散文的で抒情的な、わたくしの意見

大河ドラマ、歴史小説、戦国時代のお話が中心です。

真田丸 39回 歳月

2016年10月02日 | ドラマ
「歳月」か、と思いました。司馬さんの小説の題名です。江藤新平が主人公。

薫の高畑さんが出演者紹介の最後にきていました。死ぬんだなと思ったら、ナレ死でした。まあ、それはいいです。よく演じました。うまかった。

今回は完全なホームドラマで、ホームドラマとしてはなかなか良い回でした。きり、と幸村の奥さんも仲良くなったし。サスケも人間ぽい演技をしたし。

幸村と書きました。信繁というのはやはりなじみません。生きてきてずっと幸村なんだから、幸村です。

敗者で好かれる、というと定番は義経、それから西郷、土方歳三、真田幸村あたりでしょうか。個人的には徳川慶喜も大好きですが。明治維新の最大の功労者の一人です。

しかし幸村は敗者でもないですね。

上田戦争には二度とも勝ちます。

大坂冬の陣でも真田丸で活躍します。

これはたぶん嘘でしょうが、夏の陣でも「家康を切腹寸前まで追い詰めた」というのが、俗説の定説(変な言葉ですが)になっています。

いくつかの文書にそう書いてあるのですね。徳川実紀には書いてありませんが。

おそらく真田丸もその線でいくでしょう。家康を切腹寸前まで追い詰める。信之あたりがそれを助けたりするような予感がします。

勝者ですね。真田幸村は勝者です。

そしてここまで歴史に名を残した。完全なる勝者です。

「真田太平記」ですが、幸村は死ぬ時にこう言います。「父上、これでよろしゅうござるな」。

よろしゅうござる、以上でしょう。

幸村は自らの名を上げただけでなく、父昌幸の名を上げ、信之の名を上げ、ついでに祖父の幸隆の名を上げました。

歴史的にみれば幸村は完全に勝ちました。私はそう思います。







大河ドラマ、幕末ものの最高峰

2016年10月02日 | ドラマ
真田丸の紹介ページに三谷さんのコメントが載っています。

で大河への熱い気持ちを語る中で、歴代大河の3人の主人公を挙げています。

村田蔵六、ルソン助左衛門、平沼銑次。作品としては順に「花神」、「黄金の日々」、「獅子の時代」。とてもメジャーとは言えない3名です。

筆頭が村田蔵六なのかと、ふと作家としてあまり好きでもない三谷さんに親近感を覚えました。

「花神」は幕末ものの最高峰の作品で、司馬さんの「花神」「世に棲む日々」「十一番目の志士」「峠」「最後の将軍」を融合する形で作られた作品です。

つまり司馬さんの幕末ものの全てが、あの作品に含まれているのです。

主人公が中村梅之助さん。ヒロインが浅丘ルリ子さんです。浅丘さんは「シーボルトいね」。

「翔ぶが如く」も素晴らしい作品ですが、やはり花神ですね。

篠田三郎さんの吉田松陰、中村雅俊さんの高杉晋作、中村梅之助さんの村田蔵六、正確にはこの三人が主人公です。脇ですが、天童晋助が田中健さん、おうの、が秋吉久美子さんでした。

あ、もう一人主人公がいるとするなら、米倉斉加年さんの桂小五郎。

もう今の日本にはあまりありませんが、「西郷びいき」というものがあります。西郷を英雄として、または民の救済者ととして、あがめる立場です。大河では再来年あたりまた西郷をやるようです。

そしてもちろん、坂本龍馬びいき、は今の日本でも盛況です。

でも幕末を緻密にみるならば、維新を最終的に仕上げたのは村田蔵六です。具体的には四境戦争を指揮し、上野戦争を指揮し、戊辰戦争を収束させた。それが村田蔵六です。

司馬さんのいう「維新が正義とするならば、仕掛け人は龍馬であり、仕上げ人は村田蔵六」という言葉は、まだ中学生ぐらいだった私の心に突き刺さりました。

三谷さんが「花神」好きとは知っていましたが、大河主人公の筆頭として村田蔵六を挙げている。その気持ち、わたしには、分かりすぎるぐらい分かります。