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中小企業のES=人間性尊重経営のパイオニア/有限会社人事・労務 ES組織開発・人事制度改革ブログ

社員の幸せ、職場の幸せを基準に経営を、社風を変えたいと本気で思っている社長さん・人事担当者の方へのエールをあなたへ!

「お金」のつかい方で社会が変わる~発酵型TERAKOYA読書会シリーズⅧより

2022-02-17 22:48:01 | ダイバーシティ

今回は新井和宏さんの著書「幸せな人は『お金』と『働く』を知っている」の内容について3回に分けて読み進めていきます。第1回目となる今回は第1章・第2章の内容について、有限会社人事・労務の金野美香さんにご紹介頂きました。

生きて行く上で必要となるお金と働く事や幸せはどのような繋がりがあるのでしょうか。働き方や人々にとっての幸せが見直されている今、とても気になりますね。

みなさんは、お金について考えたことはありますか。第2章ではお金を知るという内容があげられています。「今、あなたはいくら欲しいですか?」という問いに対して、皆さんはどのような答えが思いつきますか。どんな金額で、なぜ・何のためにその金額になったのでしょうか。

ここで気をつけたいのが“お金という軸”に囚われてしまっているということです。

「お金がないからできない」「お金がないから〇〇へ行けない」という自分の思い込みが生まれやすいのです。しかし、よく考えてみると「お金がなくてもできること」も多くあります。また、仕事の対価がお金でなくてはいけないということもお金に対する“囚われ”の一つです。

仕事の対価は金銭的報酬とやりがいや面白さといった非金銭的報酬の2種類があります。お金をもらうことではない報酬も仕事の対価として忘れてはいけない要素です。ESでは金銭的報酬だけでなく、非金銭的報酬を得ることが大切だと考えられています。

お金は手段であって、目的ではないことを忘れてはいけないのです。経済学上、お金の価値は「価値尺度」「交換手段」「価値貯蔵」の3つがありますが「お金が大事」だと思いお金だけに注目してしまうと、お金を得ることや貯めることばかりに注目してしまい、何が幸せ何かを見失ってしまいがちです。

今までに上げたように、お金は生活する上で必要なものだからこそ、色々と知らない間に「囚われ」の概念が生まれてきてしまいます。貨幣経済で生きている上で、お金とは密に関わりがある分「お金に囚われないで生きる」ことはなかなか難しいですよね。この話を聞いている時に、私もついつい「お金がないから〇〇へ行けない」「〇〇できない」と思う事が多いのを改めて感じました。しかし、本当は考え方次第でお金がなくてもやりたい事はできる時もあります。

私自身海外で生活することに憧れがありましたが、お金がないからと諦めていました。しかし、国を選べば日本よりも物価が安く、家賃等も遥かに安い国もあります。むしろ日本で生活するよりもお金がかからない国はあると知りました。お金がないからできないと簡単に決めつけ「自分はどうしたら今の状況でやりたいことを叶えられるか」という思考になっていなかったということに気づきました。

他には、趣味でテニススクールに通いたいと思った時、毎月月謝を支払い通うことができます。しかし、そこにお金を払うのではなく例えば社会人サークルに参加した方が費用は安く済みますし、そういった活動を自分で企画してしまえば出費ではなく小さな収入にもする事すらできるのです。「楽しくテニスを趣味にしたい」と思った時でも方法は様々だと思います。

手っ取り早く願望を叶えるためには、お金があると楽かもしれませんが、やりたい事を叶えるためには意外とお金がなくてもできることは多いなと思いました。

 

今回は著書「幸せな人は『お金』と『働く』を知っている」の2章までを読み深めてきました。次回は3章「働く」を知る4章「幸せ」を知るの内容になります。今回の話をもとに人々が働く理由や働く人生、その中での幸せについて考えていきます。次回もとても楽しみですね。



発酵型発酵型TERAKOYA読書会シリーズⅧ >>


自身の思考にアクセスし、会社の未来について考える―研修の場

2021-11-24 13:52:46 | ダイバーシティ

皆さん、こんにちは。

(有)人事・労務の白川と申します。

先日、長くお付き合いさせていただいている、弊社顧問先のリーダー研修に同行させていただきました。



いかにマーケティングを強化していくのか。

 

そんなご相談を受けての今回の研修でしたが、

マーケティング=いかに共感を集められるか、という時代。

先ずは、自分たちは何者であり、自分たち自身何に共感し、共に働いているのか。自分たちは、社会にどういった価値を生み出し、共感を得ていくのか、を探ります。

 

共感デザイン実習ということで、今回は「ビジュアルカードワーク」というワークを通して、会社の未来について対話をしながら描いていきます。

このワークでは、弊社メンバーで作成したビジュアルカードを使用しました。

いつもと違ってなるべく言語に頼らず思考し、言語にできない、または言語化する以前の潜在意識にアクセスしていきます。

なぜ私達はこの職場で働いているのか?

私達にとってこの職場とは何なのか?

