
クラシック音楽界の残酷な真実 (https://www.youtube.com/watch?v=pEC6Do1YK7c) からヴァイオリニストの話し。 肌の綺麗な方ですね。 桐朋音大卒だそうです。
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この3月12日 投稿されたばかりの動画を見て、やっと理解できました __ 十年近く前 電車の中で隣り合わせた音大生らしき人の対応の理由が、です。
何が頭に引っかかっていたか、思い出しながら述べますと __ 平日昼前の10時頃 都心へ向かう ターミナル駅始発電車に乗り込んだら その車両には誰も乗っていなくて、端の席に腰掛け 眼をつむって発車を待っていました。
すると誰かが私の隣に座りました。 眼を開けると ヴァイオリンケースを抱えた18~19歳位の音大生らしき若い女性です。 なぜか 他にも空いているのに わざわざ オッサンの隣に座らなくてもと思いましたが、他の席に座ったらというわけにもいかず そのままにしていました。 座って盛んにスマホ操作に没頭しているようです。
都心まで 40分ほど掛かるので、電車が動きだして5~10分位経った頃 スマホ操作中の彼女に声を掛けました __「それ ヴァイオリンが入ってるの?」「ハイ」「音大生か何か?」「ええ」「私も趣味でヴァイオリンを弾いてるんですよ」「そうなんですか?」「難しいよね ヴァイオリンは。 なかなか上達しないもんだねぇ」「ええ …」
こんな調子で 全然 話しが “弾みません”。 もっとも 自分の2倍以上もトシが離れている人に どう話しをキャッチボールで繋ぐのか解らないのかも知れません。 けれど 他に空席が幾らでもあったのに、わざわざ私の隣に座ったのですから、話しかけられて ”ダンマリに近い会話” はないだろうとも思ったものです。
それ以上 私も話す気にもならず 後の30分余りは黙って目を閉じ、彼女はスマホ操作を続けているようでした。 降車間際に、「それじゃ 頑張って下さい」といって立ち上がり、彼女からすぐに離れました。 彼女も「ハイ」と小声で応じていたようです。
その後で、この数年前 駅前ビルのロビーコンサートで20~30人の聴衆を前に、独奏ヴァイオリンを好演奏で披露していた中学生だったと思い出しました。
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冒頭動画の、① 音楽家は一般常識がないと思われている ② 学歴は関係ない ③ 音大先生はビジネスは教えない ④ 卒業後フリー X 不安定になる可能性 ⑤ アンサンブルが出来ない人は仕事がない ⑥「留学=成功」の法則はない ⑦ 基礎練習をしないと下手になる ⑧ これからは「個」がスキルになる時代 のうち、①に “ドンピシャ 納得” です __
「音大生・音楽家は一般常識に疎い。 特に幼少期からの鍛錬が必要な楽器 ピアノ・ヴァイオリン専攻の人はその傾向が色濃い。 一般常識の欠如が原因で 周りの方に不快な思いをさせてしまったり、失礼な態度をとってしまったり、『この人 何をいってるんだろう?』と不思議に思われたり … しかも いい大人になると、周りの方が面と向かって それを段々指摘してくれなくなっていくので、一般常識欠如が益々進行してきます。
頭脳は子供! 体は大人! 私も過去『あー、音大生だからしょうがないよね』『音楽家だから これ分からないよね』といわれたり、逆に一般常識を持って人と接した時に『音楽家なのにちゃんとしてるね』といわれました。
“一般常識” とは何を指すのかというと、挨拶などの礼節・敬語の使い方、身だしなみ、締め切り・時間を守る事、相手への敬意を持った接し方、その他です。 一般常識が欠如する背景は、小さい頃から友達と遊ぶ習慣はなく、学校から帰ったら即練習、それが自分の生活の中心、1人の時間です。 対人力・社会適応力が培われる機会が減ります。
音大は『変わり者&マイノリティ、ウェルカム』の空気、『音大』という狭い機関の中で一般常識が欠ける人同士が一緒に生きていくので、居心地がいいとさえ感じます」
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こういう事だったのか! 小さい頃から練習詰めで、友達と遊ぶ機会が少ないと、当然 一般常識に接する時間は少なく、対人力が育ってなかったのですね、あの時の女子音大生は、と今になってやっと合点しました。 過去ブログのヴァイオリニストS氏の「ちょっときたないホールでして …」発言や、別のS氏の「サイン会でファンをがっかりさせてしまった件」も、この “一般常識に疎い性格” が影響したのでしょうね。
逆に考えると それ位 子供時代から遊び時間を削ってまで練習しないと、上達しないのがヴァイオリンだとも納得しました。 それじゃ 二十歳前後の時の私はどうだったのかと振り返ると、就職したばかりの頃の休日 繁華街にあるレコード店でクラシック・レコードを漁っていたら、同じコーナーで2~3倍も エライ歳の離れた レコード探しの老年男性とクラシック音楽の話しをチラッとしました。
すると 喫茶店で話しをしようと誘われ、30分前後コーヒーをご馳走されて、クラシック音楽の話しを続けました。 あまり話しは噛み合っていなかったと記憶しますが、なるべく話しを合わせるようにしました。 “ダンマリ会話” はしなかったですよ。
でも クラシック音楽について個々の興味は、なかなか一致する領域は少ないものです。 しかも 何十も年齢差があると、経験量も違いますから、共通する話を見つけるのは難しいと思いましたね。
ですから “クラシック好き” というだけで、話してみたら 全然 話したい内容が一致しない、という事は結構多いと思いますよ。 そう考えると クラシック好き同士の初対面の会話って “絶望的になりそう” ですけどね。
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また ④ 卒業後フリー X 不安定になる可能性の中で、この音楽家 (ヴァイオリニスト) はこうもいっています __「音大卒業後 演奏の仕事・楽器で仕事をしている人の半数以上はフリーランス。 私はスクール主宰や教える仕事の他に ホテル・パーティなどその他イベントでの演奏、歌番組での演奏出演、プロオケへの賛助出演、歌手のサポートをするレコーディング演奏などの殆どは、フリーランス奏者が単発の仕事として行っており、特に演奏仕事に関しては音楽事務所を通して依頼されたり、個人間で委託する事も …
これだけで充分な収入を得られない場合 音楽以外のアルバイトを掛け持ちする人も少なくありません」
__ と聞いて、音楽以外の … の方が殆どじゃないかと思ったものです。 プライベートジェットで世界を股に掛けて活躍したドミンゴや、専属シェフを引き連れて活躍したパヴァロッティ “じゃない歌手たちの多く” は、音楽だけでは充分な収入には程遠いものと想像します。
しかも ですよ、1年前から続くコロナ禍で演奏会が激減状態ですから、今どきの音楽家の収入環境は そこらの (収入激減) 飲食店よりももっと悪いかも __
今日はここまでです。