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オバマ大統領の指示で、イラン核施設へサイバー攻撃。ウラン濃縮に使われる遠心分離機を一時、使用不能に

2012-09-27 21:27:25 | 未分類

オバマ大統領の指示で、イラン核施設へサイバー攻撃。ウラン濃縮に使われる遠心分離機を一時、使用不能に

WiLL-2012年8月号 
G・ボグダンの 世界の常識を疑え
 もう一つの「オリンピック」     より一部紹介

 今年はオリンピックイヤー。世界中のメディアがロンドン五輪について
報じているなか、もう一つのオリンピックも注目されている。
それはオバマ大統領が指示したイランへのサイバー攻撃、
コードネーム「オリンピックゲームス」だ。

 NYタイムズ紙の取材によると、アメリカ発信のサイバー攻撃は
ブッシュ時代からはじまった。ブッシュはイランの核濃縮を軍事的に
止めることができなかった。唯一、可能だったのがサイバー攻撃で、
それによって進行を遅らせることであった。オバマはそれを
さらに拡大した。

 イスラエルとアメリカの技術者は、イランの中部にある
ナタンズの核施設をコンピュータウィルスで攻撃。
ウラン濃縮に使われる遠心分離機の五分の一を一時、使用不能に追い込んだ。
核施設自体はネットに繋がっていないため、イスラエルのスパイが、
ウィルスソフトをメモリースティックを使って施設内のコンピュータに
アップロードしたのだ。以後三年間、施設で働いている技術者は
機械をまったく信頼できなくなった。サイバー攻撃は大きな成功を
収めたのである。

 このサイバー攻撃が明らかになったのは、偶然だった。自分のPCを
施設のネットワークに繋いでいたエンジニアが、PCを家に持ち帰って
インターネットに繋いだため、ウィルスが全世界に広がってしまったのだ。
アンチウィルスソフトを開発するロシアの会社がウィルスに気づいて、
発表した。

 (略)

 ところで、専門家によると、サイバー攻撃のほとんどは中国から
発信されているという。今回のようにアメリカが発信したケースは
珍しい。むしろ、仮にサイバー戦争がはじまったら、ミサイル攻撃から
食材の管理まで、すべてオンラインで行っているほどネットへの依存度が
高いアメリカ軍がもっとも被害を受けるだろう。

 このままサイバー攻撃がエスカレートすると、新たな冷戦を生む可能性がある。
冷戦時代、「核抑止」が米ソ間の平和を守ったが、現在はサイバー攻撃が
核の代わりとなるのだ。アメリカが北朝鮮の核施設を攻撃しなかったのは、
北朝鮮と同盟を組んでいる中国の反撃を恐れたからだ。
 
 アメリカのサイバー攻撃は、危険な扉を大きく開いた。

(紹介終わり)