独り合点(ひとりがてん)

きもの業界をステージとした、ビジネスと生活スタイル、および近況。

秋岡芳夫展(1)

2011-11-20 | 日々雑感

顔

会場を入るとはっと目を見張るのが、鑿、鋸、玄能など、その見事な美しい道具たち。そして作るモノに応じて作られた多種多様な形の道具たち。鑿だけでも優に二百種類は超えている。これだけの道具を使い、作り出されるモノはと想像するだけでも楽しくなってくる。

大量生産の時代、工業デザイナーとして活躍した秋岡芳夫はあるとき、「消費者にならないで、愛用者になろう」「手仕事の復権」と人間を主体にした道具、デザインを考え、モノ作りに取り組んできた。その秋岡芳夫の生涯と氏がデザインし、作り出してきた商品や作品、そしてコレクションした日本の道具などが一堂に展示されている。このような機会は、二度と望めないのではないだろうか。使い捨てや消費を前提にしたモノがあふれる時代、心豊かに暮らすために、もう一度モノと暮らしの関係を見直し、考え直さなければならない時期に、なんとタイムリーな展示会なのか。氏が目黒区に住んでいた縁で、区が積極的に企画した素敵な展示会です。東京目黒の目黒区美術館1225日まで開催されています。(*月曜休館。10時~6時)