333ノテッペンカラトビウツレ

 奇跡は 誰にでも 一度おきる だが おきたことには 誰も気がつかない

2009年のNGワード

2008-12-31 01:58:14 | SP(Standard Program)
●日付的には大晦日ですか。これがおそらく今年の最終更新になると思われます。まずは今年も1年ありがとうございました。何だか更新がポロポロと飛んでしまって本当に申し訳ないです。しかし「毎日更新」という決まりを守れるような状況ではありませんので、来年もボチボチやっていきたいと思います。どうぞ御愛顧のほどを。ちなみに当ブログは新年1日からガッチリ更新いたしますので、帰省先などで携帯からご覧になっている方も是非お越し下さい。

●そしてお願いですが、このブログを読むだけ読んで何の連絡もしてこない筆者の知り合いの方は勇気を出してメールをしてください。「実はこっそり読んでいた」という人が多いんですよね。そして「お前に会ったことはないが、年始だし、年賀状代わりにメールでも出してやっても良いぞよ」という方もメールください。もらうときっと嬉しい。アドレスは

ジャンプフロム333アットマークグードットエヌイードットジェイピー

を数字以外全部半角英語小文字に変換してください。よろしくお願いします。

●さっき電車に乗っていたら、前の男性2人組がやたらと「アラサーがさ」とか「アラフォーだったら」なんて言ってたんですが、ああいう言葉でギャグじゃなくて本当に流通しているものなんですね。「アラサー」というのはアラウンド30(30歳前後)という意味ですが、最近じゃアラサー、アラフォーに次いでアラハタ(20歳前後)なんて言葉まで出て来て…完全なネタだと思っていたのに、結構本気にしてる人がいるんですね。ご苦労なことです。

●戦後直後は世代論なんてことが語られましたが、ある時期から日本は「総中流」の波が来て世代論が有効ではなくなりました。戦争体験のある親の世代と戦争を知らない子供。飢えを体験した世代と高度経済成長期の申し子。70年代ぐらいまでの文学や映画に世代間の闘争や軋轢を描いた作品が多いのも世代論が有効だったからでしょう。しかし、それ以降は世代論が機能しなくなりました。ザックリ言うと「老いも若きも好景気で浮かれていたから」だと思うのですが、同時に水面下では世代なんて大きなくくりでは事態を把握できないほど個人の好みや志向の細分化が進み、クラスター化が進行していたわけです。

●で、00年代もそろそろ終わりに入り、個人の好みの細分化がほぼ完成し、世代間の差もなければ、世代を超えた多くが「それ知ってる」と共通して言えるようなキーワードも消え失せた段階に来て急に「アラフォー」という言葉が出て来たわけです。だから雑誌などの「アラサー特集」なんてのを立ち読みしてみるとわかりますが、それは世代論でも何でもなく単に「30歳前後の人を集めてみました」ってだけ。何の共通項もないか、無理矢理に共通項を見つけて(単に似ているもの探ししている)だけ。しかし、それでもアラウンドという言葉が頻繁に出てくるのは実は「これだけ人の好みや志向がバラバラになってしまった」という状況下で「とりあえず見通しをよくしたい」という欲求が人間に出て来たからでしょう。世代なんかで束ねたって何の共通項も見つからないのに、それでも「アラサー世代」と言いたくなる不安。

●2009年も引き続き「遠くまで見通せるマップのないまま、ひとつひとつをつぶさに眺めて自分なりの地図を作る」という作業が重要になると思います。アラサーもアラフォーも不安を一瞬は解消してくれるかもしれないけど、実際は何の効果もありません。もう少し言うと「不況」ってのも無効だと思います。そういう大きなカテゴリーに可能な限り頼らずに、ひとつひとつの出来事をじっくり眺めないと「アラサーだから」「不況だから」というような結論しか出てこなくなります。というわけで来年は実は「不況」という言葉に要注意だとここで宣言して、年内の更新を終わります。

●今年最後に何をかけるか少し迷いましたが、大トリを飾るのはこれしかないだろう!ということで。


物欲>野宿

2008-12-30 02:01:59 | SP(Standard Program)
●ただいま夜中の1時30分なのですが、階上の住人が大掃除を始めました。掃除機かけてるね。さすがは都内のアパート。自由すぎる。ま、俺も夜中に起きてるから別にいいんだけど、急に「あれ…もしかして年末?大掃除じゃ!」って思ったのかねぇ。

