本の感想

本の感想など

映画 シェルブールの雨傘とある愛の詩

2024-08-08 16:44:41 | 日記

映画 シェルブールの雨傘とある愛の詩

 シェルブールの雨傘がヒットしてしばらくしたころ、ある愛の詩が音楽が良いのでまずまずヒットした。しかしこれはアメリカがシェルブールの雨傘を見てわが国もそんな映画つくれるぞ とイキって作った映画である。イキルようなヒトが会社の上司同僚にいると甚だ周囲が迷惑するのと同じように、「ある愛の詩」は迷惑な映画である。

不可抗力によって二人が引き裂かれるのは世の中によくある話で、シェルブールの雨傘はそこがポイントではない。二人が同時にこの恋を悲恋として打ち切るというカードを出すそのタイミングが見事であってそこが見せ場にもなり観客が感動するところである。感動は観客の人生に何事かのよい影響を与えるものである。「ある愛の詩」にはそれがないので見るだけ時間の損する映画である。

アメリカは戦争が得意の国で、戦争映画と戦争の裏側のスパイものの映画は凄いものがあるが、恋愛で国家を建設していないのである。フランスは革命の少し前まで領主は恋の駆け引きで領土を増やしたり守ったりしたという。ために恋の駆け引きに必要な料理とワインが発達した。服やバッグまで作って主要産業になっている。これではアメリカはいくら頑張って恋愛映画作っても勝てないであろう。フランスに田舎者と言われるだけである。どんな人でも、自分のもっとも得意分野で勝負するのが当然の戦略であろう。

さて、日本は平安の昔 恋愛をもって国家建設をしたようである。道長は恋の駆け引きの名手でもあったらしい。(ただわが国は料理や服バッグにまで影響をもたらさなかった)わが国はトルコインド中国は知らないが、フランスに先駆けているのである。「ある愛の詩」のようなのではなく、「シェルブールの雨傘」を凌駕する作品がわが国で作れないのかと思う。