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種差河岸「フナバラソウ」と「マルバダケブキ」

2014年06月26日 | 地域
平成26年「雄勝野草の会」の一泊観察会は、岩手山焼け走り溶岩流と三陸復興国立公園八戸種差海岸となった。昨年稲川自然観察会の種差海岸は、平成25年7月13日で岩山の「スカシユリ」に圧倒されたが、今年の「雄勝野草の会」観察会は6月22日で、昨年より20日ほど季節が早く、昨年感動の「スカシユリ」の開花はなかった。昨年は終わりに近づいていた「ニッコウキスゲ」が最盛期だった。種差海岸はヤマセがあり、北限植物と南限植物が混ざり合い、波打ち際に多くの高山植物が咲く。「ニッコウキスゲ」の群生をこの場所で観られる不思議さがある。


種差天然芝生地から淀の松原 2014.06.22

このブログで昨年に出合えなかった、「フナバラソウ」と「マルバダケブキ」を紹介したい。種差海岸で初めての高山植物「フナバラソウ」に出合った。地元ではどのような意味合いか「チドメ」と呼んでるそうだ。富山県薬剤師会ホームページの薬草資料館に「フナバラソウ」は「生薬はハクビ(白薇) 秋に掘取り、地上部を取り去り、水洗して陽乾する。成分 cynanchol、強心配糖体、精油等。効能に解熱、利尿薬として熱病の中・末期の発熱、卒中患者の四肢浮腫などの治療に応用する」とある。種差のチドメの名は薬草と関連からきた名だろうか。

フナバラソウ(舟腹草、学名:Vincetoxicum atratum)はキョウチクトウ科カモメヅル属の多年草。旧分類では、ガガイモ科に属する。真っ直ぐに立ち上がる草で、高さは40から80センチメートル程度、枝は出さない。葉は長さ8から10センチメートル、幅4から6センチメートルの卵形で対生する。1段または複数段に黒紫色の星型の花がかたまって球状につく。花期は6月頃。花が終わると緑色の、ガガイモ科特有の袋果(実)をつける。秋に袋果が割れ、種髪(毛束)をつけた種子がはじける。袋果の形が舟腹に似ることから名づけられたと云う。この花の黒紫色は独特で、チョコレート色のこのような花の野草は観たことはない。黒紫褐色の花に「クロユリ」がある。5年ほど前に月山で出合ったが、この花より濃い褐色が強い分珍しい。秋田県では絶滅危惧ⅠA類(CR)に指定されている。絶滅危惧ⅠA類(CR)とは、ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種と云われている。


フナバラソウ 葦毛崎展望台付近 2014.06.22

フナバラソウの反対側に同じような色の野草があった。初めての野草だ。黒紫色よりも赤みが強い「ホソバシュロソウ」と云うそうだ。和名の由来は葉が枯れて葉の付け根に残る葉鞘の繊維がシュロの毛に似ていることから、葉幅が3㎝以下と狭く葉が長い。秋田では駒ヶ岳に見られるというがなかなか出合うことが少ないと云われている。


ホソバシュロソウ 葦毛崎展望台付近 2014.06.22

マルバダケブキ(丸葉岳蕗) キク科 メタカラコウ属。茎の上部で枝分かれをし、その先に黄色い頭花をつける。花径は8センチから10センチくらいある。マルバダケブキは総苞が濃い紫褐色をしているのも特徴である。 葉の特徴 根際から生える葉は、長さも幅も20センチから40センチくらいある大きく丸い腎円形である。葉の表面には光沢があり、縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。


マルバダケブキ 淀の松原 2014.06.22

初めて接したとき「ツワブキ」の花に似ていると思った。
ツワブキはキク科ツワブキ属の多年草で 花は菊の花にそっくりで、 花言葉は「困難に傷つけられない」。「ツワブキ」は食べられるが 「マルバダケブキ」は蕗の葉に似ているが毒草で、近年増えてきた「日本鹿」は絶対に食べないので、各地に群落ができているらしい。昨年は開花が終わりに近く数株の開花だったが、今回は見事に咲き誇っていた。花言葉 は「純情」。光沢の濃い緑の葉と黄色の花、海と岩の景色に良く映える。

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