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東日本のヒトのための奈良市観光案内⑮ 三泊四日以上のヒトのために 薬師寺

2024-08-24 22:04:33 | 日記

東日本のヒトのための奈良市観光案内⑮ 三泊四日以上のヒトのために 薬師寺

新薬師寺と薬師寺の違いは小さいころ聞いたことがあるのですが忘れてしまった。ただ両方とも小学、中学の時に遠足で行った。だから二回ずつ行っている。

薬師寺は唐招提寺のすぐそばにある。この二つはセットになっている。薬師寺の由来はよく知らないけど唐招提寺とは全く雰囲気が違う。薬師寺には楽しい雰囲気がある。十年ほど前行った時は、若いお坊さんが交代で講談風に寺の案内をしてくれる。これがなかなか面白い。

若草山は年一回山焼き(昔は成人の日にすると決まっていた。寒い時に花火が上がるのでどうも変である。今も上がってるのかどうか知らない。焼き畑農業の名残であるという。)をするので禿げあがっていて上の方に木が生えていない部分がある。ここは奈良市どこからでも見えるが、この薬師寺くらい離れたところから見ると圧迫感なくいい感じであって庭の借景にするのにちょうど宜しい。薬師寺の伽藍は、この若草山を借景としていていかめしくない。しかも塔が二本もある。(私が子供の頃は一本だけであった。)

本尊は薬師如来で脇侍が日光月光菩薩である。何の金属か知らないのだが真っ黒に光っていて細かい彫刻がある。なかなかの存在感である。この時代の技術の高さには驚く。金属でこんな加工今でもできないんじゃないか。それから脇侍はインド風の衣装で女性らしいお顔立ちである。また大変肉感的な御姿である。

ここでも脇侍が有名であって中学の時美術のセンセイは脇侍を見ながらこう言った。「日光菩薩は昼間月光菩薩は夜の間、本尊を守護する仕事をしている。」対してわたくしは当時こう思った。「日光さんは日食の時しかお休みがない。対して月光さんは新月の日はお休みだし新月の日の付近はお休みみたいなもんだ。如来さんから貰う月給が同じなら断然月光さんになるに限るな。」

さらに美術のセンセイはこう言った。「この脇侍の腰の捻り方が美しいとされている。ここをしっかり見ておくように。」これに対してわたくしは当時こう思った。「へーこんな風に腰捻っていて守護の仕事なんかできるんかいな。これ美しいは美しいけどちょっとエロチックなとこがええな。でも仏像がこんなエロチックでええんか。」

エロチックなのは、見たことないけど江の島の弁天さんがあると聞いているがこの脇侍もいいのではないかと思う。最近になって、真偽は分からないのだが仏さんがご馳走を食べながら踊りを鑑賞する壁画が敦煌にあるというような話を聞いた。その時思ったのは、如来さんが踊り子二人と記念撮影をしているのがこの三体の像ではないかということである。日光月光菩薩は守護ではなく踊りを披露していたのではないかと思う。唐招提寺で厳格な気分になって、薬師寺で人生厳格なだけでは体がもちません楽しいところもないといけませんよとの教訓を得た気分になった。

本当に仏さんがご馳走を食べながら踊りを見る壁画があるのかどうか、機会があれば是非行きたいと思っている。修行のお相伴はとてもできそうにないが、ご馳走と踊りのお相伴ならできそうである。