手づくり漆器 ~うるし うるおい うるわし~

鳥取の漆職人がお届けします。

相次ぐ風評被害

2011-09-24 11:10:57 | Weblog
1945年8月6日 広島に原爆が落とされた。

20万人以上の市民が犠牲になった。 国家が起した戦争の犠牲は計り知れない。

被爆をした罪の無い広島市民は、その後原爆の差別を受けた。国家の保護や国民全体の受け入れが無いが為、個人が全部背負うことになった。

中沢啓治作の「はだしのゲン」は、作者の原爆体験を漫画にしたものである。

この本は単行本や文庫本になり、発行部数も1000万部を超えている。

これを紙芝居にして、毎年県内はもとよりあちこちで子供たち向けに公演している方がいる。 小学校やイベントなどで公演している。

私もその紙芝居を何度か見た。ほんとに切ない内容だった。

忘れてはならない戦争、そして原爆や水爆の恐ろしさ。

今東京電力福島第一原子力発電所が巨大地震による津波の被害を受け、安全を言い続けて来た原子力発電所が、余りにもろく無残にも爆発を引き起こし、その後の政府の対応の杜撰さによって、福島県の全体が被爆地としての深刻な風評を被っている。

京都の大文字焼きに使用する薪が岩手県のものであることに、市民が反対し中止になった。

これがどれほど被災地の人たちを傷つけるものになったかは記憶に新しい。

今度は、愛知県日進市の花火大会に、福島県川又町の花火業者の花火を使う予定だった。

心無い少数の市民の声に、市長は中止を決定したという。

またか!!と思った。 「放射能が拡散する」「怖い」というものだったらしい。


検査もしたわけでもない。 感情だけで簡単に中止をしてしまう。

呆れてしまう。 準備周到に企画していると思っていた。

市長は、また頭を下げた。


被災地を応援するためのイベントが、風評の拡散に繋がっているとすれば社会問題だ。


はだしのゲンの中で、ゲンがいじめられる場面がある。

涙が出てしまった。


言葉では、頑張れ 応援しています。といってても、人の心の本音は昔も今も変わっていないことを嘆いてしまう。


明日はわが身・・。


この震災を、他人事と思っていては絶対にいけない。