●早くも街のあちこちに福袋の告知が出ていますね。店によってはフライング気味に売り出しているところもあります。ああいうものは「並んででも買う」という本気度の高いものと「まぁ、全部使えなくても笑って済まそう」というものとに二分されるわけですが、こんな経済状況だと後者は売れんでしょうね。個人的には福袋はここまで細分化&口コミ至上が進んだ世の中で消費の道楽を味わうには悪くない商品だと思いますが。でも、やはり世の中は本気の人が多いと思いますよ。毎年、元日に銀座を歩くとプランタンというビルに女性たちが段ボールを敷いて並んでいる光景を目にします。2日売りの福袋を買うために夜を徹して並ぶわけです。それ…福あるのかねぇ。元日の夜を野宿してる時点で福ないだろ?

●とりあえず今日段階での映画1ダースを先ほど作成してみました。まだ2日残っているのでそれを待って1日に発表します。なかなか傑作揃いの12本が選べたのではないかと思っているので興味のある方はご覧いただければと。

●じゃ最後はキリンジの新曲。10周年記念ベスト盤に収録されているものです。兄の作品ですが、またもや名曲。メロディーもさることながら、歌詞の目のつけどころにも毎回感心します。


“巣ごもり”の余波

2008-12-28 02:58:22 | SP(Standard Program)
●ついに帰省ラッシュがやってきたと思ったら日本を大寒波が襲っております。本当、何から何まで寒い国になってしまいましたがいかがお過ごしでしょうか。

●そう言えば昨日、11年ぶりにカラオケに行きました。歌わされる前に退散したのですが、何せ11年ぶりなので相当に新鮮で面白かったです。この10年ほどは音楽は聴くか踊るものだったので、音楽が歌うものでもあることを再確認した次第。来年は音楽に関する書籍をかためて読む予定なのですが、11年ぶりのカラオケ体験も非常に味わい深いものがありました。小さな発見としてはカラオケのトラックでは『ポリリズム』はモノリズムだと言うことですが…どうでもいい話だわな。

●多くの企業が昨日が仕事納めを迎えたようですが、そのような方は9連休ということになるわけです。こんな金もねぇのに休みばかり長くてどうするんだという気もしますが、筆者はこの9日間でテレビ、インターネット、書籍、レンタルDVD、コンピュータゲームのどれが売り上げを伸ばすかにこっそりと注目しています。今年は“巣ごもり”と呼ばれているらしく、海外旅行に出かけたりする人が減っていて、可能な限り家の中で年末年始をすごそうと計画している人が多いようです。すると金がそんなにかからずにヒマつぶしをすることになりますから…テレビが視聴率をあげるでしょうか?それともSNSがアクセス数を稼ぐでしょうか?単純に酒類の売り上げが増加するんでしょうか?1月の中頃には何らかのニュースが出るはずなのでそれを気にしています。個人的には今年の正月はテレビというメディアに訪れた最後の大チャンスという気がしますね。これでダメならもうテレビは次の段階に突入するのではないかと。

●と同時に各小売業の売り上げも気になるところですよね。毎年、年始は福袋商戦&バーゲン商戦ということで、どこも繁忙期だったりするわけですが、全体の基調としては低いレートに終始することは間違いないわけで問題は「どの種の小売りがどの程度稼ぐか?」という相対的な数値ですね。実は不況だからこそデパート的なところが稼ぐのか、やはりショッピングモールなのか、それとも遠出しないからこそ地元の商店街的な店舗に金が落ちるのか。つくづく今年の年末年始は考えだすとなかなかに興味深いトピックが多いと思います。

●何でもかんでもエコという風潮には反対する気はないものの、追随する気もないのわけですが、何故にこんなにも紙を使うなと言うくせに年賀状の時期になると「紙のハガキを出せ!」と言われなければならないのでしょうか。郵政事業会社のまとめによると来年の年賀はがきの差し出し数は前年より6%ほど減っているそうです。これってアイツらの言うところの“エコ”ですよね。だって紙減ってんだもん。紙は使うな、でも年賀状は出せってか?それ、どういうことだ。俺は出しましたよ。仕事関係の人だけですが。個人的に付き合いのある人は紙じゃなくて実際に会いましょう。メールください。関西の人も年始に行くのでメールください。

