シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

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新会社設立を後押しする理由は …

2023年01月13日 | テクノロジふ~ん
左は SEMICON Japan 2022のオープニングセレモニー (12月14日) に登壇した内閣総理大臣の岸田文雄氏。 右は日米経済政策協議委員会(経済版「2+2」 ※2から)
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11月に設立された 新会社「ラピダス」は、(私の推理ですが) 当局からの要請で設立されたのではないでしょうか? ソトミは一応民間会社ですが、中身は „国プロ“ かも?

というのも 設立3ヶ月前の報道でも、日米政府が画策して 次世代の半導体の共同開発、量産を目指すとされているからです。 7月30日付け日経報道では 次世代の半導体 … としか書かれてないのに、中国報道※2では はっきり 2nm と書いてあります。
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『岸田首相、ラピダス社 „20年代後半に次世代半導体量産“』(12月14日 日本経済新聞 ※1) __ 岸田文雄首相は「セミコン・ジャパン」の開会式に出席し、政府が 700億円の補助金を出すラピダス社と米 IBM の提携に関し、「次世代半導体の2020年代後半の量産実現を目指す」と述べた。

『日米が半導体で協力、2nm チップ開発へ』(8月1日 Record China ※2) __ 7月29日に開かれた日米両政府による外務・経済担当閣僚会合 (経済版2プラス2) で、次世代の半導体研究分野で新たな共同開発機関を今年末までに日本に設置、2nm プロセスの半導体の研究を進めて25年に量産を開始する計画であると …
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遡って報道を読むと、5月下旬に 自民党の “半導体戦略推進議員連盟“ は、半導体の製造基盤の強化へ決議をまとめ、「10年で官民あわせて 10兆円規模の追加投資を行うべく本年度補正予算をはじめ機動的に支援を拡充していくべきだ」と強調した、とあります (5月24日 日経 ※3)。

さらに遡ると 2021年3月から2022年4月にかけて5回ほど開催された、国策として半導体産業の復活に向けての政策を話し合う「半導体・デジタル産業戦略検討会議」で座長を務めたのが、新会社ラピダスの会長 東哲郎氏 (東京エレクトロン元会長) です。

4月に終わった「検討会議」での提言が、5月の “議員連盟“ の決議に反映したと見るのが自然です (と 私は推理します。 議員さんたちが半導体に詳しいとは思えませんから)。

そうした流れに乗って 岸田首相の「セミコン・ジャパン」(製造装置展示会) の開会式に “サプライズ登場“ と繋がったのでしょう。 首相が開会式に登場したのは初めてです。
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一方の米国では、2022年2月 520億米ドル (約 6兆円) 規模の半導体支援を含む競争法案が下院で可決されました。 また欧州連合 (EU) は、半導体の研究開発投資に官民で 430億ユーロ (約 5.7兆円) を支援し、半導体の安定供給の実現を目指そうとしています。

「バイデン米大統領は12月6日、米西部アリゾナ州フェニックスを訪れ、台湾積体電路製造 (TSMC) が建設中の半導体工場で開かれた式典に出席した。 TSMC は建設中の工場近くで、2つ目の工場の建設を始めていることを明らかにした。 総投資額は 400億ドル (約 5兆4900億円) で従来計画の3倍強になる」(12月8日 JB Press ※4)


左は TSMC の工場を訪問したバイデン米大統領 (※4から)。 右は同じ式典に登場した AMD・NVIDIA・Apple の CEO と、右端は TSMC 創始者の Morris Chang。
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一方 韓国サムスン電子も、「今後 1,676億ドル (約 23兆円) を投資して米テキサス州テーラー市にファウンドリー工場を建設する計画だ。 11月からテーラー市に作っている 170億ドル規模のファウンドリー工場とは別に新規投資を増やす。 7月にはテキサス州に今後20年間に総額 1,921億ドルを投じて11の工場を設立するという計画を提出」(12月14日 中央日報 ※5) と、投資拡大の方針を明らかにしています。

なぜ 半導体大国の米国が、次世代半導体で日米共同開発・量産を目指し (1)、台湾・韓国の半導体メーカーに米国内での工場建設を促すか (2) というと、下記の事情があるのです。

過去数十年も最先端半導体を製造していた 米国を代表するインテル社が、ここ数年 最先端半導体製造で目立った進展がなく、台湾・韓国に遅れを取るようになってきている。 台湾有事・韓国有事の事態になったら、米国は最先端半導体を調達できなくなる恐れがあり、それを避けるために 幾つかの選択肢を検討した結果、1) と 2) に至ったと推理します。

最先端半導体を調達できなくなると、その影響はスマホや PC・サーバーのみならず、先端軍事兵器の生産にまで及びます。 軍事的優位性を保つために それは何としても避けたい、というのが米国の国策から見る本音でしょう。
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将来 起こり得る悪い事態を想定すると __ 下手をすると、新会社ラピダスの 2nm プロセスの半導体の開発が上手く行ったとしても、量産にすんなりと引き継げるかどうかは未知数 (=賭け) であり、(日本で) 量産できなければ 開発の成果はインテルに持ってきて、インテルの米国工場で製造すれば良い。 それもダメなら 台湾・韓国メーカーの米国工場で製造させれば良い、という何重もの達成シナリオが (国務省筋で?) 描かれてるのかも知れません。

そこまでやるか?と考えると、私は “やる“ と思います。 膨れ上がる中国の脅威を断ち切り、米中貿易摩擦で中国を最先端技術から締め出すためには、それぐらいの “大 戦 略“ が必要でしょう (ど素人の想像ですが)。

日本勢としても それが解っていたとしても、米国の大戦略に乗る以外 日本の半導体復活の選択肢はないでしょう。 なぜなら 日本には半導体産業の “大戦略があった・ある“ とは思えないからです。

この先を書き出すとキリがないので、この辺りで …

今日はここまでです。

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