今年4月だったか5月だったか?そのあたりから始まっているシャープのマスクの抽選販売。
10月にやっとこさ当選し購入したわけですが、すでに10月であり、まわりのドラッグストアでも潤沢に在庫がある状態になってきて、価格も安価になってきました。
その状態で50枚4千円ほどするマスクを買う価値があるのかどうか、正直迷いました。
でも、いつもの「物は試し」で一度は買ってみようと購入してみると、しばらくして11月に再び当選しました。
やはり、もうあまり売れていないのでしょう。さすがに僕も2回目の当選は買いませんでした。その後も何度か当選していますが購入していません。
おそらく、この商品の付加価値であるはずの「日本製」というのは、市場では意味がなくなっているようで、確かに中国製でも機能的に優れたものが安価で、それもその辺のドラッグストアで手軽に購入できるようになっています。
通販で届くのを待ったり、「当選」の抽選結果を待たなくてもいいわけです。
また、昨年12月初旬に定期販売が始まる旨のニュースが出ました。
確認してみると、1箱30枚が月に1回送られてくるようで、1箱1650円(税込)
毎回ポストに投函で対面受け取り不要。お申し込み、解約はいつでも可能。とのこと。
これで、50枚1箱の分を買う時と比べ、1枚あたりの単価が安くなっています。@55円。(50枚1箱を送料込で購入の際、計算すると@78.76円)
ちなみに、50枚1箱を同時に2箱買うと送料が無料になりますが、このときの金額が5500円ですから、同じ単価となります。(2021年1月現在)
送られてきたものを実際に使ってみて、
確かにその辺のドラッグストアで手軽に購入できる製品に比べると、不織布にしっかりした腰があり、ちゃんとしたした作り、「やすもん」という印象はないです。
耳ひもは通常の細さで幅広ではありません。なので、耳が痛くなる人はいらっしゃるのではないでしょうか。
フィット感は僕の顔の大きさでは「ふつうサイズ」でちょうど良かったのですが、母は頬のところに隙間ができるようで、今は使っていません。女性は「小さめサイズ」が良いかもしれません。
ただ、僕でも不織布のサイドの部分が折れ曲がって頬に立つ状態(直角になる)になることがたまにあり、そこに隙間ができてしまうことが何度かありました。指で直しても直る時と直らない時があります。このあたりは気になりますね。製造時の個体差でしょうか。
というようなことで、
シャープのマスクのウリは、製品そのものよりも、液晶パネルを作っていたほどの厳密なクリーンルームで製造された日本国内生産であることに重きを置かれているのだろうと思います。
しかし、中国製でもそれなりの製品が十分に出回ってきた今、残念ながらその部分に、消費者は価値を感じていません。
現状、僕の自宅まわりにあるドラッグストアで購入できる不織布マスクは、だいたい単価@20円台です。
そこに、単価@55円とほぼ倍の単価の不織布マスクを、日本製だからという理由で買うでしょうか?
ここで、ひとつ、違うマスクをご紹介します。
とは言っても、これはもともと写真家・藤原新也さんがご紹介されていたものなのですが。
もともと、産業向けフィルタを製造していた会社がその技術を応用して医療向けにもマスクを開発し、その品質はアメリカのN95規格相当の医療レベルに匹敵するそうです。
こちらも取り寄せてみました。
まず、マスク本体部分が不織布という印象ではなく「フィルタ性能」と書かれているだけあって、分厚い。
さらにそれを「独自の立体プリーツ形状」にしているので、ごっつい。
その形状はうまく顔にフィットして(耳ひもがきつい感じはありますが)しっかりとした密閉性を感じます。
それでいて、呼吸がしやすいので、「このマスクはいったいどうやってつくられているのか?」と思ってしまいます。
サイズが大人用には「M」と「L」があります。
僕は顔がデカいので「L」なんでしょうが「M」でも使えないわけではないです。余計に密閉性が増す感じです。ちょっと呼吸は圧迫感がないわけではないですが、それは「L」と比べて、ということです。
肝心な価格ですが、「アメリカのN95規格相当の医療レベルに匹敵する」ということもあり、単価@275円で一般的なマスクに比べれば割高感は否めません。しかし、同じようなN95規格のマスクの価格も同じような価格帯で販売されていることを考えると納得感があります。
このような企業努力で優秀なマスクが開発され販売されていること(ほかにもやっている企業はあると思われます)を思うと、一般的な不織布マスクをわざわざ個人が通販で手間をかけて買う意味(それも抽選)が疑問に思えてきますし、その辺のドラックストアで1000円台で買えるものをわざわざ通販で倍以上のお金をかけるよりも、そのお金でその辺のドラックストアでは売っていない優秀なマスクを通販で買ったほうが合理的だと思うのです。
こうなってくると、素人目でですが、シャープのマスクも当初の需要と供給の状況から一転しているので、このまま販売するのは難しいのではないか?と思えてきます。やはり価格を下げるか、製品自体にもう一工夫の付加価値をつけるべきだと思えてくるのです。
国産ですから仕方ないのかもしれませんが、このままでは安価がウリの製品と優秀な品質がウリの製品の狭間でどっちもつかずになり余計に需要が少なくなってしまいそうな気がします。
そんな状況で先月パナソニックも主に社内向けに生産していた不織布マスクの一般販売をはじめました。
価格はシャープと同じ価格帯ですから、まともにライバルと言えます。
品質も同じようなものであれば、どっちもつかず同士になり、お互いに首を絞めあっているような気がして、両社とも売れ行きは厳しいものになっている可能性を感じます。
さらに、先月下旬、ユニ・チャームもN95規格レベルのマスクの生産を発表しました。
今回、医療従事者向けに今春から生産を始めるようです。
ネットを調べるとユニ・チャームはもともとN95規格のマスクを生産・一般販売していたようなので、これも需要が高まれば、一般向けにも販売を始めるような気がします。
ワクチン接種がようやく医療従事者向けに今月中旬から、一般向けにも高齢者などから4月からスタート予定と見えてきたとはいえ、実際、日本人にはどれほどの効果があるのか見えない中で、まだコロナ禍はこの先続くのか、収まるのか、わかりません。
マスクに関しても、まだこの先長く必要になる可能性もあるわけで、高い需要がある中、マスクの市場がメーカー乱立となってきており、いかに良いものを安く提供できるかが一般市場で強く求められてきていると思います。
そんな状況の中、スタートから注目を浴びていたシャープさんが今後どのような動きを見せるのか、他社の動向も含め、注視していきたいと思っています。