鏡海亭 Kagami-Tei  ネット小説黎明期から続く、生きた化石?

孤独と絆、感傷と熱き血の幻想小説 A L P H E L I O N(アルフェリオン)

・画像生成AIのHolara、DALL-E3と合作しています。

・第58話「千古の商都とレマリアの道」(その5・完)更新! 2024/06/24

 

拓きたい未来を夢見ているのなら、ここで想いの力を見せてみよ、

ルキアン、いまだ咲かぬ銀のいばら!

小説目次 最新(第58)話 あらすじ 登場人物 15分で分かるアルフェリオン

物語の分岐点?―今だから明かせる不採用シナリオ案

連載小説『アルフェリオン』、第54話「御子の力」が昨日終了し、次回より第55話「五柱星輪陣」が連載開始となります。本日は、その第55話のPR画像第二弾を公開です。
 
 
生成AIのHolaraさんは、さすがAIだけあって猛暑もものともせず(当たり前ですが)、相変わらず素晴らしい画像が導着されています。鏡海の方も、ほんの少しずつですが、画像の加筆修正技術が向上してきたかもしれません。
 
ということで今回も、例のお二人さんに、『アルフェリオン』執筆の舞台裏を語ってもらいましょう。
 
 
な、何だ、この画像は。
新番組『魔法少女エレオノーア』が始まったとでもいうのか!?
 
しかも、最初から最終回の予告みたいな勢いの画像ですね。
でも違います、シェフィーア様。
エレオノーアが魔法少女かヴァルキリーみたいな格好をしているのは、別に変身でも何でもなく、物語の必然的な展開(?)として、実際にそういう姿になったのですから。詳しくは第54話(その5・完)をご覧ください。
 
レイシア、これは実にけしからん!
私が熾烈な競い合いを勝ち抜いて、あと一歩でヒロインに成り上がれるところまできて、勝利宣言目前だったのを、その野望を完膚なきまでに破壊したのがエレオノーアだ。全国の読者様待望の「ミルファーン編」は、私の出番は、いつになったら来るんだろうか。
 
 
 
しかもコスプレまでして(違います)、アピールしおってからに。
けしからんにもほどがある。
 
いいえ、けしからんのはシェフィーア様です。
シェフィーア様のキャラ設定でヒロインの座を狙うなんて、無理がありすぎですから。
第53話で驚愕の過去をバラされて、とどめを刺されましたよね。
 
ぐぬぬ。はっきり言いおって。
そういえば、冒頭の第55話PRスライドをもう一度見てみろ。
エレオノーアに目を奪われがちだが、何気に、普通の小説だったらラスボスとして出てくるような神話級の竜が、しれっと描かれているではないか。
なぜこんな段階で唐突に?
もしかして、いきなり連載打ち切りの最終話になるのか!?(苦笑)
 
さぁ。一緒に黄金仮面(「老人」の黄金仮面)の画像もありますが、何か関係があるのでしょうか(棒読み)。四つの頭をもった「古き者」に関する漠然とした描写と、それが何の正体であるのかについては、以前に一度、本編の中でも出てきていますよね。
 
それはともかく、私が鏡海さんのパソコンから極秘裏に入手した情報によりますと、実はエレオノーアの登場にかかわるシナリオ原案は、2種類あったそうなのです。
今回は、その二つのシナリオについてお話をします。対比して楽しんでください。
 
おぉ、一方は今の第53話以降で採用されたシナリオで、ということは、もう一方は採用されなかった……そうか、私がヒロインになる方のシナリオだったのか。
 
しつこい人は嫌われますよ、シェフィーア様。
2つのシナリオを以下に挙げてみます。ご覧ください。
 
【シナリオ1(採用済:現在のストーリー)】
 
主人公ルキアンがワールトーアの廃村にたどり着く→廃村のことを調べていた作家ブレンネルと出会う→マスター・ネリウスと再開し、自身の過去や「聖体降喚(ロード)」の真実を知る→しかし「絶界のエテアーニア」の力によってワールトーア滞在中の記憶を失う→ブレンネルは、ミルファーン王国のシェフィーアのもとに行こうとするルキアンに対して、格好のコネを持つ人物である知人のリオーネを紹介する→リオーネのもとに居た(「月闇の僧院」から逃亡した)エレオノーアと、ルキアンとの運命の出会いが!
 
