新河鹿沢通信   

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第3回あなたが選ぶ日本一おいしい米コンテストで最優秀賞は「ゆきむすび」

2009年11月29日 | 地域
11月28日、第3回あなたが選ぶ日本一おいしい米コンテストが山形県庄内町JAたがわ新余目基幹支所で開かれ、最優秀賞に宮城県鳴子温泉の遊佐 守さんの「ゆきむすび」がえらばれた。

「ゆきむすび」は旧名を東北181号と言い、平成18年2月9日、宮城県の「奨励品種決定会議」で「山間地向け奨励品種」に決定されました。 そして、平成19年12月4日、「東北181号」の名称が「鳴子の米プロジェクト」 で提案した「ゆきむすび」に決定しました。         http://www.city.osaki.miyagi.jp/annai/kome_project/index.html

「ゆきむすび」の名称の由来は、「(ゆきむすびは)地域と行政、地域と農家、都市と農村、学生と農村を結んできた。鳴子温泉郷は宮城県の北西部の山間部、秋田県と隣り合わせの地域だ。「鳴子の米」プロジュクトは地域一体で地域お越しに取組、その活動はNHKでドラマ化され、全国に発信され多くの感動を得たことは記憶に新しい。

今回、決勝に30点中19点が「コシヒカリ」、山形からの一点が優良賞。優秀賞には、静岡の「いのちの壱」、宮城の「たきたて」。他の優良賞は新潟からの「いのちの壱」、高知の「にこまる」に決まった。過去二回最優秀賞の岐阜県から出品の「いのちの壱」が今回他の二県からの応募で入賞したことにこの品種の秘められた力を知る。

今回の圧倒的「コシヒカリ」上位の中で、入賞されたこれらの品種が食味計での審査ではなくて人それぞれの「舌味計」で入賞が決まったことに驚いた。

昨年まで北海道の「「おぼろづき」が堂々と優秀賞、今回初めて四国高知県から「にこまる」という品種が優良賞選ばれた。「コシヒカリ」が一番との時代から大きく変わりつつるある流れを感じる。                                    秋田の「あきたこまち」は30点に入賞さえできなかった。                     

今回隣の宮城県鳴子地域の人たちの米を中心とした地域活動に、多くの地域の進むべき方向が示唆されているような気がする。
そして今回の受賞は多くの山間部、中山間で稲作取り組む全国の農家を励ますことになった。「鳴子の米プロジェクト」の皆さん、「ゆきむすび」を栽培された遊佐さん、本当におめでとうございます。

「あきたこまち」決勝大会に進めず

2009年11月28日 | 農業
山形県庄内町などが主催する第三回「あなたが選ぶ日本一おいしい米コンテスト」で、秋田県の看板品種「あきたこまち」は予選30点にひとつも入らなかった。

秋田県では、今年「あきたこまち」誕生25周年を祝って、首都圏などの消費地に大がかりのキャンペーン活動のさなかでもあった。平成19年の第一回大会では2点が予選通過し決勝大会に進出、その内一点が準決勝まで進んだが、昨年と今年のコンクールで一点も入らず、他の県の分厚い良食味品種と肩を並べることができなかった。
主催県の期待の新品種「つや姫」も上位に入ることができず、決勝の舞台に進めなかった。

このコンテストは、コシヒカリやササニシキなど良食味米のルーツ「亀ノ尾」を育てた庄内町出身の阿部亀治翁をたたえて07年に始まった。他の「お米日本一コンテスト」や米・食味鑑定士協会主催の米・食味分析鑑定コンクールが「食味計」で予選を行うのに対し、審査員の味覚にこだわる「舌味計」で、予選・決勝とも同一条件で食べて審査するという大会でもある。

第3回の今年は全国から294人が審査員として参加。今月前半に自宅で6点ずつ味わい、外観、香り、味、粘りなどをチェック、1~3位を選んだ。米には番号だけ付いていて出品者や品種も分からぬまま審査する。出品は北海道から九州まで計351点あり、07年の269点、08年の303点を超えた。

予選結果は20日集計され、上位30点が決勝に進んだ。秋田県内からの出品者がどの程だったかは知らないが、第一回大会4点が予選通過、そのうち2点が「あきたこまち」、昨年の第二回大会は1点の予選通過はコシヒカリだった。今年の第3回大会は秋田の出品のどの品種も入らなかった。

