中小企業のES=人間性尊重経営のパイオニア/有限会社人事・労務 ES組織開発・人事制度改革ブログ

社員の幸せ、職場の幸せを基準に経営を、社風を変えたいと本気で思っている社長さん・人事担当者の方へのエールをあなたへ!

福沢諭吉から学ぶティール組織

2019-02-24 18:43:59 | 組織開発・社風改革
「天は人の上に人をつくらず、人の下に人をつくらず」

福沢諭吉の言葉です。
ティール、自律分散型組織そのものの哲学ですよね。



高校、大学と全く関心がなかった福沢諭吉。
日本のお札の最高紙幣がなぜ福沢諭吉なんだと。

すみません。福沢諭吉先生。

私の浅学が原因でした。

ということで福沢諭吉の哲学を勉強。

福沢諭吉は、儒教的な精神を徹底的に排除しようとかなり過激な主張を「西洋事情」、「学問のすすめ」「文明論の概略」でしていますね。

これはどういうことなのでしょうか?
渋沢栄一の論語と算盤や二宮尊徳の教えなど私自身学んでいるだけに福沢諭吉の哲学はどのような点から儒教批判をしているのか気になります。

儒教自体を福沢諭吉はしっかりと勉強していたからこそのその良い面と悪い面の両方をよく知ったうえで、儒教のこの時代での悪い点を指摘しています。

それは、儒教のもつ封建制です。

そして、当時の日本の外圧に対して明治になってもこの古臭い文化のままではやがて西洋に日本は支配されてしまうぞと福沢諭吉は、やるわけです。

軍艦や大砲、近代的な建造物などその事物にたいしてただやみくもに西洋文明をとりいれ関心をもつのでなくそれらを生み出した文化にこそ福沢諭吉は関心を持てというのです。

文明に導く精神を育むという点で当時の儒教の社会秩序に対する社会のなかに位階があるごとくそれを遵守するとう倫理に対しての批判でした。



すごい!
これは、まさにイノベーションを目指す企業に置き換えるとおなじことが言えそうですね。
なぜあの企業は、イノベーティブな商品が生まれるんだ、なんとかしろ!
同じものをつくれ!というのでなく、そのような商品が生まれるその企業の文化を学べというわけです。

当時の日本は高い識字率をもってました。しかしそれにもかかわらず、西洋諸国のような軍艦や大砲などをつくるようなその学問を社会にむかって主体的に生きた学問として日本はなっていないというのです。

もっと日常の生活のなかで生きた学問、そして、農民は農民、商人は商人というような固定観念はすでに身分制度は廃止したにも関わらずいまだに、封建制度を色濃く遺したままではいかん!とやるわけですね。


まさに実学の考え。プラグマティズムの思想こそいま、イノベーティブな自律分散型組織を目指す企業はこの明治の福沢諭吉の精神を学ぶべきなのではないかと思うのです。

引き続き学んでいきます。

共感経済における新しい組織のありかた

2019-02-14 09:47:10 | 組織開発・社風改革
今日は、いつもお世話になっている会社さんの組織開発研修。
そして、その後は、目標管理の社員研修でした。



組織開発のテーマは、共感経済における新しい組織の在り方です。

まず、日本の経済と幸福度の関係を解説させていただきましたが
経済成長に伴い本来であれば幸福度が高まっていくと思いきや
経済規模は1950年代と現代では、6倍にも成長しているのに
幸福度はほぼ変わらないという数値が出ていること。
そこには、経済的価値のみでは人は幸福にはならないということを
示しています。
昨今話題になっているティール組織、そして自律分散型組織というものは
まさに背景にこのマーケティングの分野に共感という大きな変化がその背景にあるといえます。



マーケティングは、いままでのソリューションマーケティングから、
共感マーケティングへと変化が起きています。

QBハウスは社長自身が、もっと簡素化し、スピーディーに散髪が出来る
床屋があればということで自分自身がお客さんとして新しいビジネスモデルを
作ったし、徳武産業という会社は、片方の靴を販売する靴屋さんとして
高齢者の足が不自由で足のサイズが左右で違う方に寄り添うなかで
新たなニーズを形にしたりと、自分ないしある特定の個人に寄り添い共感する中で
ビジネスを起こしてきた事例です。