【シナリオ2(採用されなかったストーリー)】
 
ルキアンがワールトーアの廃村にたどり着く→廃村のことを調べていた作家ブレンネルと出会う→マスター・ネリウスと再開し、自身の過去や「ロード」の真実を知る→《以上は採用されたストーリーと同じ。ここから分岐》→ネリウスが、ルキアンに対し、彼と同じく「ロードによって作られた闇の御子」であるエレオノーアのことを教える(「絶界のエテアーニア」は出てこない。ルキアンはワールトーアで知ったことを今後もすべて記憶したまま)→エレオノーアのところに行く(彼女を保護しているのはこちらでもリオーネ。だが、リオーネは実は「僧院」のメンバーであったという設定に)→エレオノーアと、ルキアンとの運命の出会いが!→《これ以降は、現在のストーリーと同様》。
 
うぅむ。シナリオ2の方が、話運びに無理がないというのか、安定している感じだな。リオーネ先輩が「月闇」のメンバーだったという地味に衝撃的な点をのぞけば、だが。
シナリオ1は、色々と超展開すぎるぞ。まぁ、開き直ってそれを売りにしている作品だから、作者的にはよいのだろうが。偶然の上にまた偶然でストーリーが都合よく展開し、一連の偶然がむしろ必然の因果の流れみたいになっているという……。
そこまで無茶をしてシナリオ1を採用した理由とは何だったのだろう。
 
そこが重要ですね、シェフィーア様。
先程の2つのシナリオの間にある大きな違いは、(1)ワールトーアで知った重要な事実をルキアンがその後も覚えているか否か、(2)エレオノーアが「僧院」から逃亡したか否か、です。
おそらく作者が狙ったのは、ルキアン自身の誕生の秘密や「ロード」の秘密を読者様方は知っているのに、主人公ルキアン自身は知らない(記憶を封印されている)という状況を作り出すことだったのではないでしょうか。そのために「絶界のエテアーニア」という旧世界の遺産を、敢えて登場させたのでした。
 
あんなデウス・エクス・マキナ的な強引な解決をするよりは、ルキアンが自身の体験を通じて秘密を知るというかたちではなく、ルキアン以外の登場人物に秘密を語らせて読者様に伝えるというやり方でも、よかったのではないか? たとえばアマリアなど、そういうのは得意だろう。マスター・ネリウスでも良かったかもしれん。
 
どうでしょうか。
それではやたらと「説明」っぽくなってしまうような、味わいも深みもない書き方になりそうな感じがします……。ルキアン自身が体験し、知ることで彼の苦しみや衝撃を描くという点にも意義があるのでは。
 
だが、そのうえで、事が済めば記憶を再び封印されてしまうとは……マスターや姉との幸せな幼少期の記憶まで、せっかく思い出したのに、また忘れさせられたんだぞ。作者、人でなしだな。
 
人でなしとは、どのお口がおっしゃいましたか、シェフィーア様。
 
うぐぐ。レイシアはいつも手厳しいな…。
まぁ、シナリオ2の場合、実際、こういう問題もあるぞ。もしルキアンが「ロード」の実態を知ったまま、現在と同じようにストーリーが進むのであれば、それは何というのか、ルキアンらしくないな。
彼は、引っ込み思案な半面、いったん火が付いたら一足飛びに過激な行動に移す傾向があるヤツだ。「ロード」の非道さを許せない!などといって、「僧院」の本拠をアルフェリオンで即刻叩き潰しに行くかもしれんぞ(苦笑)。ストーリーの進行上、今の時点でそんなことをされるのは時期尚早だ。
 
そうですね。
あるいは、ワールトーアでの件を記憶したままだと、ルキアンが真実の重さに耐えられず、心が崩壊してしまったかもしれません。あ、そこをエレオノーアが救うという流れだと、それもまたドラマチックでしたか(笑)。
 
いや、レイシア、それは違うな。
崩壊しそうなルキアンが、自身の唯一の心のよりどころとして勝手に理想化していた相手、つまり私に会うため、ボロボロになってミルファーンにたどり着いて、泣きながらすがりついてくるんだろ。それを私がおいしく手なずけました(鬼畜)。
元々は、そういう原案もあったんだぞ。くうぅ、そこをあのエレオノーアめ……。
 
やっぱりシェフィーア様は、設定通りの外道ですね。
ルキアンに後で謝ってください。そんな歪んだキャラでは、ヒロインを演ずるなど到底無理です。でも、その第三のシナリオ、いや、最も初期からあったシナリオ案も、かなり実現可能性が高かったそうですよ。しかし、残念でしたね。
 
それにしても、シナリオ1の「絶界のエテアーニア」に関しては、取ってつけたような超展開すぎましたか?
鏡海さんのメモによると、エテアーニアを出した理由としては、その他にも、単なる「演出・雰囲気作り」というレベルではあれ、ワールトーアでルキアンとブレンネルが体験した一連の出来事について、どこまでが現実でどこまでが幻だったのか、どこまでが真実でどこまでが嘘だったのか、曖昧で分からないようにして余韻と謎を深めたかったということもあるようです。
 
実は、そこが結構大きい理由なのかもな。
それから、視点を変えてみると、ボツになったシナリオ2が採用されていた場合、エレオノーアのキャラが今とは随分変わっていたかもしれないぞ。
シナリオ2のように、ルキアンがエレオノーアのことを「月闇の僧院」のネリウスから紹介されるという形であれば、エレオノーアはまだ「僧院」の組織に所属する人物のままというのが普通だろ。組織から逃亡した人物の居場所をネリウスがルキアンに教えるのは、変な気がする。
もっとも、ネリウスの性格を考えれば、エレオノーアを助けてやってくれ等々と言って、組織に対する事実上の裏切りとして、ルキアンにそっと彼女の居場所を教えることがあっても、それほど無理はなかったかもしれんな。
 
