独り合点(ひとりがてん)

きもの業界をステージとした、ビジネスと生活スタイル、および近況。

ブックディレクター

2008-02-15 | きもの

企画立ち上げから本の品揃え、開店後の商品管理、販売促進まで、クライアントの想いを丁寧に聞きだし、本棚を構成してゆくブックディレクターという職種があるのを初めて知りました。旅の本屋・青山のBOOK246、六本木にできた国立新美術館のミュージアムショップの本棚の品揃え、とても以前から気になっていたのですが、これらの本棚を作ったのがブックディレクターの名付け親であり、本のセレクトショップとも言うべき空間作りを職業にしている、幅充孝(はばとしたか)さん。最近はアパレルやインテリアなど異業種の店内に本のスペースを作りたいという要望が相次いでいるそうですが、「ネットで本が買える時代に本屋さんが果たせる役割は、これまでも見たことがない作家やジャンルに図らずも出会ってしまう場を作ること。本屋さんに人が来なくなってきているんだったら、こっちから出てゆくしかない」と本の面白さを伝えてゆくショップ作りに邁進している。

考えてみたら大型書店に押され、町の本屋さんはどんどん姿を消していますが、個性的な専門書店はむしろ増えている。例えば時代小説や歴史モノ、さらには関連の雑貨に特化した時代屋。演劇関係の本やプログラム、或は落語だけに特化した本屋さんなど、思いがけない、今までにない本屋さんがゾクゾク誕生している。

きものでも様々なコンセプトの新ショップが誕生しているが、「着物を楽しく見せてくれる呉服屋さん」というコンセプト、そんなお店があってもいいかも。もし自分ならどんな呉服屋さんを作ろうか、どんな品ぞろえでと、考えていたら思わぬ時を過ごしてしまったが、ブックディレクターならぬ、呉服ディレクターがいても良い時代かも。

婦人画報の3月号は、「これからが、きもの適齢期」ときもの美を愛でることで、更なる品格が磨かれると、美しいきもの姿を演出する長襦袢や小物、そしてコーデイネイトを特集。着る人だけでなく、周りの目を和ませ、楽しませてくれるきもののチカラに気付きはじめた人が、なにやら増えてきたいま、タイムリーな旬の特集です。