これからの経済は、以前のような顧客が欲しいものを提供するビジネスモデルから、
顧客の課題を解決するビジネスモデルそして、顧客すら気が付かない潜在的な
ニーズをくみ取り、顧客と一緒になって商品やサービスを創り、育てていくそんな
共感という新たなマーケティングへの時代へと変化しているそんな背景の説明を
させていただきました。

では、このような環境の中組織はどのように変化してきているのでしょうか?
図1、図2に旧来型の組織と、新たな自律分散型組織の変化、違いをまとめてみました。

図1
(図をクリックすると拡大します。)




図2



高度成長期の組織は、社内の緊密な連携によるトップダウン型組織。
より大量に、より早く商品やサービスを顧客に届けるために明確なゴールに向かって
トップの号令のもとひたすらに前進していく組織でした。しかし、バブルあとは、
顧客の現在化されたニーズに合わせて力量のある個人が顧客の課題に合わせて
解決できる個人の力量を重視した組織へと変化していきました。
そこには、成果、問題解決型の組織が力を発揮しました。

しかし、現在は、顧客すら何が欲しいかが分からない時代。
顧客に寄り添い現場の様々実践知を通して見えてきた
課題を共有しそこからの創発を形にするという
共感を柱とした現場主導の組織へと大きく
変化をしてきているのです。

今回の組織開発研修では、お世話になっている会社さんがさらに
現場主導で顧客へ寄り添い、お客さんだけでなく自分も喜ぶ
そんな組織になっていく為にはどうすれなよいのか?

共感を高めるためにはリーダーとしてどのような環境をメンバー達に
つくっていけばよいのか?また、共感から具体的に行動に移すためには
社員一人一人がどう成長していけばよいのかを、自己肯定感そして、
大人の成長、成人発達理論についての解説をさせていただきました。



さすが、地域NO1の介護事業所の会社さんです。
自己肯定感の高さからなのか、自分のことだけでなくチームや地域に
寄り添い新たな課題を設定する力はさすがです。
また、この会社さんの凄いところは、会社の業績の目標だけでなく、社員一人一人の成長、
個人の意識の変容に業績は基づくということで社員の行動変容目標を会社の
クレドから目標に立てさせているのです。

次回の組織開発研修も楽しみです。

入管法改正と外国人の現場労災回避の考察~仕事中の注意事項、緊急時の対応を外国人に伝えるには?“やさしい日本語”に隠された意味~

2019-02-12 16:43:45 | ダイバーシティ
以前シンガポールに行ったときのこと、多文化で多言語社会のシンガポールでは、外国人の労災が増加していると聞きました。そこには、言葉の違いによる危険を周りが伝えようとしても、伝わらなかったために労災が起きてしまうという現状があります。今後、入管法の改正により、日本でも新たな在留資格の下で現場で働く外国人が増えると予想されます。今回は私が活動している市の多文化共生サポーター体験からの事例をご紹介します。

多文化共生サポーターの活動としては、多文化料理教室サポート、異なる背景を持つ子供たちのスポーツ活動支援、研修会などいろんな募集が届きます。サポーターは皆それぞれに専門分野がある方が多く、とても刺激的。



今回のテーマは「外国人と一緒に考える防災」

何だか硬いテ―マな気がしましたが、その内容は外国人と働く際にも活用できる内容です。私も実際に技能実習生の支援として企業に通訳に行ったり、資料を翻訳したりということがあるのですが、災害時や緊急時、仕事の中で日々意識して注意すべき事項の徹底は、すぐに周りに通訳者がいるとも限らないので、いつも一緒に働いている日本人の従業員の方の対応がとても重要になってきます。
AEDは救急隊員が来るのを待って行うよりも、近くにいる一般市民が行った方が1か月後の社会復帰率は倍以上になるのと同じです。遠くの通訳者より、近くの日本人です。