今年の予選通過品種の特徴は予選通過の30点中、過去2回大会最優秀賞の「いのちの壱」が2点、コシヒカリが18点もあったことだ。過去の大会で準決勝常連の北海道の品種「おぼろづき」、「ななつばし」なども今回入らない。
新たに「夢ごこち」、「たきたて」、「にこまる」、「ゆきむすび」などのあたらしい品種が進出してきた。
山形県は第一回、二回と劣性だったが30点中、今回11点はダントツだが、今年も主催の庄内町からの予選通過はなく第一回大会以来0点が続いている。

食味計は、玄米や白米などの美味しさ(食味)を点数で表す測定器で、1985年にサタケが世界で初めて開発に成功した。当時価格が一億円とも三億円とも言われ、大手の卸会社が導入していた。

昭和63年、私たちの有機米研究会が栽培した「あきたこまち」が90点にという高い評価された。名古屋、多摩の卸会社を訪問し「あきたこまち」への消費地のあつい期待の中で栽培が本格化してきた。

食味の構成要素はたんぱく質、アミロース(デンプン中のアミロース含量) 、水分、脂肪酸で次のように説明されている。
タンパク質 は不透水性で、ご飯を炊くときデンプンが吸水(お米が水分を吸収して膨らむこと)するのを抑制するため、含有率が高いと食 味が劣ります。 7%以下が「良い」 、 9%以上が「劣る」。
アミロースはお米のデンプンはアミロースとアミロペクチンで構成されていて、アミロースが多いとご飯の粘りがなく、硬くポロポロして食味が劣ります 18%未満が「良い」 18%以上22%未満が「普通」 22%以上が「劣る」。
水分 は過乾燥されたお米は炊飯前の水浸漬時にひび割れて糖が流出するため、べちゃついたご飯になり、まずくなります。 15%台が「良い」 14%以上15%未満が「普通」 14%未満が「劣る」。
脂肪酸 は玄米中の脂肪酸は、貯蔵中に徐々に酸化されて脂肪酸とグリセリンが生成します。脂肪酸は異臭を放ち、食味を落とします。脂肪酸が多いほど古米化が進んでいるといえます。 19mg未満が「良い」 19mg以上20mg未満が「普通」 20mg以上が「劣る」。

評価値はそれぞれの測定値を基に算出した食味をあらわす値で、高いほど良食味され評価値にはタンパク質、水分、アミロースの順に影響を与えると言われています。

これらの食味計の分析評価と実際食べて食味には微妙な違いがある。たべもののうまさの判断は個人個人で違う。庄内町のコンクールは、あえて人によって違う「舌味計」で予選、決勝大会をする唯一のものである。
決勝大会は本日28日午前10時から、庄内町のJA庄内たがわ新余目基幹支所2階大ホールで開かれる。


新火の見やぐら出現

2009年11月26日 | 集落
2009/11/27
新「火の見やぐら」出現
村の真中に正座していた火の見やぐらが、ほとんどの住民が知らない間に撤去されてから約二カ月。同じ場所に「新火の見やぐら」が建った。

 
「火の見やぐら」とは今度は呼ばない。ただのコンクリート柱。コンクリート電柱と同じで一般的な電柱より長い、16.5mとか。

多くの地域で江戸時代から、地域のある意味ではシンボルとして鎮座していた「火の見やぐら」が、老朽化と時代の流れとして新しく変わることに特に異論はない。

ただ、違和感があるのは撤去、新しく建て替えたことも地域住民には説明がないことだ。新しいこのコンクリート柱の呼び名をなんというのかは知らない。最上部にサイレン装置、その下にホースの乾燥用の横棚がついた。

乾燥用のホースを手で引っ張るのかウインチで上下させるのかはよくわからないが、ホース乾燥塔に非常時に使うサイレンらしきものがついた。確かに今までのような「火の見やぐら」よりは何倍も勝る施設には変わりはない。何しろ使用の度に上に登る必要ないから安全で操作は電動になったのだ。

