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中小企業のES=人間性尊重経営のパイオニア/有限会社人事・労務 ES組織開発・人事制度改革ブログ

社員の幸せ、職場の幸せを基準に経営を、社風を変えたいと本気で思っている社長さん・人事担当者の方へのエールをあなたへ!

蜃気楼大学の講義を聴いて

2025-02-17 14:47:15 | 教育
皆さん、こんにちは。
(有)人事・労務の白川です。

2/1(土)に、一般社団法人 参加型社会学会主催の蜃気楼大学が開催されました。
弊社顧問をお務めくださり、先月のラジオにもご出演いただいた田原真人さんとのご縁で、弊社の金野が登壇。「コミュニティ経営の視点で考える 個も職場も健やかな組織づくりとは」というテーマで、お話させていただきました。


今年で3年目を迎えるこの蜃気楼大学は、「時代の先見性を体現している人」「地域やテーマにこだわって未来を探っている人」を講師として学ぶ参加型の講義フェス・講義フリマ。
一人の人間と一人の人間がつながり、交流しながら、全体を形造るーそんな参加型社会が出現する未来のイメージを、参加者一人ひとりの活動によって蜃気楼のように浮かび上がらせることを目指し、開催されているそうです。
多種多様な講義フェスが複数の教室で同時開催され、会場参加者・オンライン参加者共に、興味のある講義を選択し、参加することができます。



今回私も、金野の講義の他、複数の講義をオンラインで視聴させていただきました。

一つは、「「シェア型書店」から考える、本・ひと・まち・ビジネスの未来」の講義。
近年急速な増加の一途をたどる、複数人が「棚主」としてお店の書棚を借りて本を販売する、共同運営型の書店「シェア型書店」。
既存の書店が減少する一方で、シェア型書店はどんな可能性を持っているのか?最新の調査と事例を基に、シェア型書店について紐解くというものでした。

現在では、全国に100店舗以上あるシェア型書店ですが、運営形態は多岐にわたると言います。
「棚主になることで、「売上」以外にどのような価値を見出せるか?」
「自分の生活、仕事全体の中で、どのように位置づけるか?」
講師の鈴木悠平さんの言葉が印象的でした。

もちろん持続的な運営のため、売上は大切ですが、それ以外の何に価値を置くかという可能性の振れ幅がとても大きいのが、既存の書店との違いなのではないかと思いました。

また、シェア型書店の提供価値として、「偶発的な出会いや気づきがあること、そこには棚主の個性や偏愛が平準化されずに存在する」とおっしゃっていました。
統一化されず個別性があることで、訪れた人・見る側にとってより惹かれるものになりうるということ、個々の出会いという点で、まさに“一人の人間と一人の人間がつながる”という参加型社会が目指すものとの重なりを感じました。

書籍を媒介として多様な人々が入り混じり、書店を基点としたコミュニティが創造されていく、可能性に満ちたものであると思います。

もう一つは、「学校教育イノベーション!星の杜中学校・高等学校の挑戦」の講義。
栃木県宇都宮市の郊外に位置する星の杜中学校・高等学校。元々はカトリック系の女学院でしたが、人口減少・入学者の減少による経営危機を迎え、大きな学校改革を打ち出します。現在の学校教育を再定義すべく、先駆的なチャレンジを行なってきた実践の様子が紹介されました。

現代社会において幸せや豊かさといった価値観が変化する中、学校教育の常識を再定義することを目指す星の杜では、「チェンジメーカー」の育成をスクールミッションとしています。
「チェンジメーカー」とは、身近な気づきや違和感を、見て見ぬふりをせず、仲間を集めて解決するために行動できる人のことだそうです。

特徴的なのは、校則・定期テスト・制服がないこと。
基本(生徒全員が前を向いて受ける一斉授業ではなく)グループで授業を受けること。
規則や“こうあるべき”という固定概念がまだ多く見受けられる教育現場において、真の教育とは何か、を考えさせられます。

