独り合点(ひとりがてん)

きもの業界をステージとした、ビジネスと生活スタイル、および近況。

呉服過量販売

2006-03-08 | きもの
正月3日の毎日新聞朝刊に大々的に報じられた「呉服過量販売商法」。A呉服店と共謀して支払い能力のないお客様にローン契約を勧めた信販会社の姿勢も鋭く批判されていた。月収25万円の家族に95~03年にかけ、高額な呉服や貴金属を総額約2000万円も買わされ、クレジット契約させられたという異常さ。訴訟でA呉服店は違法性を否認したが、解約に応じ、解決金としてA呉服店が約862万円、信販大手1社が約385万円、他の信販2社が計約18万円を支払うなどの内容で和解。普通の呉服店にはまったく関係のない問題でしたが、世間の目は[呉服店って、展示会って怖いんだ」というイメージを植えつけるには十分。
「呉服過量販売商法」という言葉も今回始めて知ったが、消費者センターなどでは定着した用語ということは、この種の相談が増えてきているということ。「見るだけでいい」と誘い、展示会に行ったら従業員ら数人に囲まれ、4~5時間にわたって「安く買える」などと迫られ、「お金がない」と断っても無視され、心理的な圧迫を受けて強引に契約させられたという。A呉服店も問題だが、信販会社の審査機能を厳しく糾弾され、今回信販大手3社が支払代金の返還に応じた。これは極めて画期的で、異例なこと。この件が報じられてから信販会社の審査が非常に厳しく、普通?になったのはご承知の通りです。A呉服店には業界内からの批判も多々ありますが、他社が真似できない独自なビジネスモデルを構築し、業界大手にまでなってゆく過程で、画期的なことにもチャレンジしてきた見習うべき良い面もたくさんあり、功罪相半ばしています。しかし、今回のことを契機に引き気味の商社も多いとのこと。こういう時期こそ「溺れる犬を棒で叩く」ような関係ではなく、尊敬されるお店となるように呉服業界全体のために皆が知恵と力を貸すような、そんな関係が築けると呉服業界全体に良い連鎖を起こすのにと、甘いかもしれませんが思います。

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