これから地域住民に何かしらのお知らせはあることだろうか。地域の消防団組織への説明だけで、他の住民にはやはり何もないのだろうか。

もっとも、自己中心だけになりつつある地域にあって、多くの住民にとってどうでも良いことなのかもしれない。知らせがないことをことさらとりあげて問題視するほうが可笑しいのかもしれない。       

過去の「火の見やぐら]の建設の仕方を知るものにとっては思い及ばないこと。新しい集落のシンボルとして、地域住民との共有などという思いは遠い過去のものになってしまったのだろうか。

刈上げの節句と醜女

2009年11月16日 | 足跡
昨日11月15日は旧暦の9月29日、秋の収穫の感謝をする刈り上げの節句と呼ばれ、当地方では前日に餅をつき、産土の神社や村の神様にお参りをする。

大先輩の住む山形県上山市牧野地区では,集落をあげて前日に各家々で餅をつき当日山の神様の境内で「餅あぶり」をし、田んぼの神様から今度は山の神様へ五穀豊穣の感謝と山の木を守る神さまへの祈りの祭りをしているという。

山の神さまの祭典は私の地区では,旧暦4月12日だったが現在は新暦で5月12日頃の日曜日に執り行い、田んぼの神さまとなる。春先に田んぼの神さまになり収穫の終わった秋から冬にかけて山の守り神となるのだ。「山の神」神社は日本中各地にあって、ほとんど同じように解されているが、近年農業情勢の急激な変化にこれらの行事は埋没しかけている。

日本いろは事典によれば五節句の「節」というのは、唐時代の中国の暦法で定められた季節の変わり目のことです。暦の中で奇数の重なる日を取り出して(奇数(陽)が重なると陰になるとして、それを避けるための避邪〔ひじゃ〕の行事が行われたことから)、季節の旬の植物から生命力をもらい邪気を祓うという目的から始まりました。この中国の暦法と、日本の農耕を行う人々の風習が合わさり、定められた日に宮中で邪気を祓う宴会が催されるようになり「節句」といわれるようになったそうです。

五節句には、3月3日、5月5日のように奇数の重なる日が選ばれていますが、1月だけは1日(元旦)を別格とし、7日の人日(じんじつ)を五節句の中に取り入れています。「五節句」の制度は明治6年に廃止されましたが、今での年中行事の一環として定着しています。

3月のひな祭り、5月の端午の節句、7月の七夕まつりなど制度が廃止されようが根付いている行事だが、旧暦9月の重陽の節句は多くの人たちから遠くなりつつある。

先日こんなことがあった。
新政府は事業仕訳の真っ最中、八ツ場ダムを始め多くの公共工事のあり方にメスを入れだした。10月の下旬、横手市で当地方で建設計画のある「成瀬ダム問題全国大会」が開かれた。

遠く長崎、熊本川辺川ダム、設楽、徳山そして八ツ場ダム関係、北海道サンルダム関係など全国各地からダム建設中止を求めている団体が一堂に会した。
紅葉真っ盛りの成瀬ダム現場やダム完成によってダム湖に沈んでしまう「赤滝」などを視察した。

赤滝にある赤滝神社は今から430年程前に岩崎城の能恵姫が川連城の若君へ腰入れのとき皆瀬川筋で竜神にさらわれ、今なおこの赤滝の滝底にいるといわれる。
ダム計画中止を求める運動の一つのシンボルでもある。

熊本の川辺川ダム反対組織のA氏が一言
「なぜ、神社の主に女性が多いのだろう」と言う。
そう言えば
「山神社もほとんど女性で、しかもシコメだそうだ。だから山の神は女性を嫌う」と話したら、東京から来た若い女性は
すかさず
「シコメとはなんですか」と言う。
一瞬振り返って
「そう言われても、、、」と誤魔化してしまった。
シコメとは醜女(しこめ)のことだ。とは言いそびれてしまったのだ。
今の時代、話言葉にシコメなどと言う語はないのかもしれないし、一般的に言う「ブス」などと形容する言葉とはあまりにも大きく違うように思う。

山の神はあのグロテスクな顔の「オコゼ」と言う海魚が大好物だ、ということを知るとなるほどなどと変なところで納得してしまう。
秋田県神社廳の神社暦によれば山の神には「木花咲耶姫」をあてているが、「木花咲耶姫」の姉は「石長姫命」と言い醜女だったという。この「石長姫命」が主(ぬし)説の地域もあると言う。