ここまでの過程の中で、「子どもたちの「やりたい」に、「やってみる?」と言えるようになってきた先生方のマインド改革があり、先生自身が学びながらやっている」というお話も印象的でした。
改革を目前に、先生方にこそ戸惑いや不安があったであろうと予想できますが、生徒たちのために、自らも学び、変化していく大人の姿勢はとても大切だと感じます。また、生徒たちへも、良き影響をもたらすのではないかと思いました。

教育は社会のリアルを示し、両者は密接に繋がっているからこそ、日本の教育のあり方を真剣に考えなければならない。そんなメッセージを受け止めながら、この流れが、他の学校や教育現場へ伝播していくことで、希望ある未来が切り拓かれたらと感じます。

今回、一部ではありながら講義を聴き、バラエティに富んだ分野で、日々探究している方々がいることを改めて実感しました。
大人になると減ってしまうことが多い中、貴重な学びの機会となりました。



中学生が職場体験に来てくれました!

2023-12-19 22:21:30 | 教育
皆さん、こんにちは!
(有)人事・労務の白川です。

先日、白鷗中学校2年生3名が、弊社の職場体験に来てくれました。
毎年この時期に受け入れをさせて頂いていますが、学生たちの姿から学びを頂くとともに、改めて弊社の働き方や、多様な"つながり"を振り返る機会を頂いています。

今回は、12月始めに弊社のコミュニティカフェ・田心カフェとして出店した「江戸まち食通マーケット」での表現物の作成をゴールとして、実習を行いました。
ただ作成するのではなく、弊社メンバーや地域の方へのインタビュー、フィールドワークを通して、地域に暮らす方々や地域を舞台にハタラク大人たちに触れながら、その集大成として1つカタチにするということで3日間を過ごして頂きました。

初日は田心カフェに出向き、カフェに立つメンバーから出店への想いを聴いた後、実際に販売するみかんやリンゴジュースを試食・試飲。
「生産者と売り手の2つのこだわりが感じられた」という感想もありましたが、表現する上で、まずは自分たちが見て、味わって、体感すること。
その大切さが伝わっていたら嬉しいなと思います。
また、偶然常連のお客さまがいらっしゃり、“なぜカフェに来てくれるのか?”“ご自身にとってのカフェの存在”について、お話頂くことができました。
お客さまの生の声を聴きながら、カフェの存在意義を感じることができ、私たちにとっても有難く嬉しい機会を頂きました。

2日目はカフェの大家さんに、インタビュー。
このまちのことや、ご自身の背景について語って頂き、意外なお話も飛び出しながら、皆刺激を受けたようでした。
その後、フィールドワークと称して、出店会場の上野駅や上野桜木の八百屋「OKATTE」さんに足を運びました。
八百屋の店主さんが熱意溢れる方で、お野菜の魅力や知識、お客さんとのコミュニケーションについて、丁寧にお話頂きました。

そんな2日間を経て、表現物の作成・今回の出店の目玉である、りんごとみかんのポスター作りに取り掛かりました。

作成にあたり、903シティファーム推進協議会大学生メンバーとオンラインでつなぎ、アドバイスをもらいました。
自ら旗を上げてパンを開発、田心カフェの共同オーナーとして共に活動するメンバーです。
歳の近い存在がいきいきとハタラク姿に刺激を受けたのか、その後、皆の心持ちや表情がぐっと変わったように感じました。

完成後、弊社メンバーの前で発表会。
「どうしたらお客さんに伝わるか・わかりやすいか、配置が難しかった」
「色々な話を聴いた中で、取り入れるものと取り入れないものを選択する難しさがあった」
それぞれに大変さを感じながらも、作品を前に、皆堂々と話してくれました。

中学生の皆が作成してくれたポスターは、ブラッシュアップをして、実際の出店で使わせて頂きました!
4日間店頭に掲げられ、彩りを添えてくれました。

体験期間のうちほとんどは、903やカフェにまつわることをやって頂くという、一見コンサル会社や社労士事務所の仕事とはかけ離れているように感じられます。
中学生の皆も、始めはそのような思いを持ったかもしれません。

