333ノテッペンカラトビウツレ

 奇跡は 誰にでも 一度おきる だが おきたことには 誰も気がつかない

新しい音楽活動のモデル

2008-04-03 02:01:53 | SP(Standard Program)
●レディオヘッドが新作『In Rainbows』の中の1曲を、素材別にして販売するそうです。通常であればミックスされたものが販売されますが、ベース、ドラム、ストリングス、ボーカル、ギターのバラバラのトラックを個別に売って、買った人が勝手にリミックスして遊べて、出来たものをウェブに投稿できるそうです。

●彼らは新作のネット販売を「ユーザーが勝手に値段を決めてくれ」という方法で行なって話題を呼びましたが、少しずつこのように従来の方法に囚われないミュージシャンは増えてくると思います。先日、コーネリアス・グループのライヴに行った時に感動したのは、開演前に流れるアナウンスです。
そこではお決まりの挨拶があった後に

「カメラ・ビデオの撮影は特に禁止しておりません」

と言うわけですよ。ただし、フラッシュを使った撮影と、携帯電話のカメラは止めてくれとだけお願いしていました。

●フラッシュは照明効果の妨げとなりますし、携帯電話のカメラは必ず撮影時に音がするため、演奏を妨げるため禁止。それ以外は写真を撮ってもビデオを撮ってもまぁ、いいんじゃないでしょうか。というわけです。彼らはワールドツアーでも同じルールを適用しているようで、海外の観客が撮った映像がYouTubeにアップされ、そのリンクがコーネリアスのオフィシャルのWEBサイトに掲載されています。思い返せばコーネリアスも自曲のミックス前の素材を雑誌の付録CDにつけたことがありました。

●ライヴの映像を撮影し、それをネットにアップすれば当然ながら、無料で演奏を楽しむ人が大量に出てきます。しかし、一方で自分の演奏活動をそのような形でオープンにすることで、世界中の公演の様子をファンが楽しむことが出来ます。ちなみに先日の東京公演はお客さんがギッシリと入っていました。

●ここ数年、音楽を巡る権利についてあれこれと取り沙汰されることがあります。日本最大の音楽権利管理団体がどれだけ悪どいことをしているかはいくつかの書籍が出ていますので興味のある方は読んでいただければいいと思いますが、そんな中でも自分のやり方で音楽の権利を自分で管理しながら、守るべきところは守り、リスナーが楽しめるものであれば既存のルールを逸脱しても解放し、トータルでビジネスが成立するように活動している人はいます。

●ライヴを撮影した映像がネットにアップされることで、ミュージシャンは職を失うことになるんでしょうか?もちろん、場合によっては多大な損害が発生する場合もあるでしょう。しかし、ビジネスとしてそれなりに成立するのであれば、撮影ぐらい問題にないと考える人たちが出て来たことはリスナーとして嬉しい限りです。音楽も映画も既存のスキームを飛び越えて、自分たちでビジネスモデル、アーティストモデルを構築できる人たちが増えることを願いたいですね。では最後に、筆者が行った3月30日東京国際フォーラムでのTHE CORNELIUS GROUPのショウの一部をネットで観てみましょう。