刈上げの節句、山の神、ダム問題など欲張った文になってしまった。いずれひとつひとつもう少し掘り下げて書いてみたい。

火の見やぐらの撤去

2009年11月06日 | 集落
村の中心に正座していた「火の見やぐら」又の呼び名を「半鐘柱」が忽然と消えた。
50年近くも見慣れていた風景が無くなると不思議な感慨になるものだ。
火の見やぐらの撤去など多くの地域の人たちには知らされていなかった。

撤去されて半月近くなったが、まだ多くの人たちは知らないでいる。
多くの人たちが通る集落の中心建つ「火の見やぐら」。
通勤、農作業で通るのはマイカーなので、まさかあるはずのものがないだろうなどと注意する人は少ない。

ほとんどの地域で「火の見やぐら」、消防器具置場、防火貯水槽などの設置されている地所は個人の宅地、又は畑地などの地代は無償。ほとんどの集落でそうらしい。

釣鐘は、通常は青銅を鋳造して作られる鐘である。 大きさから梵鐘・半鐘・喚鐘に分けられる。これらの分類については諸説あるが、概ね口径約30cm(1尺)以下のものが喚鐘、55cm~70cm以下のものが半鐘、半鐘より大型のものを梵鐘という。 いずれも仏教寺院において用いられるが、半鐘については火災などの発生を知らせるために火の見櫓に設置されたもののほうが一般に知られている。

急激な市町村合併でそうなったのか。平成の市町村合併で多くの住民から行政は遠くなった。一般の多くの人たちは市役所の窓口に出向くなどということはそれほど多くはない。

合併により、議員は急減し昭和の合併以前の旧市町村単位でみれば一人かせいぜい二人ほど。
新しい市がどちらに向かっているのかなどと一部の人たちのものになってしまった。
いや、そのために広報や旧市町村ごとに自治区制度があるというかもしれないが、役所の本意はほとんどの住民までは届かない。
今回、「火の見やぐら」撤去騒動で露呈したと見るのは大げさか。

撤去された「火の見やぐら」は50年ほどになる。その前の「火の見やぐら」は昭和20年代の建立で200年を超える秋田杉は産土神社から二本、個人の山から提供された一本の計三本柱の火の見やぐらで伐採、運搬は集落上げての大事業だった。そして半鐘は集落もちで当時の行政からどれほどの援助があったのか知る人がいない。

今回、火の見やぐら撤去について地域の消防団組織には連絡したなどと言っているらしいが、「火の見やぐら」や地域の「消防施設」は消防団組織が管理、運営しているかもしれないが、消防団組織に所属しているものではない。施設の土地は個人の善意で成り立ち、集落や市町村組織に所属しているのだ。

今回、古くなって危険だから撤去。とは時代の流れかもしれないが、行政当局からは地域に説明はなく、50年以上も土地提供した人にもなんの説明もなかったことはいまどきの役所の姿なのだろうか。

JAが公域合併の繰り返し、市町村の大型合併で多くの住民の前から行政、農政がますます遠くなってきていることに当局は気付かない。

紅葉と初雪

2009年11月03日 | 地域
紅葉真っ盛りに初雪
11月3日夜半から雪模様。寒さはそれほどでもない。強い風があるでもなし、朝静かさの中での冬景色。
鍋釣山、国見嶽の紅葉と初雪は見事な風景だ。
これほど見事な景色はひさしぶりだ。

秋田県では農民の祭典、第132回県種苗交換会(JA秋田中央会主催、秋田市協賛会協賛)が秋田市で開催され、日曜日までの入場者が昨年の倍以上の50万人突破したという。
今日もこの天気の中で青森、岩手、山形からの入場者を含めて熱気に包まれていると言う。

政権交代後の臨時国会。
衆院予算委論戦が始まってが、野党に下野した政党の大物議員の質問。
お世辞にも見事とはいえない。
これからが本番なのかもしれないが、野党になっても上から目線の物言いに行く末を危惧するばかりだ。

今日は休日で衆院予算委は休み。
国会の休日と静かな雪模様。
何か不思議な一日。