しかし、私たちの掲げる「未来のはたらくワクワクをコンサルティングする」を実現するためには、はたらく人やその集合体である会社や組織と真摯に向き合っていくこと、様々な働き方を知っていることが大切です。
このように“はたらく”を探求していく中で、私たちの今のあり方や、多様で多層的な実践があるのです。
「信頼関係という言葉が心に残った」
「つながりを大切にしているからこそ~(中略)~信頼関係が生まれ、良い関係を築くことができている」
「思っていた職場体験とは違ったけれど、はたらくことに少し近づけた」
中学生から、そんな言葉を頂きました。
この実習を経て、少しでもこの先の自分のはたらく姿を想像したり、はたらくことの可能性を広げることができていたら良いなと思います。
いつまでもワクワクを忘れずに、はたらくことを楽しむ大人になってくれたらと願います。

「大きくなったらまた遊びにおいで!」そんな想いと共に実習を終えました。




文部科学省「青少年の体験活動推進企業表彰」で、文部科学大臣賞を受賞!

2023-02-27 11:13:45 | 教育

この度、秋葉神社さんご協力のもと行ってきた「よみがえれ!浅草田圃プロジェクト」が、文部科学省「令和4年度 青少年の体験活動推進企業表彰」において、文部科学大臣賞を受賞いたしました!

これまでの取り組みを広く社会に伝える機会をいただき、そしてこのような大変光栄な賞をいただけたこと、嬉しく思います。

 

「よみがえれ!浅草田圃プロジェクト」の活動は、現在農地0%の台東区に、かつて存在していた田園風景をよみがえらせたい、台東区を再び自然豊かなまちにしたいという想いからスタートしました。

農ははたらくの原点である。

私たちは、弊社が掲げる「日本の未来のはたらくを考える」、一人ひとりの人間性が尊重され、いきいきとはたらける職場づくりを探求する中で、暮らしの中で行われてきた"農"というものに、はたらくの本質があると実感をもつようになりました。

農と食を通じて、人と人、人と自然、自然と自然とのつながりを結び直し、それらの関係性を体感する中で、共に生きる感覚を育む。

結び直された関係性から、自ずと個々の役割が生まれ、主体的なはたらくへとつながっていく。

そんなプロセスを通して、子どもたちの主体的なはたらきを生み出したいと、地域の中で実践を重ねてきました。

 

プレゼン発表でもご紹介させていただいた、「TJ(田心循環)指数」。

活動を通じて起こった、目に見えない関係性やつながりを表すものとして、私たちの活動の実績を独自の指標で表しています。

プレゼン後の審査委員の方との質疑応答。

  • 「働く豊かさ」をどう捉えているのか?
  • 「食べたもので体が作られる」というのを、子どもたちはどう考えているのか?
  • ご自身や地域の方たち、大人たちの主体性がどんな風に発揮されたのか?

改めて、私たちの活動の意義を捉え直す機会をいただきました。

そして、想いに賛同し、共に活動してきたメンバー、参加者であるご家族、活動を見守り応援してくださる地域の方々等、多くの方々のお力と、紡がれてきた豊かな関係性の中で今回の場があることを実感し、あたたかな、晴れやかな気持ちになりました。

最後の審査委員の講評―

●人的資本経営。大人たちも、青少年から学んでいる。活動に人間力が現れていることも、きわめて受賞の特色だ。

そして、活動を発信することで仲間が増え、仲間が増えれば、この難しい時代を乗り越えるイノベーションが起きる。

●2022年4月「子どもたちの体験活動推進元年」と発表があったが、コロナ禍で子どもたちが日常的に感動する場面が少なくなってきている、と言われている。

SDGs的に言えば「誰一人取り残さない」という目標達成に向けて、生きる力では足りず「生き抜く力」を授けたい。次世代の育成、質の高い教育が求められている。

そんな中で、地域に根差した活動・リアルにこだわった取り組み、下町・浅草でゼロから出発する!この勢いを高く評価いただいたとのこと。

「これが、中長期的に続くことを、一母親として願っている」と仰った、日本PTA全国協議会専務理事の比嘉さんの言葉もとても印象的でした。

「自分たち企業は、一人ひとりが、社会からいただくその道のプロとして、本物の事業・本物の活動を、真の価値として、生徒児童に・学生に伝えることができる」

今回審査員を務められた石井造園石井社長のお言葉を胸に、弊社としての企業価値を活かしながら、日々の事業活動に取り組んで参ります。

次世代を担う子どもたちのはたらく豊かさを育むべく、まずはこの台東区の地で、地域の中で、暮らしの中で、農と食を通じた場づくりを推進していきたいと思います。


教育の最適化〜最適化社会に繋がるよりよい教育のあり方とは?〜

2021-11-12 18:59:07 | 教育

皆さん、こんにちは。(有)人事・労務の白川と申します。

 