●じゃ最後にPCの方にビデオを。このメドレーは相当に素晴らしいと思います。おそらく関西のテレビ番組の模様ではないかと思うのですが、早急にCD化した方がいいと思います。このオッサン、本当しょーもないキャラのくせにイイ曲が多いなぁ。


余裕と祭り

2008-12-26 02:42:31 | SP(Standard Program)
●昨日、仕事帰りに繁華街を歩いたのですが、こんなにも浮かれ感の少ない東京でいいんでしょうか。不況であっても騒ぐだけ騒ぎ、笑って済むギリギリの範囲で狼藉をはたらくのが都市生活者のつとめだと思うのですが。最近、どの飲み屋に入ってもすんなり座れるし。忘年会のない会社ってのも増えてたりするんですかねぇ。

●こうなったらこうなったで「クリスマス・イヴは恋人と」みたいな信仰があった時代が何だか懐かしいですよね。個人的に働いて1日が終了する身だったとしても、ここまで鬱基調な年末になるなら「恋人いないヤツは人間じゃない」と言われる方がマシなんですけど。

●こうして思うと日本人はいつの間にか「祭り下手」になったんだと実感しますね。金がなくてもとりあえず音楽かけて騒いどけ!って感じではないもんなぁ。「日々の暮らしが不安な時に祭りなんかしてられるか!」って感じじゃないですか。でも、それって実は逆で、祭りって「日々の不安を忘れる」ためにやると思うんですけど。だから不安が増大すればするほど、祭りは盛り上がるわけですが…いつしか日本では祭りは“余裕”の代名詞になったのかもしれません。

●というわけで、バブル時代の残した遺産の中からこの番組をお届けします。こういう手の込んだ深夜番組が存在したのも昔の話ですよね。


50歳問題

2008-12-24 00:55:27 | SP(Standard Program)
●今日は祝日だったんすね。まぁ、働いてたんで何の関係もないわけですが。年末ですからね。祝日もクリスマスも関係ないわけですよ。働くよ、俺は。つーか、どこに行ってもサンタの格好している人がいるのはどういうことだ?あれって最初は「おお、可愛い人がサンタ!」という喜びがあったのですが、正直、供給過剰に陥っております。というわけで今後10年ぐらいはサンタ禁止。

●23日で東京タワーがオープンから半世紀を迎えたそうです。おめでとうございます。こんな名前のブログをやっている以上、このトピックは無視できません。どれだけ高いビルが出来ようが、展望台はヒルズの方が眺めがよかろうが、東京タワーはその存在が別格なのです。地デジ用のタワーが出来てもそれは同じこと。にしてもこのブログの名前について誰からもツッコミがないのはどういうことなんでしょうか?

●今日ついに年賀状を書きました。中学校2年生の時以来です。仕事上で付き合いのある方向けに年賀状を出す必要があり、書いたわけですが、個人的にはいまだに年賀状は作成しておらず、おかげで知人の住所がまったくわかりません。今年の“久々年賀状”の勢いに乗って知人・友人にも書きたいところですがその前にはまずメールか電話で「年賀状書くから住所教えて」という段取りが必要であり、予告して年賀状送るのもなぁ…というわけでそっと放置。ちなみに大阪のみなさま、年始の最初の3連休にそちらに行きますので、予定を空けておくように。よろしく。

●とは言えせっかくのクリスマスですから…アダム・サンドラーさんの歌う『ハヌカ・ソング』をかけましょう!クリスマスの来ないみんな!ユダヤの人たちもクリスマスは来ないからね!カーク・ダグラスや、ポール・ニューマンや、カーク船長、ミスター・スポックと一緒にハヌカを歌おう!別に俺、ユダヤ教でもないけどね。


黒い十人の女と3人の女

2008-12-21 03:01:20 | SP(Standard Program)
●何日もブログをすっ飛ばしてお前はどこにいたんだと思ってる方もいらっしゃるでしょうが、簡単に言うと飲み屋か、会社か、劇場にいました。その3カ所を往復してました。年末ですからね。