 

ビジュアルカードを基に自分の内にある思考と繋がり、対話を通して互いの想いを知り、自分たちの所属する会社の今後について考えていく。

このカードは、実は毎年弊社で行っている日光街道を歩くイベント「日光街道太陽のもとのてらこや」で、道中に出会った風景やものを参加者がそれぞれ撮影した写真です。

当たり前ながら、撮影者とは全く異なる見方で解釈されるカードたち。

視覚的なものが与えられることにより、曖昧で漠然とした自分自身の想いに気づき、意味づけすることができる。

現代社会では、お金のつながりや、物事を成し遂げる手段としてメンバーを物質化して見てしまっている所があります。しかし、実はバラバラに見えるメンバーは、深いところで繋がっており、エネルギーを交換し合う共に生きていく仲間なのです。

ワークは大変盛り上がり、活発な対話が行われていました。

次回の研修は、今回皆さんから出てきたキーワードをもとに、メンバーおのおのの在りたい姿と会社の社会的意義が重なった、一つの言葉へとまとめていきます。

職員の皆さん一人ひとりが、未来をつくっていく。

この研修の場を通して、よりよい会社の未来に繋がる気づき、きっかけが生まれていることを願っています。


ウェルファイアカデミー第2回講義ーイノベーションに繋がる地域コミュニティ・社会のあり方とは?

2021-11-17 21:24:47 | ダイバーシティ

皆さん、こんにちは!(有)人事・労務の白川と申します。

 

弊社が開講するオンラインセミナーでは、ウェルファイなイノベーション(持続可能な幸せ視点の革新)を、思考に起こす「場」を提供することを試みるものとして、受講者と共に学びを進めています。

 

第2回講義では、地域学、地域コミュニティといったテーマで、2名の講師陣をお迎えし貴重なお話を聴かせていただきました。




一人目は、世田谷区の松陰神社前で本屋さん・コワーキングスペース・イベントスペースの3つが融合した場を提供する、わかまつや代表 吉澤 卓氏。

 

吉澤さんのお話から飛び出したのは、「コミュニティは求められていない!」という衝撃的な一言。

 

吉澤さんによると、コミュニティとは、地域に根強く残る運命的・宿命的な関係性を核にしたものであり、そのようなコミュニティは都市では既に崩壊しており、これからも回復することはないと言います。

一方で、意図や関心を共有する人の集まりであるアソシエーションが数多くあり、これからますます求められていくそうです。

 

キーワードは''自発性''。

自分が好きなこと、大切だと思うことを形にし、そこに集まってくる人とどう関わっていくか。自分の内部にある大事だと思う気持ちと、そこに共感してくれる人との繋がりが重要なのではないかと感じます。

「コミュニティは求められていない。」それは言葉の捉え方の違いかもしれませんが、従来のコミュニティではなく、共感し合う人々が集う新たな、多様な繋がりの場が生まれていくのではないかと思います。

普段コミュニティに属する一員として、またいつかコミュニティを作りたいという思いがある人間として、コミュニティのあり方について改めて考えるきっかけをいただきました。



もう一人方は、株式会社オルタナ取締役兼、「オルタナS」の編集長を務め、環境や社会を視点とした活動を行う池田真隆氏。

 

池田さんからはCSRやESG投資についての専門的な内容で、利益という目に見える数字を第一に考えていた時代から、企業や投資のあり方が環境や社会のためになるかどうかという視点に変化しているというお話がありました。


いかに社会に対するネガティブインパクトを減らし、ポジティブインパクトを増やしていくか。

そこにCSR、ESG、SDGsといったキーワードが含まれています。

近年SDGsという言葉が本当に多く聞かれるようになり、私自身も非常に関心のある内容ですが、高い目標、そして多様な要素が含まれているがゆえに達成は非常に難しいと言えます。

 

大きな変革がなければ、現代社会にある課題を解決することはできないかもしれません。

しかし、社会や人々の意識は確実に変化してきていると言えます。

自分が大切にしたいもの、社会のためにしたいと思うこと、その想いを見失わないこと、その上で個人やいちコミュニティの活動を地道に継続し続けること、その積み重ねが広がり大きな変革に繋がっていくのではないかと思います。


家事関連時間をめぐる統計から考えたこと

2021-10-07 15:20:14 | ダイバーシティ

残暑の陽ざしが射し始める前の早朝、これ以上放っておくことはできなくなった庭の雑草とひとり、黙々と格闘しながら考えていました。私は、あるいは私のママ友は、女性は、一体どのくらいの時間を家事に費やしているのだろう。

 

日本の女性の就業率は、およそ60%だった20年前と比べて、現在は70%を超えるまでに増えています。

 

長期的な傾向として男女ともに非正規雇用の割合が増えていますが、殊に女性の働き方の傾向を見ると、30代半ばで一度大きく非正規雇用の割合が高くなって5割を超え、その後も年齢層が上がるごとに非正規雇用の割合は高くなっていきます。一方、男性では20代半ば以降、非正規雇用の割合は年齢層が上がるごとに順に低くなっていきます。このトレンドは長期にわたって変わっていません。

 

これをどう解釈すればよいのでしょうか。

 

