、左に向かうと「ムサワ」、「タキノサワ」へと進み,急峻な山道を進むと大滝沢との境になる峰に到達する。峰から左側を少し下ると通称「ウサギティ」(うさぎ平)になる。この地点は平とはいうがそれほど大きくはない。昭和30年代は草刈の馬や「桐沢」から草や柴を背負っての一時休み場、集積地となっていた。この場所へは相の沢林道から両頭神社に出て、小烏(コガラス)の杉林からも山道があったが今は荒れている。

内沢の山神社は、集落では「山の神様」の名で呼ばれている。平成23年から4年も繰り返された豪雪で屋根などの壊れが酷く、今回集落の住民にお願いして浄財を仰ぎ改修工事が行われることになった。山神社は、冬は山を守る神様、夏は田んぼの神様になる。米価暴落で米の生産意欲が低下気味だが、古くから代々守り続けたきた「山神社」の歴史を絶やしてはならないとの有志が立ち上がり、昨秋に集落に呼びかけ85名から協賛金が集まった。

趣意書のチラシ 2014.10.25

川連、麓集落に上記のチラシが配布された。チラシの中で昭和41年茅葺屋根がトタン屋根工事に、約100名から協賛金が集まった記録が記されていた。

壊れた山神社 2014.9.24

修復後の山神社 2014.10.11 

建設中の鳥居 2015.04.23 

5月12日、社殿補修工事及び鳥居建設竣工を例祭に兼ねて竣工祭りが行われる。今回「山の神」様修復を地域の人たちにお願い中に、「観音社 山神社日記」明治4年(1872)の記録が出てきた。明治の廃仏毀釈でなくなった「妙音寺」の黒瀧源造氏の覚書とある。「詳細は「山神社修復と神体 2」



ラショウモンカズラ(羅生門葛)

2015年05月10日 | 地域の山野草
内沢の杉林の一角に「ラショウモンカズラ」が咲いている。広さはせいぜい畳3枚ほどの場所。この青紫色の花の咲く時期になると通いだす。今年は雪消えがいつもより早く、花の時期も早いかもしれないなどと思っていたがいつもと同じ時期に咲いた。この花に出合うと何かを訴えているように思うのはなぜなのだろうか。

 湯沢市川連町内沢 2015.05.10

「ラショウモンカズラ」とは次の解説がある。
高さ5-25cmのつる性の多年草。葉は対生し長いハート形で長い柄がある。長さ4-5cmの青紫色の筒型の花をつける。花弁は先で裂け、下唇が下向きに反り返る。下唇には特徴的な鮮やかな模様があり、長い白毛をつける。名前の由来は京都の羅生門で切り落とされた鬼女の腕に似ているとか、羅生門の付近に多く咲いていたからとの説がある」。

科属:シソ科ラショウモンカズラ属 
学名:Meehania urticifolia 
漢字表記:羅生門葛 
花期:4~6月
園芸分類:多年草、山野草 
花色:紫色 
草姿:立性 
草丈:15~30cm 
分布:本州~九州
原産地:日本、朝鮮 
花言葉:幸せを招く 


湯沢市川連町内沢 2015.05.10 

葉っぱがシソの葉そっくり、「ラショウモンカズラ」とはたいそう仰々しい名と思える。「カズラ」は蔓(つる)のことだが、「ラショウモンカズラ」は蔓ではなくランナーと呼ばれる蔓のような細い茎が地を這うように伸びている。だから立って咲いているところから根が少しずれているように見える。「羅生門で切り落とされた鬼女の腕に似る」等といわれても想像できそうもないが、この花の咲く時期になるとこの場所に通う。連日の真夏並みの天気が続いて「ラショウモンカズラ」の花は終わりに向かっていた。

そろそろ「あきたこまち」の田んぼに水が入り代かきとなる。田んぼに「逆さトンガリヤマ(雄長子内岳)」の風景が目前になった。「ラショウモンカズラ」の開花は田んぼの作業の目安となって数年になる。明日「あきたこまち」を植える田んぼに秋田の川、雄物川の支流皆瀬川から栗駒山系の水を入れる。田植は5月20日を想定して「ラショウモンカズラ」の開花の確認で作業を進めることにした。