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第41回雄勝野草の会写真展

2017年11月16日 | 地域の山野草
湯沢市雄勝野草の会主催、第41回山野草写真展は11月15日から24日まで湯沢市生涯学習センターロビーで開かれます。雄勝野草の会は昭和49年1月7日に18名で発会し、現在会員43名です。自然観察の中で各自が撮った69点の写真が展示されます。私の会員歴は10年で写真展に参加は第39回からですので3回目になります。

第41回雄勝野草の会写真展 湯沢生涯学習センター 2017.11.15

私の写真展への展示は39回に1点、減反の田んぼに咲いていたシロバナサクラダテ、昨年の40回にはヒガンバナ、オオウバユリ、オオケダテ、エゾアジサイ、シュウカイドウの5点。今回私は7点展示することにしました。以下は写真の紹介です。

オカトラノオ 稲庭町大谷川 2017.7.12

オカトラノオは「丘虎の尾」花期は6月から7月、白色の小さな花を茎から先に総状につけ下の方から順次開花していく。花穂の先端があたかも虎の尾のように垂れ下がる。この写真は稲庭町大谷集落を過ぎて林道に3キロ近く入った大谷川沿い、重機で新らしく作業道を造ったところがあった。重機のキャタピラ跡に表土らしい土の隆起されたところにオカトラノオの群生があった。そこに数年上部から流れ出された土壌が他のむき出し部分より肥沃になっていたらしい。穂先が15センチもある見事な花弁を一本だけの写真とした。オカトラノオはどこにでも見受けられる野草、花は同じ方向を向くこれほどの見事なものに出会うことは珍しい。

ウツギ 川連町黒森 2017.6.25

ウツギは「空木」の意味で茎が中空であることからの命名されたとされる。花はウツギの頭文字をとって「卯の花」と呼ばれ、童謡の「夏は来ぬ」は誰でも知っている。花の咲く旧暦の4月を卯月と呼ばれるのはここからといわれる。このウツギは自宅の山にいつも通る場所、昨年ナラガレの被害にあった木を伐採、薪用に軽トラで10回ほど運んだ時、鮮やかな花のウツギが印象に残り撮っていた。

エゾノシシウド 八戸市種差海岸 2017.6.17

エゾノシシウドは「蝦夷の猪独活」蝦夷の名がつくように北海道に産し多年草。北東北では太平洋側の海岸の分布されている。今年雄勝野草の会の自然観察研修で八戸市の種差海岸で撮った。草丈が1mから1.5mにもなる大きな多年草、花言葉が健康美といわれ、光沢のある葉と豪快な花に納得してしまう。

ミヤマダイコンソウ 仙北市焼森山 2017.9.15

ミヤマダイコンソウは「深山大根草」。私にとって紅葉のミヤマダイコンソウは初めてだ。焼森山の中腹に群生。その範囲の半端ではない広さに圧倒されてしまう。7月から8月に花は黄色く2センチほどの5弁花。花の時期の見事な光景が想像される。葉の端が鋸歯で光沢がある。名は葉が大根の葉に似ていることから深山大根草と呼ばれている。

ミヤマダイコンソウ 花 引用

9月15日秋田駒ヶ岳につながる焼森山コースから登山。前の日の14日から女岳周辺から噴気活動が仙台管区気象台から発表されていた。噴火警戒レベル1、活火山であることに留意とされていて8合目の駐車場には仙北市の消防車やテレビ関係、それに県外からの登山者の車が15台ほど駐車していた。当日懇意にしている仙北市の渓風小舎さんの案内で焼森山から登山、女岳の噴気活動を目の前にして下山してきた貴重な体験。
オクトリカブト 仙北市秋田駒ケ岳 2017.9.15

オクトリカブトは「奥鳥兜」。秋田駒ヶ岳下山中多くのオクトリカブトに出会う。花の形が雅楽の舞の鳥兜に似ているからといわれている。他には鶏のトサカに似ているという説もある。どの部分も強い毒性があることは誰でも知っている。花は鮮やかな紫色をしていてきれいだ。山菜のシドケ(モミジガサ)と間違って食し中毒になったニュースが時折流れる。登山道にはいたる所にこのオクトリカブトが散見された。きわめて大型のものも見られたがこの写真は少し小さめのものを選んだ。世界に現生しているトリカブト属植物は約480種、日本では35種が確認されている。根が最も毒性が強くドクウツギ、ドクゼリと並んで日本三大有毒植物とされている。

ツリガネニンジン 鬼首花立峠 2017.8.21 

ツリガネニンジン「釣鐘人参」は鬼首の花立峠で撮った。花立峠は禿岳(かむろだけ)の登山口で標高は796m。宮城県大崎市鳴子温泉鬼首と山形県最上郡最上町とにまたがる禿岳は標高1,261.7m。あいにくの曇りに霧雨、宮城側は舗装されており広大な牧草地はさながら北海道の景色を連想してしまう。花立峠で散策。濃い霧で50m先が見えない。禿岳の登山口にヤマユリとツリガネニンジンの白と紫の花があった。霧雨に濡れたツリガネニンジンはある種の悲しさを包み込んだ美しさがあった。春の若い芽はトトキとして食用にされる。2年以上たった根は沙参(しゃじん)と呼ばれ生薬として利用される。健胃、鎮咳に効能があるとされる。

花立の由来は昔々峠に大声を出して住民を怖がらせたり、旅人に近づいて驚かす異形の山人が住み着いており、峠を安全に超えるために麓の祠に花を手向けたことから名づけられたといわれている。濃霧で見通しのきかない峠道を山形県最上町に抜ける。砂利道は幾重にも曲り急峻な崖っぷちにひやりとさせる。ガードレールもない狭いこの道を最上町から登ってき二台の車と交差する。車を止めて待っていたがあまりにも急峻で狭い場所だったのか、相手の車は怖い顔で通り過ぎていった。晴天ならともかく天気の良くない時だと通るのが危険な道。ヤマセの影響か最上町の前森高原についたら晴天だった。

クマガイソウ 川連町麓 2017.5.15
 
クマガイソウ「熊谷草」は10数年前、我が家の杉林や隣地に古くから自生していたが悉く盗掘されてしまった。盗掘グループに著名な人もいて盗掘後2,3年したら開設ブームで出現した直売所で売られていた。写真の「クマガイソウ」はかろうじて被害から免れた一群。クマガイソウの開花時はほとんど同じ方向を向く。脹らんだ形の唇弁を昔の武士が背中に背負った母衣に見立てクマガイソウの名がついたという。偶然にもこの写真は古(いにしえ)の源平合戦が連想される。熊谷直実を先頭に各武将が配置されて戦闘態勢が整った姿をに見える。

第41回雄勝野草の会の写真展に以上7点の写真を出展した。今年各地に出向いて撮った山野草の中から選んだ。

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2 コメント

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久し振りに投稿 (東福寺のジャンゴタロー)
2017-11-27 08:07:09
今年の5月皆瀬のシルバートから書きました。私は駒形東福寺が生家ですから先輩の所とは一里位ですね。昭和24年生まれです。先輩は方々脚マメに山散策を楽しまれ羨ましい限りですね。
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熊谷草 (東福寺のジャンゴタロー)
2017-11-27 16:29:07
クマガイソウの盗掘はわたしの親戚です。本当に胸が痛みまず
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