●ここ最近は上記の場所をグルグルと巡りながら移動中はずっと「国」のことを考えています。と言っても「日本」のことではなく、純粋な意味での「国」です。国とひとくちに言いますが、そもそも国とは何なのか?国に最低限必要なものは何なのか?もし仮に「これから国でも作る?」なんて話が出た時に(どこでそんな話が出るか知りませんけど)何をしないといけないのか…というようなことを考えているのですが考えはグルグルと巡るばかり。来年の課題のひとつです。

●毎年何となく「今年は○○を重点項目として本を読んでみよう」と考えるのですが、日々の生活に追われて不十分な結果しか残せていないのが残念です。来年は「国家の作り方」と「戦時の芸術」を2大キーワードにしようと今週決めたのですが…きっと働いてるだけで1年終わってしまうんでしょうねぇ。

●ダパンプという人たちが1人減って7人増えて合計9人になったそうです。ということは最初は何人いたんだ?3人か。あれ?4人じゃないのか?それって「ドリカムのお三方です!あれ?1人減ってねぇ?」ってのと同じか?違うのか?ま、どっちでもいいんですが、問題は「1人減って7人増えた」ってことですよ。時々、グループはメンバーの交代や、脱退、加入が発生するものですが「1人減って7人増える」って事態は別に悪くも何ともないんですけど、相当に奇妙な状態であることは間違いありません。

●例えば想像してくださいよ。

「ダチョウ倶楽部からジモンが抜けて8人増えて10人に」

そんなに芸人がいたら竜ちゃんがキレるヒマないよ!「ヤー!」も合わせるの大変だよ!「のっちです、あーちゃんです、かしゆかです、いちこです、ふたばです、みわこです、よしこです、いつこです、むつこです、ななえです、やえこです、くみこです、とうこです…って早く“perfumeです!”って言え!それも3人以外、数え歌みたいになってるし。『黒い十人の女』かよ!

●ある集団が存在したとして、そこに何人増えると、その集団ではなくなるのか?何人になると元の集団と同一視されなくなるのか?それは人数の問題なのか?メンバーの属性によるのか、ドグマの問題か、それとも…実はこれ、さっきの「国」の話とどこかでつながる話だと思います。その集団がどのようにして始まり、どのような変化を経て、終わらないまでもどの時点で「元の集団」とは異なる集団になるのか…ま、年末年始のクソ忙しい時期なんで、そんなこと考えてる余裕はないんすけどね。

●というわけで流れ的にはここでダパンプの曲を流すのが良いでしょうが、個人的にその流れは好ましくないので、このビデオを。


こわれる

2008-12-18 02:12:56 | SP(Standard Program)
●あのさ、気づいてます?次の次の木曜日ってもう…元日ですよ。

●さっき途中までこのブログを書いていたのですが…消えました。何かの呪いだと思います。よって、同じことをもう一度書くのも面倒すぎるので短めに。

●何かが壊れる時というのは機を同じくするものなのでしょうか?ここ最近、立て続けに身の回りの機械が壊れていきます。まず最初に携帯電話が壊れました。正確には自分で落としただけなので、完全に筆者の責任なのですが、超薄型の機種を使用しているので、一度地面に落としただけで液晶が大破。何にも見えません。さらにその翌日には会社で使っている切り替え機が壊れました。筆者は事情があって2台のコンピュータを1台もモニタで操作しているため、ワンタッチで使用するコンピュータを切り替えされる機械を使っているのですが、これが急遽、故障。何もしてないのにふたつの画面が3秒単位で切り替わり…仕事になりません。

●何事も「ついてない」と思うと身の回りで不幸なことが連発しているような気になるものです。するとまぁ、御得意の「何事も前向き」というウザいアドバイスがどこからか届けられるわけですが、そんなもん前向きになろうと努力してなれるなら宗教なんかいらんわい!ま、俺は最初から宗教は不要ですけど。

●というわけでここ数日はデジカメもiPodも、携帯電話屋から借りて来た修理中の代替携帯も注意深く扱ってきました。故障や大破が続くような気がしたからです。もちろん、それは杞憂に終わり、それ以降は何事もなく過ぎているのですが、油断した瞬間にブログのテキストが消えたわけです。と、言いながらテキストの消滅だけでここまで引っぱりました。災い転じて何とやら。