私が住む市でも外国人の定住化傾向が高まっており、4月から始まる特定技能の制度によって、また徐々に増えていく可能性もあり、市でも今から対応を考えているようです。

その中でも重要になってくるのが「情報の伝達」です。
ここでポイントになるのは、「情報を伝える(送り手中心)」から「情報が伝わったか(受け手中心)」の考え方です。さらに付け加えるとすると、その情報は相手を尊重できているか、尊重しようという姿勢が伝わっているかどうかです。

例えば、「消灯は、午後9時とし、居住スペースの証明は落とします。消灯時間後は、居住スペースでの会話や携帯電話の利用を控えてください。」(避難所マニュアル、ルール例より)

これらを外国人に一斉に図やポスターとして伝えるとき、皆さんならどうしますか?
模造紙に書いてみてくださいというグループワーク。



私のグループにはモンゴル人とブラジル人がいましたが、まず、「どうして緊急時で避難してきているのに携帯電話の使用を控えないとダメなのか、控えるってどういう意味か、
使ってはいけないという意味なのか、曖昧だ。」「消灯時間が9時って早すぎないか。母国と電話しようと思ったら、時差もあるし」などなど、課題を進める前から、その前提が変なのではないかという問いかけがたくさんありました。

結局、“控える”というのはつまり、消灯時間後は「静かにしましょう」という意味だとざくっと解釈し、そういうユニバーサルデザインを利用することにしました。時間を表記するのにもコツがあって、海外では22時、21時等の24時間表記は使わない国が多いので、
そういう表記はやめておこう話し合ったり、他のグループでは「衛生部」をわかりやすく伝えるために赤十字マークを書きましたが、イスラム圏ではキリスト教がイメージされるので、他のマーク(月モチーフ)がユニバ―サルデザインとして採用されていたりと、いろいろな話へとつながりました。

これらの表記には正解はありません。イラストを使うことが良いとも限りません。
しかし、例えば十字のマークと月のマークが併記されていれば、どちらの文化も尊重しているという気持ちが伝わるのではないでしょうか。余談ですが、赤十字という日本語の呼び方もアメリカ(西欧)文化を反映しているのかもしれません。イスラム圏ではRed Cross(赤十字)ではなく、Red Crescent(赤三日月)と呼ばれています。



上記は1つの例に過ぎませんが、多文化の中で物事を伝えるときに、どう言えば伝わるのか、受け入れてもらえるのか、もらえない場合は、その中でどううまく一緒に時間や空間を共有していくのか、尊重できるのかを皆で考えていく過程が大切です。「やさしい日本語」は「易しい」という表現の簡潔さを言っているのではなく、「優しさ」(尊重)のやさしいを意味しているのです。“優しさ”の過程の中で様々な気づきがあり、発見があり、アイデアが出て、社内コミュニケ―ションの活性化⇒共感力アップ⇒幸福感アップ⇒新しいサービスや業務の効率化等へ繋がっていきます。

例えば、最初のシンガポールの例のように、建設現場で言葉が通じず、意思疎通ができていなければ、日本人の現場所長が「落下注意」という危険性を伝えても伝わらず、労災が起こってしまうことがあります。日本でも多くの技能実習生が建設現場や製造業の現場でケガをし、時には命を落とす方もいます。日ごろから上記のようなグループワークで、外国人従業員も一緒にコミュニケーションも兼ねた時間を共有し、建設現場での危険シグナルをどう表現するかを話し合っていれば、外国人本人にも意識が芽生え、事故の未然防止に繋がるかもしれません。

ちょっとしたことでも、どう伝えるか、伝わるかを少し立ち止まって皆で考える時間をつくってみませんか。

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フェイスペインティングと職場の社会性 ~ペルソナへの気付き~

2019-02-12 11:35:59 | 組織開発・社風改革
弊社のあるイベントの為に今日はフェイスペインティング大会!



なるほど、パンダに般若にカッパ(笑)

自分は虎!どうですか似合いますか?