 
今の点は無視できませんね。
シナリオ2のそのような流れを前提にすると、エレオノーアは、「人工の闇の御子」という属性に良くも悪くももう少しふさわしいキャラになっていたように思います。端的にいえば、そうですね、もっとサイボーグみたいな人物として描かれていたかと。無機質な性格で、強化人間あるいは人造人間っぽい雰囲気の銀髪の美少女……なんというか、思いっきり、ありがちなキャラです。
 
いやいや、それって、すでにレイシア、お前とキャラがかなり被ってるだろ?(笑)
 
鏡海さん、これは厳しいところを突かれてしまいましたね。
ちなみにエレオノーアは、今の時点だと、リーンとも少しキャラが被っています。話し方も何となく似ていますし、書き分けにメリハリを出していく必要があります。
あと、エレオノーアの男装時(エレオン)の一人称は「僕」ですが、この物語で、「僕」と称する若い女性キャラはあと二人いますから、これも書き分けに要注意です。
ちなみにそれは、妹の方のクレメント、つまりプレアーと、ヌーラス・ゼロツー、いや、エリスです。特にプレアーは、「お兄ちゃん」大好き(こっちは本当に血がつながっていますが…)かつ「僕っ子」なので、その二点の限りではエレオンとキャラ設定が非常に似ています。まぁ、プレアーも、それからエリスも、エレオン(エレオノーア)とは性格が全然違うので、問題ないかと思いますが。
 
話を戻して、シナリオ1に基づく現在のストーリーでは、エレオノーアは、顔も名前もまだ知らなかった「おにいさん」(=真の闇の御子=ルキアン)にただ一目会いたいという想いだけで、たとえ追っ手に粛清されてもよいという覚悟で「僧院」を逃げ出したということになっている。
何というか、エレオノーアの健気さ、一途さ、そして思い込みの激しさ(苦笑)が前面に出てきている部分だ。
 
はい。その変な勢いが、いまのエレオノーアというキャラを作っているといっても過言ではありません。
もしもシナリオ2が採用されていたなら、エレオノーアは今のように活き活きとは動き出していなかったかと。活躍の機会もずっと減っていた可能性があります。そして「名目上のヒロイン」だとか「ヒロインのふりをしたモブキャラ」だとか、言われていたかもしれませんね。「設定上のヒロイン」ことカセリナがそうなってしまった(!?)のと同じように。
 
ちなみに鏡海さんのメモによると、元々は、エレオノーアのイメージは、不採用のシナリオ2の場合に近いような、もう少し無機質な感じのキャラであり、性格の面でも、もっと受け身で慎重な性格だったはずでした。ところが今では、エレオノーアは天然で、かつ、自身の熱情に真っ正直で、「おにいさん」のためなら何でもします!という危なっかしくて仕方がないキャラですが。
 
うむ。たしかに危なっかしい。
もし真の闇の御子がルキアンではなく、「闇」属性に相応しい(?)もっと悪い男だったなら、エレオノーアはいいように身も心ももてあそばれ、ただの道具のように搾取され、色んな意味での「奴隷」にまで身を落としていたかもしれんな。
 
そうではなくて、大切にしてくれるルキアンが真の闇の御子で幸いでした。
「こんなに幸せでいいのかな」と、第54話でエレオノーアが号泣した背景には、そういう思いもあったのかと考えます。
ちなみに私も、拾ってくれたのがシェフィーア様でよかったと思っています。感謝。
 
あ、ははは。こんなところでそれを言うか? そうか、うむ、それは、そうだな(赤面)。
ともあれ、エレオノーアの今後にはますます目が離せそうにない。
最初に登場した頃の彼女に対しては、「頭のネジが何本か飛んでしまっている残念な子」だとか、「都合の良すぎる女」だとか、「清楚な顔して距離感がおかしい人(ただし対ルキアン限定)」だとか、あるいは「物語も第50話を過ぎているというのに、ぽっと出のキャラがいきなりヒロインになり、これまで積み上げられてきたストーリーや作品の雰囲気をかき回した」だとか、あまり良くない見方も、もしかするとあったかもしれん。
それでも今は、言いたくはないが、この小説を背負っている重要キャラの一人になったな。
だが私もまだまだ負けんぞ。
 
はいはい(棒読み)。まぁ、頑張ってください。
それではこのへんで。
本日も鏡海亭にお越しいただき、ありがとうございました。
いつも応援してくださる読者の皆様に、感謝申し上げます。
ほら、シェフィーア様も一緒に。
 
あ、あぁ、分かった。
暑い毎日だから、対策は十分にすることだな。身体を大事に。
 
ではまた。
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