●SBK復活です!日本って大ネタを上手く使いこなせる人たちが少ないから彼らの復活は頼もしい限り。『TOKYO LV』のビデオがなかったので新曲を。ネタは“あの曲”です。


消えた記録/消えぬ記憶

2008-12-16 02:30:20 | SP(Standard Program)

●ちょっと間が空いたりしましたが、まぁ相変わらずの日々です。後輩と夜中の3時まで飲んで帰宅して朝までDVDで『犬神家の一族』観たりしてるうちに週末が終わりました。スケキヨ、頭巾をとっておやり!

●ネットのニュースサイトで知ったのですが先日行われたスケート大会の最高瞬間視聴率が40%を突破し、大河ドラマが29%弱の視聴率だったそうです。ちゃんと調べたわけではないのですが、テレビを見る人が再び増えてるんですかね?不況になるとテレビは強いという話をどこかで読んだことがあります。どこに出かければ何らかの金が発生しますが、テレビをつけておけば何となく時間が過ぎて行くし、何せ無料ですからね。ま、スケートも大河ドラマも大変人気のある番組ですから不況とは関係ないとは思いますが。

●ちなみに筆者は生まれてから大河ドラマを1回も観たことがありません。今年は『篤姫』という作品だったそうですが、どんな作品かも全くわかりません。しかし1年間、毎週同じ時間に1時間ずつドラマを見るというのは相当にハードルが高い作業ですよね。視聴率が高いということは多くの方がリアルタイムでテレビの前に座っているということでしょうが、世の中、想像以上に根気強い人が多いんだと感心します。それほどの魅力のある作品だということなんでしょうが。でも、俺は見ませんけどね。だって『篤姫』に平井理央は出てないんでしょ?だったら見る意味ねーよ!

●先日、知人に「ある文書」を渡す約束をしたのですが、帰宅してみるとそのデータがフロッピーに格納されていることがわかりました。で、早速取り出してみるかと思ったのですが、よく考えたら自宅のコンピュータにフロッピーを読み取る機械がありません。昔使っていたウィンドウズ機にもなく、現在使用しているマックにも無し。会社のコンピュータにもありません。フロッピー…急に姿を消したんすねぇ。さらに言うとよくよく思い出したら、そのデータはコンピュータではなく昔のワープロで作成したデータでした。ということは取り出せたとしても、それを閲覧することもできないわけです。ワープロ機は遥か昔に廃棄しました。このデータ、何とかして取り出せないものでしょうか。

●実は他にも片付けをしていた時に昔の8ミリビデオのテープが出て来たのですが、これも対処に困っています。知人のカメラを借りて撮影したものですが、今となっては肝心の再生機がなく、何が収録されているかも謎です。ネットで調べたら8ミリビデオをDVDにダビングしてくれる業者があるようですが、面倒であることは確か。しかし、そんなことを言っていたらワープロ文書同様、永遠に閲覧できない可能性もあります。知らぬ間にテクノロジーの犠牲になっているのだと何だかしみじみしました。知らぬ間に消された記録があり、時を経ても消えぬ記憶がある。そんなことばかりを考えながら『犬神家の一族』を観る週末。

●このタイトルバックは映画史に残る傑作だと思います。まぁ、これについてはいたるところで言及されていますが、ポイントは「出演者」の表記だけ異様に文字が小さいこと。市川崑監督は文字を画面に小さく出している作品の方が多いんですよね。この「出演者」の文字のサイズと位置に市川美学を感じます。


