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シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

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あの感激した高音質 LP は何だったのか2

2025年06月16日 | オーディオの今は
上左はクレツキ指揮の「大地の歌」(オリジナル?) ジャケ。 下左はクレツキ。 上中央はバーンスタイン指揮イスラエル・フィルの「大地の歌」LP (1972年 CBS)。 その右は添付されていた SQ4 の説明書。 下中央はバーンスタイン指揮ウィーン・フィルの「大地の歌」輸入 LP (1966年 米 LONDON)。 その右はその LP 中袋と CD 盤。 
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1960年代に録音されたバーンスタイン指揮 VPO による「大地の歌」LP  (A) は、その録音の鮮明さと好演奏で評判となりました。 二人の大物歌手 フィッシャー=ディースカウとジェームス・キングが参加した公演でも評判となり (?)、それで録音されたものと想像します。

冒頭の金管楽器 (ホルン?) による 突き抜けるような上昇音と続くキングの歌唱に加え、1時間を超える曲が 30cm LP に詰め込まれているにも関わらず 高音質に感激したものです。 私の頭の中に “DECCA の LP = 高音質” が刷り込まれました。

CD 時代になり、改めて CD 版のA (上記右写真の中央あたり) を購入し、高音質の CD では “もっといい音質で聴けるのではないか” と期待して聴いたら、意外と平凡に感じるような音質で少しがっかりしたものです。
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長い間 私自身 この感覚の理由がわからなかったのですが、最近 続けて「大地の歌」CD 2枚を聴いて、納得しました。

聴いたのは、ポーランド生まれのクレツキ指揮フィルハーモニア管・ディッキー (T)・ディースカウ (Br) らによる EMI の1960年制作もの (1959年録音) と、Aです。

クレツキのは50年代末の録音ですから “それなり” で、LP で聴いたら もっと音質は良くないと想像します。 早くいうと 冒頭第1楽章でディッキーが声高く歌う部分では、当時の録音技術としては多少ビリつきを感じさせます (が、まあ 当然かと思います)。

それが66年録音のAですと ビリつきがほぼない かなり改善されたキングの良好なテノールが聴けます。 CD 版のAを聴きながら、”これが LP の音だったら” 確かに高音質と感じるに違いないと確信しました __ これです!
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つまり 人間の感性というものは、『期待以上だと感激』『期待以下だと落胆』と、というものじゃないかと思います。

最初 Aを LP で聴いたので、普通の LP 音質を上回るものだったので感激し、CD 版ではもっといい音質を期待して聴いたのが CD としては (勿論 高音質だったのですが) 並の音質に聴こえたのでがっかりしたのです。

ですから 同じものを与えられても『期待以上だと思う人は感激する』が、『期待以下だと思う人は落胆する』と想像します。

例えば BPO や VPO などの極上の演奏を聴き慣れて人は それらの演奏に接してもあまり感激しないが、聴き慣れてない人は 感激する、という事です。

料理でも 同じ物を食べても、普段から食べ慣れてる人は あまり感激しないが、食べ慣れてない人は 感激する、と想像します。

不思議なものですね 人間の感性は。 新ためて感じ入った次第です __ こうした感覚は他の事象についてもいえるのじゃないでしょうか。

今日はここまでです。

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