読書会第3回は、「教育の最適化」というテーマで、最適化社会における教育のあり方について、金野の講義から始まりました。

 

やりたいこと(夢)よりもやれること(現実)に生きる、現実主義の日本。

受験では行きたい学校ではなく、受かる学校を選択する、常に正解を求める教育主義により、レールの上を歩く人生を送るといった人も少なくありません。

一方で、ドリームハラスメントと呼ばれる夢を持つことを強要する言葉があるそうです。

確かに、小さい頃から「将来の夢は何か?」と度々聞かれた記憶があります。

私の妹は、「将来のことなんて決められない、わからない」と、夢を聞かれることに嫌悪感を抱いていたと言います。

また、既存の、みんなが知っている職業の中から選択しなければならないという暗黙の雰囲気にも違和感があったそうです。

将来の夢を聞くこと自体が悪いのではなく、子どもたちに社会や仕事について教えきれていないこと、固定観念により将来の選択肢の幅を狭めていることが問題なのではないかと思います。

対話の時間には、「自分が教育をするとしたらどんな教育をしたいか」というテーマで、体験というワードが共通項目として挙がりました。実践的に、自分の身をもって知るという経験を小さな頃から積んでおくことが重要なのではないかと思います。

教育は誰もが必ず通る道であり、また教育を行う側として、学校現場の先生だけではなく、子どもに関わる様々な大人が教育者になる可能性があります。

時には大人が子どもから教えられることもあるかもしれません。

そのように様々な教育の形がある中で、正解を教える・求める教育ではなく、幅広い選択肢を与え、多様な価値観を認めるような教育が行われていくことが大切なのではないかと思います。

絶対的な正しさがないこの世界で、自分自身や、自分たちのよいと思うものを見つけていくこと、それが最適化社会に繋がる、‛‛教育の最適化’’なのではないかと感じました。


思いやることは能力だ

2020-06-08 15:01:03 | 教育
最近読んだ本で、印象に残ったことを話そうと思います。
「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」  著者:ブレイディみかこ さん 新潮社
個人的にネタばれが嫌いなので、なるべく内容は書かないようにしますが、気になる方はご遠慮ください。



<シンパシーとエンパシーの違い>
シンパシー
1 誰かをかわいそうだと思う感情誰かの問題を理解して、気にかけていることを示すこと
2 ある考え、理念、組織などへの指示や同意を示す行為
3 同じような意見や関心をもっている人々の間の友情や理解

エンパシ―
他人の感情や経験などを理解する能力

つまりシンパシーは「感情」、エンパシ―は「能力」だということ。
著者によると、シンパシーは人間が抱く感情の事だから、自分で努力しなくとも自然と出来る。
だが、エンパシーは想像する力の事である。


この考え方、衝撃をうけました。そして深く同意しました。
能力は鍛えることが出来る。鍛えなければ衰える。能力を高めるためには、鍛えなければならない。
他人の感情や経験などを理解するというのは、自然と出来るわけではない。

物事には背景があります。理解することは同意することではない。次のステップに進むためには、理解することが必要。
一致した見解にたどり着くことが重要なのではなく、たとえ納得できなくとも、理解すること。
お互いの主義主張がぶつかることはよくあります。どちらが正しいと、結論を出すことが必ずしも正しいとは言えません。
正義の反対は誰かの正義、といいます。



結局自分が出来るのは、相手の事を理解する「能力」を「鍛える」ことのようです。
とりあえず、家の本棚を充実させて、子供に読書の習慣をつけさせたいと画策する今日この頃です。