
球速 120km/h、距離 17m と仮定した数値 (野球科学 http://healthlab-sports.com/archives/1165 から) に加筆訂正。
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連日 ホームランをかっ飛ばす 大リーグの大谷翔平選手。 見ていてスッキリ 唖然としますね。 けれど __
彼が投手の投げた球を楽々と打ってホームランを量産しているように見えますが、果たして どの位の時間内に球筋を見極めてバットを振り、打てるのか考えてみました。 本当は そんなに簡単に打てるとは思えないからです。 最速 150~160km/h で投手は球を投げてきますから。
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野球科学から __ 投手は 120km/h ストレート、打者のスイング時間は 0.17秒、投手のリリースポイントからホームベースの距離 17m と仮定します。 ※ピッチャープレートとホームベースの距離は 18.44 m ですが、投手のリリースポイントは 1.44m (もちろん選手により異なります) ほど手前になると仮定して距離 17m として計算。
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例えば 18.44m ÷ 150km/h という簡単な割り算の結果は、0.1229h/k という値です。 しかし この球速は1時間当りの数値ですから、秒単位に変換しなくてはなりません。
つまり 18.44m ÷ 150km/h = 0.122933 h/k ですが (10のマイナス3乗は一旦無視します)、1時間 (h) =3600秒 (sec) をこれに掛けて 18.44m ÷ 150km/h × 3600 sec= 0.44256秒 となるのです。
ピッチャー~キャッチャー間の距離が 18.44m ですが、打者はさらにその1メートルは前に立っていますから、実質的には 17.44 ÷ 150 × 3600 = 0.41856 sec となりますから殆ど 0.4秒で球筋を見極めてバットを振り抜いています。
冒頭イラスト例では 球速 120km/h ミートまでの合計 0.51秒として計算しています __ 0.1秒で球を認識・続く 0.24秒で判断反応・0.17秒で振る となっていますが、150km/h でも そんなに変わらない数値と推理します。
よほど眼が良くて、さらにほぼ瞬時にどこにバットを持っていくかを判断し、振り抜く運動能力が無ければ、打てません。
私は野球にはシロウト同然で、20代の頃 バッティング・センターで遊んだ事がありますが、球速を 100km/h にセットしてピッチング・マシンから投げさせたら、あっという間に飛んできて、バットを振っても全くかすりもしませんでした。 80km/h でも物凄く速くて、当てるのがやっとでした。
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さらに 大谷選手の体重です。 100kg はあるでしょう。 かたやボールは 150g 以下で 1500分の1です。 運動エネルギーは 1/2 X 質量 X 速度の二乗ですから、公式では

で表します。 m が質量、v が速度です。
軽とダンプカーが正面衝突したら、軽がどんなに速くても弾き返されるでしょう (実際はペチャンコに潰れますが)。 野球の場合 軽が球で、ダンプが大谷です。 バットの端までの長さが 1m として 0.17秒で半回転して、速度が …
いや もう どんなに計算しても K (球) よりも体重の乗った K (大谷のバット) の運動エネルギーが大きすぎて、球が逆方向に弾き返されるはずです。 軽量級のイチローがホームランを量産しなかった理由は体重にもあると想像しますね。
今日はここまでです。