これまでに ES目標面談の概要とその軸となるES組織開発の4つのステップについて紹介しました。企業にはそれぞれに課題や強みがあり、組織開発においても一つの型のようなものはありません。これまでにお話させていただいたように、まずは組織の状態を知ることから始まり、組織の状態に合わせてES組織開発のツールを活用しながら取組みを進めていきます。同じツールであっても組織によって効果は異なりますし、他社の成功事例をそのまま自社で取り入れてもうまくいくとは限りません。

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今回は、ES組織開発の4つのステップに基づいたES目標面談の企業事例を紹介します。弊社では、今回紹介する企業の他にもES目標面談の運用のお手伝いをさせている企業がありますが、実際に運用が上手くいっている企業の共通点は会社のトップの考え方にあるように思います。制度が形骸化すること無く、しっかりと生きた制度として機能している会社というのは、どの会社のトップも、ES目標面談を単なる人事制度の一部とは考えてはいません。それは、人事制度の為のツールという視点から、人間性尊重経営=ESを高めるためのツールという考えをもっているからです。評価制度や目標管理制度というのは、従業員にランク付けをして、会社やトップが決めた仕事を部下に落とし込み管理していくツールという考えではなく、職場の多様性を認め、従業員の自律性を発揮させ、しいては、従業員の幸福、そして職場の幸福につながるツールとして捉えられているのです。弊社にご依頼をいただく企業様とお話をさせていただいていても、つい、制度やツールの方に目がいきがちなのが私たちの性分なのかもしれませんが、やはり大切なのはトップの考えにあります。なぜ、ES目標面談を取り入れるのか?組織をどのような状態へ持っていきたいのか?ツールの数は数限りなくあります。その中で、トップの考えがはっきりしていくことで取り入れるべきツールも見えてくるものです。組織開発のステップ1は「自分の思いを持つ」、まずは、そこから始まるのです。
ES組織開発4つのステップでは、それぞれの段階に応じてトップの想いや理念を浸透させるための様々なツールを用意しています。大切なのは、組織の状態(知り合い、認め合う、共感しあう)というレベルは階段になっており、知り合うのレベルから一足とびに共感しあうレベルにはならないということです。

では、製造業A社の事例を紹介させていただきます。A社は地域に愛される企業を目指し、地域の工業団地を巻き込んだ新しいビジネスモデルをつくろうというのがトップの思いでした。しかし、忙しい社員さんたちはなかなか本気になってはくれません。そこで、ES組織開発のステップに合わせ、様々なツールを用いて、ES目標面談の教育プログラムの実践に取組みました。
ステップ1:自分の思いをもつ では、『会社をこわせ』というワークを実施しました。このワークは、自分たちが競合他社に成り代わって、自社の弱点を客観的な視点で考察してみるというワークです。


A社では、このワークを通じて、20年後、地域をあげて、製造業を支えていく将来を担う子供たちを今から自分たちが地域と連携して育てていかないと、この地域の製造業はなくなってしまう危機感を社員たちと共有し、部門それぞれの目標を立てることができました。

また、A社ではステップ2:お互いを知る という段階では『クレドづくり』を行いました。(クレドづくりに興味のあるかたは、弊社から「ESクレドを使った組織改革-社員の気持ちを仕事に向けるちょっとしたシカケづくり」という書籍を出しているので参考にしてみてください。)

クレドづくりにおいては、お互いがどのような思いでこの会社に働いているのかという一人一人の仕事を通しての成長、幸せを皆で確認し、共有しながら作るということが大切です。特に多様性を認め合うということはそれぞれの価値観の違いにも目を向けていくことです。異なる価値観を前提とし、しかし、その中で組織としての共通の価値観を明確にしていく、そしてそれが目に見えるカタチとなったものがクレドと言えます。職場で多様性を尊重するためにも、お互いを知ることやクレドの価値が高まっていると言えます。
その後のステップ3:認め合うレベルは、クレドを中心に、上司と部下とが自己の内面の成長を確認し、対話をしていく習慣を実践していました。ここで大切なのは、リアルタイム性です、目標を立ててから、フィードバックまでの期間が半年後の一回切りというのでは、制度は形骸化してしまいます。また、変化の激しい時代、半年前に立てた目標に固執するのも危険です。変化への対応力、柔軟性、常に軌道修正できる組織が理想です。そのためには普段から上司部下間の対話の場が必要になるのです。月に一回の面談、カウンセリングシート、ランチ面談、方法は無限にあります。大切なことは、普段から上司部下間で対話ができる環境を整えるということです。
最終的にA会社では、ステップ4:共感しあう の段階まで進み、CSR活動の一環として、地域貢献を推進しながら持続可能な経営を目指すという新しいビジネスモデルを立ち上げました。一般社団法人を作るまでになったのです。

