左から Isyana Sarasvati - Frühlingsstimmen (2019/09/24投稿 https://www.youtube.com/watch?v=wmjhbSQ8UGA)、武赫 春之声圆舞曲 (2018/02/13 https://www.youtube.com/watch?v=JPvHiiKb0KY)
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私の好きな J. シュトラウスの歌付きワルツ『春の声』を YouTube で検索してライヴものを幾つか視聴していたら、インドネシア人と中国人歌手・オーケストラによるものに当たりました。
ジャカルタ・コンサート管が伴奏するのはイシャナ・サラスヴァティが歌う「舞踏への招待」コンサートからの一部、そして シャンハイ・フィルが伴奏するのは He Wu (ヘ・ウ) の歌う上海ニュー・イヤー・コンサートからの一部のよう。
この2つの映像を見て、感じるところがありました。 ソプラノ歌手は何といっても、フル・オーケストラをバックに 人気曲の『乾杯の歌』(ヴェルディ)・『春の声』を聴衆の前で歌って披露したいんだろうなぁというものです。
本場ウィーンの歌手の歌唱と全く同等とはいいませんが、どちらも立派な歌いぶりだと思います。 会場の聴衆もそれなりに盛り上がっていますね。 そして インドネシアと中国のクラシック事情がどの程度かは知りませんが、こうしたウィーンの人気曲を演奏する技術とそれを楽しむ聴衆が出来上がりつつあると想像できます。
ウィーンの雰囲気があふれ出ているというより、華やかなコロラトゥーラの声を駆使して それなりに楽しめるものに仕上がっています。 歌っているドイツ語は殆ど聴き取れません (プロのテノール歌手ドミンゴだって オペラの中でソプラノ歌手が歌う歌詞は殆ど聴き取れないといってるくらいですから 我々シロウトが解るなんて無理)。
また インドネシアの演奏会場は体育館のようで狭い舞台でしたが、上海会場はそれなりの造りに見えました。 インドネシアは演奏会場に恵まれてないのでしょうか?
ソプラノ歌手は笑顔が溢れていますが、そうとはいえないのがオーケストラ・メンバーの表情です。 特に中国楽団の女性奏者ですが、笑顔というより きつい顔でしたね。 冒頭写真に写っている 歌手の真後ろ 第2ヴァイオリン奏者と横の第1ヴァイオリン奏者の表情です。 華やかなソプラノ歌手の表情とは真逆で、これだけ見ていると全く “雰囲気ぶち壊し” です。
中国で ヴァイオリン奏者がどういう境遇にあるのか、その表情から推測できるのは __ 恐らく 幼少の頃から演奏技術を学んで今に至っているのは中国だろうが、日本だろうが、欧米でも どこでも同じだと思います。
しかし その社会からどのように見られているかと考えると、中国ではあまり評価されるものとは考えにくいです。 要するに あまり出番がないし、演奏する機会も少ない。 という事は収入には結びつきにくいと想像します。
すると低い収入の中で生活しながら、晴れの舞台では精一杯頑張って演奏しようとするので、なかなか晴れやかな表情にならず、普段の歯をくいしばるような生活苦 (?) の表情がそのまま出てしまう、こういう背景を勝手に想像してしまいます。
カラヤン指揮でウィーン・フィルが伴奏し、キャスリーン・バトルが歌った『春の声』(1987) での楽団員の表情はごく普通か にこやかなものでした。 ウィーン・フィル楽団員となれば、地元では尊敬される存在です。 生活苦とは無縁でしょう。
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人の表情は、その人の普段の生活状態が反映すると思います (私の独断・偏見です)。 満ち足りた生活をしていれば、自然と笑みが浮かんできますし、逆に そうでない生活をしていれば、笑みどころか眉の端が下がって八の字のような眉になり、厳しめの表情になるのではないでしょうか。
“良心の呵責に耐えている” 表情も八の字眉になります。 昔 都内ホテルで開催された新発債権の説明会でも受付男性がそうでした。 その債権説明会では 10% 利回りを説明するのですが、あまりに高利回りで信じられません。 翌月 その会社は倒産。 受付男性は分かっていたんです __ この説明会は嘘を説明して金を集めようとしていると。
また 学生時代 同級生のアパートに夕方 遊びに行って話し込んでいたら、洗面器を抱えた 風呂帰りの “顔を赤く上気させた” 女子学生がノックして入ってきました。 同級生が彼女と私を互いに紹介するのですが、その女子学生はまともに私の顔をみようとしません。 仏頂面で どちらかというと、”恋路を邪魔しないでくれ” という私の存在を疎ましく思う表情に見え、早々に立ち去りました。 そんな格好で男子学生のアパートに来る女子学生は、それなりの関係に決まっています。 浴室のないアパート・スマホのなかった時代の話しです。
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最後にオマケ画像です。 地元オーストリアのソプラノ歌手 エヴァ・リントの二十歳頃のデビュー CD (1986) から『春の声』が2019年に投稿されています (https://www.youtube.com/watch?v=4gojqVRc2L8)。 四半世紀前に華々しくデビューし、活躍が期待されていた歌手です。 大柄な女性で 170cm はありそうです。
また 森麻季の『春の声』映像 (短縮版 2018/06/25 https://www.youtube.com/watch?v=xcBa8sEMwkM) を視聴していると、どうしても “強調されたような” 胸の谷間に眼がいってしまうのはなぜなのでしょうか。
今日はここまでです。