決して回復されない

2008-12-13 01:44:23 | SP(Standard Program)
●それはいつもと変わらぬ土曜日だった。母は息子を映画に連れていくと約束していた。しかし、急の電話が入り、母は仕事へと出かける。「映画は明日にしましょう。暗くなる前に戻ってくるから、ひとりで留守番していてね」と言い残して。陽が傾き、母が家に戻ると息子はいない。近所を探しても息子の姿は見当たらない。彼女は警察に電話をするが「遊んでいる子供を捜すのに警官は使えないから翌朝まで待ちなさい」と言う。やがて時が流れても息子の姿はなく、彼女は不安を抱えたままの日々を過ごす。そしてついに吉報が訪れた。息子は遠い地で保護されているという。母は涙を流し、息子のもとへと向かう。そこには警察が待っていて「よかったですね、息子さんですよ」と笑顔で迎えてくれる。しかし、その子供は…息子ではなかった。彼女は言う。「この子は息子ではありません」しかし、警察は「時間が経ったので成長して見た目が変わったのですよ」と取り合わない。母は繰り返す「この子は私の息子ではない。息子を探してください」と。

●クリント・イーストウッドの新作『チェンジリング』はアメリカで実際に起きた“取り替え子”の事件を基にした作品です。アンジェリーナ・ジョリー演じるシングル・マザーの母が見知らぬ子を“失踪するも発見された息子”として押し付けられながら、自身の息子を探すべく、捜査ミスを認めたくないロス市警と渡り合います。物語はあらすじだけ読むとミステリのようですが、この映画は決してミステリではありません。息子を連れ去った犯人は何の謎解きもなくあっさりと明かされ、しかし、物語は一行に明るい光を見せることはありません。

●この映画はイーストウッドがこれまで描いてきた広義な意味での「受難劇」と言ってもいいかもしれません。何か恐ろしいものが突然やってきて、理由もなく自らの身に降りかかり、"それ”に触れてしまうと、決して元の状態に戻ることはできない。『ミスティック・リバー』や『父親たちの星条旗』でも見られた物語がさらに鮮烈なイメージと展開で綴られていきます。イーストウッドの中には相当に黒い欲望が渦巻いていて、自身のマゾ性が登場人物に転移しているという分析は様々な人によってなされていますが、本作『チェンジリング』でも、その深い闇は全面的に展開されています。

●もちろん映画は単に「主人公のツラく苦しい日々」を延々と描くものではありません。物語は巧みに組み立てられ、次から次へと新たな事実が明るみに出ることで観客を140分間飽きさせません。ハリウッドらしく、最後にはほのかな希望まで描かれています。しかし、それでもこの映画全編を覆う異様なまでの重苦しく、観る者に孤独を感じさせるムードは観る者を捕らえて離さないでしょう。おそらく、映画雑誌はこの映画を「アンジェリーナ・ジョリーが母の強さを見せる映画」として紹介するでしょうが、この映画は決してそんなものではありません。

●主人公を貶める者に裁きが下り、事件の真相が明かされ、主人公の心に小さな光が差しても、決して消えない孤独と虚無。今、アメリカ映画界で娯楽性と芸術性を最も高次元で両立しているのはイーストウッドであると思い知らされると同時に、この男の消えない闇に打ちのめされること必至の傑作です。来年の2月公開だそうです。


稼ぐぜ!

2008-12-10 01:26:54 | SP(Standard Program)
●六本木に行くために地下鉄に乗っていると隣の会社員ふたり組が「ソニーが大量に人員を削減するらしいぞ」「まぁ、他人事じゃないですけどね」「…まぁな」なんて話。最近、本当にこの手の話をしている会社員多いなぁ。国全体が軽い鬱状態なんでしょうか。電車を降りて、地上でタクシーから降りてきたキャバ嬢のお姉さんの「さぁ、稼ぐぜ!」って感じの表情が頼もしかったです。僕は貢献できませんが、ガンガン稼いでください!

●インターネット上のブログに記載されたキーワードをサーチロボを使って収集している会社が「2008年のブログ話題ランキング」というのを発表しました。ちなみに1位から順に書くと五輪女子ソフト、ラスト・フレンズ最終回、小室哲哉逮捕、福田総理辞任、ホンダF1撤退だそうです。このことからわかるのは当ブログが社会の大多数の関心を呼ばない話題ばかりを取り上げているということですね。うちで頻発するキーワードって姫路城、すぽると、土岐麻子だもんな。

●で、思い出しました。前のブログでは年始に「去年の映画の中から12本=1ダース分の映画をご紹介します」というネタをやっていましたが、今年もやります。来年の始めの方に更新すると思います。

●ビデオはこれにしましょう。もう何百回と観ていますが、やはり最後まで観てしまいますね。