2011年10月22日 @伊勢原校 晴れのち曇り
今週も引き続きキャビネットの製作。
本日の作業は、主に前扉の鏡板と側板の加工並びに、鏡板、側板を嵌め込む溝彫り。
帆立柱4本、扉框部材計8本、総計12本を幅6mm、深さ7mm/10mmの溝切をスピンドルにて加工。
帆立柱のスピンドル加工は、ビットに対して途中から入れて途中から抜く溝彫り加工。
スピンドル加工は、ビットが高速で回転するため作動音が大きい。ビットには、加工中に指先が入らぬようにガードがあり危険はないのだが、大きな作動音で作業に緊張する。筆者は自宅での丸鋸の作業では、慣れるまで耳栓をして恐怖感を軽減していた。スピンドル加工時にも耳栓を用意したらよいように思う。
鏡板の板取りの後、工場にて鏡板と側板の4辺の飾り加工を自動送りスピンドル(曲面加工)とルーター(斜面加工)にて加工。加工は、繊維と直角方向の辺から始め、時計と反対周りで4辺を加工すると、ビットに拠る角のささくれが防止できて綺麗に仕上がる。
前週版にて記したように、木材は繊維と直角方向の方が伸縮が大きいため、溝深さも深い。鏡板、側板の伸縮は溝の中で移動するわけだが、移動しても中心が変わらぬように、板の中心溝に、組立時に釘で固定できるようにドリル穴をあけておく。これは、なんという機械か聞き損ねたが、ボール盤を横にしたような穴開け機械。
今週の作業はこんなところ、だいぶ進んできた感ありだ。
今日の佐宗おやつは、以前も一度ごちそうになったフルーツケーキ。以前と変わらぬおいしさ。味が一定しているのはさすがだ。次回は、さらに期待してくれとは本人の弁。期待してますよ~。
写真1: 帆立柱のスピンドル加工
写真2: ボール盤を横にしたような穴開け機械
写真3: 鏡板、側板の4辺飾り加工(曲面)
写真4: 同(斜面加工)
写真5: 本日のおやつ
『お道具拝見コーナー』その3(三枝氏投稿)
今回は、道具の取材がまにあわず急遽このコーナーを担当するS氏秘蔵の鉋を紹介します。
二枚刃平鉋、銘:金土牛(石田耕)、寸八分、刃幅72ミリ、全長115ミリ。台:白樫、柾目取り、 普通勾配、包口。台製作は丸春。
土牛は兵庫県三木の道具製造販売会社です。土牛鉋も今は販売を行っていない様ですが、昔は多くの土牛鉋が作られ、人気の有った鉋だと聞いています。
銘の由来は、中国唐時代の寒山拾得の詩、“土牛耕石田”から取った物と言われています。土牛は強靭で粘り強く働き者の牛で、石ころだらけの石田を美田に変えたと言う漢詩から命名された物と思われます。
金が頭に付いているから、数ある土牛の中でも特に良い物だという事でしょうか。
この鉋は元大工の棟梁からもらった物です。その方は、甘切れの良い鉋だと言いました。 しかしその甘切れの感覚は、今一理解できて無いのは残念です。と言うのも、ほぼ未使用に近いこの鉋は、重くて非力な私には使いこなしが難しいからです。
八分鉋は大工なら普通に使いこなす物でしょう。 しかし私には、台の幅も広く、厚くて重い。 刃幅も広いから仮に上手く研げたとしても材面を引き削るには、並の腕力では引き通せない。
詰まり、この鉋の真の実力を体感しようと思えば、私自身の身体強化が必要となる。大変なことだ。
老職人の腕の太さや、手の指のごつさを見ると、並の修練で鉋を使いこなすのは難しいと納得せざるを得ない。
写真6: 二枚刃平鉋、銘:金土牛
文責・編集 堀江
今週も引き続きキャビネットの製作。
本日の作業は、主に前扉の鏡板と側板の加工並びに、鏡板、側板を嵌め込む溝彫り。
帆立柱4本、扉框部材計8本、総計12本を幅6mm、深さ7mm/10mmの溝切をスピンドルにて加工。
帆立柱のスピンドル加工は、ビットに対して途中から入れて途中から抜く溝彫り加工。
スピンドル加工は、ビットが高速で回転するため作動音が大きい。ビットには、加工中に指先が入らぬようにガードがあり危険はないのだが、大きな作動音で作業に緊張する。筆者は自宅での丸鋸の作業では、慣れるまで耳栓をして恐怖感を軽減していた。スピンドル加工時にも耳栓を用意したらよいように思う。
鏡板の板取りの後、工場にて鏡板と側板の4辺の飾り加工を自動送りスピンドル(曲面加工)とルーター(斜面加工)にて加工。加工は、繊維と直角方向の辺から始め、時計と反対周りで4辺を加工すると、ビットに拠る角のささくれが防止できて綺麗に仕上がる。
前週版にて記したように、木材は繊維と直角方向の方が伸縮が大きいため、溝深さも深い。鏡板、側板の伸縮は溝の中で移動するわけだが、移動しても中心が変わらぬように、板の中心溝に、組立時に釘で固定できるようにドリル穴をあけておく。これは、なんという機械か聞き損ねたが、ボール盤を横にしたような穴開け機械。
今週の作業はこんなところ、だいぶ進んできた感ありだ。
今日の佐宗おやつは、以前も一度ごちそうになったフルーツケーキ。以前と変わらぬおいしさ。味が一定しているのはさすがだ。次回は、さらに期待してくれとは本人の弁。期待してますよ~。
写真1: 帆立柱のスピンドル加工
写真2: ボール盤を横にしたような穴開け機械
写真3: 鏡板、側板の4辺飾り加工(曲面)
写真4: 同(斜面加工)
写真5: 本日のおやつ
『お道具拝見コーナー』その3(三枝氏投稿)
今回は、道具の取材がまにあわず急遽このコーナーを担当するS氏秘蔵の鉋を紹介します。
二枚刃平鉋、銘:金土牛(石田耕)、寸八分、刃幅72ミリ、全長115ミリ。台:白樫、柾目取り、 普通勾配、包口。台製作は丸春。
土牛は兵庫県三木の道具製造販売会社です。土牛鉋も今は販売を行っていない様ですが、昔は多くの土牛鉋が作られ、人気の有った鉋だと聞いています。
銘の由来は、中国唐時代の寒山拾得の詩、“土牛耕石田”から取った物と言われています。土牛は強靭で粘り強く働き者の牛で、石ころだらけの石田を美田に変えたと言う漢詩から命名された物と思われます。
金が頭に付いているから、数ある土牛の中でも特に良い物だという事でしょうか。
この鉋は元大工の棟梁からもらった物です。その方は、甘切れの良い鉋だと言いました。 しかしその甘切れの感覚は、今一理解できて無いのは残念です。と言うのも、ほぼ未使用に近いこの鉋は、重くて非力な私には使いこなしが難しいからです。
八分鉋は大工なら普通に使いこなす物でしょう。 しかし私には、台の幅も広く、厚くて重い。 刃幅も広いから仮に上手く研げたとしても材面を引き削るには、並の腕力では引き通せない。
詰まり、この鉋の真の実力を体感しようと思えば、私自身の身体強化が必要となる。大変なことだ。
老職人の腕の太さや、手の指のごつさを見ると、並の修練で鉋を使いこなすのは難しいと納得せざるを得ない。
写真6: 二枚刃平鉋、銘:金土牛
文責・編集 堀江