皆自分らしい、デザインを選ぶものだなあと。



しかし、中には真面目な○○君がピエロ?
そうか彼の本来の人格なんだなあと。

ユングは、元来、人間は多重人格であり、日常で様々な仮面をかぶりながら、バランスを保っているという。ここでは虎の顔でも家庭に帰るとパンダの顔にとその人の社会性に応じたペルソナをかぶるわけでありそれで人格のバランスが保たれているというわけだ。
忙しくて毎日が会社仕様の例えばライオンのペルソナを家庭でもなかなか外すことが出来ないとしたらその人はひどくライオンでいることに疲れるというわけだ。たまにはその人の為にも今日は一日ピエロでいこう!というのも悪くないなあ。人間の多重人格性と変身願望。

カッパの顔の畑中さんにはあまりにも愉快で文句を言う気もなくなる(笑)



ユングから教えてもらったことを今回は気付かさせていただいた。

同一労働同一賃金で何が起こるか

2019-02-07 10:01:55 | 人事制度
昨年くらいから、「アルバイトの人事制度を整備したい」「契約社員の賃金制度を見直したい」といった、いわいる非正規社員の人事制度の見直しの相談をいただくことが急に多くなりました。



お話を聞くと、経営者がそのような必要性を感じたている理由が2つあります。

一つ目は、正社員も含めて採用が思うようにできず、短時間の採用などもふくめて
くるまでになり雇用形態を拡大せざる得ない状況になっているということ。

二つ目は、2020年にせまってきている、「同一労働同一賃金」の法改正に対応するため、
ということです。
よく、今は働き方の転換点にきていると言われますが、私もまさにそのような
時期にきていると思います。
この2つの答えは明確で、これからは「多様で自律的な働き方ができる職場」が選ばれる時代であり、硬直的な職場は変化に対応できなくなっていくということだと思います。

これは、制度だけの問題でなく、経営者やそこで働く社員、そして職場風土全体の問題になってくるので、言葉で言うほど簡単ではありません。

実際、平成30年12月28日にでた「厚生労働省告示第430 号」の中でも、「労働者がどのような雇用形態及び就業形態を選択しても納得できる待遇を受けられ、多様な働き方を自由に選択できるようにし、我が国から「非正規」という言葉を一掃することを目指す」と
明言されています。
20年近く、人事制度にかかわってきた私にとって、「正社員」と「非正規」という枠組みをなくしてしまって、人事制度に取り組むことは、そうとう根本的な意識を変えないといけないことだと考えています。

よく、同一労働同一賃金は、どうしたら「違反」になるのですか?と聞かれるのですが、この法律は、民事的効力を有する法律であり、違反すれば、不法行為として損害賠償あるいは(差額などの)賃金の支払いを求められるものです。
違反かどうかは、労働基準監督署などが決定するのではなく、労働者からの訴えによって裁判で決定されます。

つまり、ケースバイケースに「差別的扱いはないか」ということを判断されるのであり合理的に説明できる制度か、それ以上に当事者同士で納得できているのかというのが重要になるのです。

さきほど、「多様で自律的な働き方ができる職場」が選ばれる時代になると述べましたが、そこで働く多様な人材が、それぞれ納得でき、安心できる制度づくりが必要であり、それ以上に、そのような働き方をお互いに認め合い、強力しあえる組織風土をつくっていくことが大切なのです。

典型的な例でいえば、シフト勤務の職場では育児のための短時間勤務をする社員が夜や休日のシフトに入れないことに対して不満がでることがあります。

このようなケースは、人事部により、賃金や手当に差をつけるしくみをつくることも必要かもしれませんが、それ以上にお互いにコミュニケーションをとり、補い合えるやり方をチームで探していくことができれば、生産性が高く働きやすい職場となることでしょう。

多様な働き方がより進んでいくこれからの時代、規定や制度でできることはより補佐的なものとなり、組織風土をどのようにつくっていくか、ということがより重要になっていくことでしょう。

非正規社員の人事制度の見直しやお困りごとは▼
http://social-kitei.com/