独り合点(ひとりがてん)

きもの業界をステージとした、ビジネスと生活スタイル、および近況。

ちょっと、いい話!

2011-10-24 | 自学実践塾

親の喜び!と説得して

「振袖より留学」という娘、と題した今朝の東京新聞の人生相談、フリーライターの辰己渚さんの回答が、とても良かったので紹介します。「成人式に出てもいいけど、振袖は不要。そんなお金があったら、私の留学費用にまわしてよ」という娘に、父親は大人になったモノだと感心していますが、私は振袖を着て貰いたくて仕方がありません。何といって説得すれば良いのでしょうか、と言う母親の相談。答えは、成人式の盛装は、お嬢さんが装って楽しむためにあるのではありません。人生の節目節目に、その時にふさわしい式服がある。その服を子どもの身につけさせるのは、親の喜びであると同時に、務めです。子どもはその服に誇りを持って身につけつつ、親に感謝するのが務めなのです。振袖よりも留学、という選択は一見、堅実で賢い選択に見えますね。でも、はっきり言って、目先の合理性だけしか見えない子どもの判断でしょう。親は、目先の合理性よりも、大切なものがあることを、この機会を借りてしっかり伝えてくださいな。そして大人になるとは、自分の都合だけでなく、共同体のルールに自ら参加していくことだ、と教えてあげてくださいね。偉そうに書いていますが、お嬢さんと同じような判断をしたのは、私です。「成人式なんて、出る必要がない」と親に反抗し、親を悲しませた当の本人が四十歳半ば過ぎて言うのだから、間違いありません。それに、振袖は似合ううちに着るのが花です。昔の人は、賢かったですね。六日のアヤメ、十日の菊。どんなにすてきなものでも、タイミングを逃してしまったら、つまらない。取り戻せない。お嬢さんが友人の結婚式で、二十九歳で振袖を着ても、二十歳で着るのとは全く違うのです。盛りの美しさを親に見せるのもまた、子どもの務めではないでしょうか。


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