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今回は、ES組織開発の4つのステップに基づいたES目標面談の企業事例を紹介します。弊社では、今回紹介する企業の他にもES目標面談の運用のお手伝いをさせている企業がありますが、実際に運用が上手くいっている企業の共通点は会社のトップの考え方にあるように思います。制度が形骸化すること無く、しっかりと生きた制度として機能している会社というのは、どの会社のトップも、ES目標面談を単なる人事制度の一部とは考えてはいません。それは、人事制度の為のツールという視点から、人間性尊重経営=ESを高めるためのツールという考えをもっているからです。評価制度や目標管理制度というのは、従業員にランク付けをして、会社やトップが決めた仕事を部下に落とし込み管理していくツールという考えではなく、職場の多様性を認め、従業員の自律性を発揮させ、しいては、従業員の幸福、そして職場の幸福につながるツールとして捉えられているのです。弊社にご依頼をいただく企業様とお話をさせていただいていても、つい、制度やツールの方に目がいきがちなのが私たちの性分なのかもしれませんが、やはり大切なのはトップの考えにあります。なぜ、ES目標面談を取り入れるのか?組織をどのような状態へ持っていきたいのか?ツールの数は数限りなくあります。その中で、トップの考えがはっきりしていくことで取り入れるべきツールも見えてくるものです。組織開発のステップ1は「自分の思いを持つ」、まずは、そこから始まるのです。
ES組織開発4つのステップでは、それぞれの段階に応じてトップの想いや理念を浸透させるための様々なツールを用意しています。大切なのは、組織の状態(知り合い、認め合う、共感しあう)というレベルは階段になっており、知り合うのレベルから一足とびに共感しあうレベルにはならないということです。

では、製造業A社の事例を紹介させていただきます。A社は地域に愛される企業を目指し、地域の工業団地を巻き込んだ新しいビジネスモデルをつくろうというのがトップの思いでした。しかし、忙しい社員さんたちはなかなか本気になってはくれません。そこで、ES組織開発のステップに合わせ、様々なツールを用いて、ES目標面談の教育プログラムの実践に取組みました。
ステップ1:自分の思いをもつ では、『会社をこわせ』というワークを実施しました。このワークは、自分たちが競合他社に成り代わって、自社の弱点を客観的な視点で考察してみるというワークです。


A社では、このワークを通じて、20年後、地域をあげて、製造業を支えていく将来を担う子供たちを今から自分たちが地域と連携して育てていかないと、この地域の製造業はなくなってしまう危機感を社員たちと共有し、部門それぞれの目標を立てることができました。

また、A社ではステップ2:お互いを知る という段階では『クレドづくり』を行いました。(クレドづくりに興味のあるかたは、弊社から「ESクレドを使った組織改革-社員の気持ちを仕事に向けるちょっとしたシカケづくり」という書籍を出しているので参考にしてみてください。)

クレドづくりにおいては、お互いがどのような思いでこの会社に働いているのかという一人一人の仕事を通しての成長、幸せを皆で確認し、共有しながら作るということが大切です。特に多様性を認め合うということはそれぞれの価値観の違いにも目を向けていくことです。異なる価値観を前提とし、しかし、その中で組織としての共通の価値観を明確にしていく、そしてそれが目に見えるカタチとなったものがクレドと言えます。職場で多様性を尊重するためにも、お互いを知ることやクレドの価値が高まっていると言えます。
その後のステップ3:認め合うレベルは、クレドを中心に、上司と部下とが自己の内面の成長を確認し、対話をしていく習慣を実践していました。ここで大切なのは、リアルタイム性です、目標を立ててから、フィードバックまでの期間が半年後の一回切りというのでは、制度は形骸化してしまいます。また、変化の激しい時代、半年前に立てた目標に固執するのも危険です。変化への対応力、柔軟性、常に軌道修正できる組織が理想です。そのためには普段から上司部下間の対話の場が必要になるのです。月に一回の面談、カウンセリングシート、ランチ面談、方法は無限にあります。大切なことは、普段から上司部下間で対話ができる環境を整えるということです。
最終的にA会社では、ステップ4:共感しあう の段階まで進み、CSR活動の一環として、地域貢献を推進しながら持続可能な経営を目指すという新しいビジネスモデルを立ち上げました。一般社団法人を作るまでになったのです。