よく知られているように、女性の労働力率はM字カーブを描きます。結婚・出産期に女性の労働力率が低下し,育児が落ち着いた頃に再び上昇するトレンドはずっと変わりませんが、近年ではM字の谷間が20代後半から30代へと移動し、谷間の落ち込みがかなり浅くなってきているのが観測されています。意識調査からは、男女ともに、子供ができても働き続けた方がよいと思う人の割合が増えていることが確認されています。とすると、仮説として、育児休暇から復帰した正規雇用で働く30代半ばの女性達は、仕事を辞めないけれども、子供が2歳(育児休業の延長終了)や小学生になるタイミングで勤務時間を柔軟に調整するために、非正規雇用の働き方を選んでいるのかもしれません。

 

【グラフ】女性の年齢階級別労働力率の推移  

(出典)『男女共同参画白書 令和2年版』本編

https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r02/zentai/html/zuhyo/zuhyo01-02-03.html  

 

次に、就業をめぐる統計と合わせて、家事・育児と仕事のバランスをめぐる統計を見てみることにします。

 

子供のいる共働き世帯の女性のうち、家事関連に費やす時間が最も長い年齢層は30~39歳で、週全体を平均して1日あたり4時間33分です。どの年齢層もほぼ横ばいに推移していますが、25~29歳の層だけはこの20年で大きく減り2時間36分となっています。一方の男性は年齢層による違いはさほどなく、おおよそ40分程度です。

 

詳細に見れば、女性は子供の成長に伴って費やす家事関連時間を増加させ、その内訳としての家事時間、育児時間、介護時間の割合も大きく変化させていることが分かりますが、男性が費やす家事関連時間の変化は乏しいままです。

 

【グラフ】男女別に見た家事・育児・介護時間と仕事等時間の推移(週全体平均)(年齢階級別,昭和51年→平成28年)  

(出典)『男女共同参画白書 令和2年版』本編

https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r02/zentai/html/zuhyo/zuhyo01-00-01.html

 

この統計からは、男性の家事・育児時間は遅々として増えておらず、働く女性がますます増えていくのに、労働環境も家庭もその変化に対応できていない状況が見えてきます。育児介護休業法の改正を受けて、2022年度からは男性の育児休業取得も増えていくのだと思います。けれども、育休を取得した夫が自分事として家事・育児に関わってくれるのかどうか、新制度がそれを解決してくれるとは思えません。

 

しかし希望はあります。時代は移り行き、今、結婚、出産、育休、子育てのライフステージにいる男性達は、個体差があるとはいえ男女共同参画社会の概念やイクメンの概念に触れながら育った時代効果の影響もきっと受けているから、20年前の男性達とは異なる感性を持って進んでいってくれると思うのです。

 

それにしても、女性が費やしてきた家事関連時間の推移グラフを見ると、かつての私が同士であるママ友達と共に、どんな気持ちを抱えながらどんな風に、仕事と子育てをしてきたのかを辿る気がします。

 

私は35歳で第2子を出産し、離職。折しも旦那の転勤のタイミングでもあり、旦那について家族4人で引っ越しました。ちょうどM字カーブの谷間にあたる年齢だったんだなあ、と今更気付きます。結婚する前は、家事関連に費やす時間は男性と同程度だったのではないかと思います。それが結婚を機に少し増え(グラフの、女性、1996年時に25~29歳)、出産して子育てと仕事の両方に立ち向かった時期はもう本当にてんてこまいでした(2001年時に30~39歳)。それから10年間ほど、専業主婦となって子育てと地域活動に勤しんでいたので就業者を対象とするこのグラフからドロップアウトしますが、再びパートタイムの働き方で、このグラフの中に戻ってきました(2016年時に40~49歳)。

 

私の場合、以前よりだいぶ手抜きをするようになったとはいえ、末子が高校生になった今でも週全体で平均すると一日4時間半ほど家事に費やしています。我が家の男子達、本当によく食べるのです。料理好き男子に育ちましたが(しかし料理の後片付けは滞りがち)、食べ物を振舞うことは私にとっては愛なので、手は離れたけれど、一緒に過ごしている間くらいは食事を提供したいのです。

ところで私の旦那さまは、にこにこしながら私が働くことを応援してくれますが、ずっと変わらず家事関連に費やす時間は毎日20分以下。自分の食器や取り入れた洗濯物は片付けるので、本人としては家事、結構やっているつもりなのだと思います。

 

(データは『令和2年版 男女共同参画白書』から参照しています。)

 


ソサエティ5.0時代 共感でつながる私達の社会 ~多様性の功罪を問う、最適化社会で実現する共通善の世界!~

2021-09-08 16:39:38 | ダイバーシティ

前回は読書会に先立ち、ゲストに最適化社会日本の著者、元参議院議員の二之湯先生にご登場いただきお話を伺いました。

二之湯先生の学生への質問に対するキッパリとした受け応えは、私達に二之湯先生の日本の未来に対するリーダーとしての真摯な思い、あり方を感じました。

受講している学生におもねるのではなく日本の行く末を案じての学生に対する一見厳しい指摘だが、そこに対する優しさを感じました。

前回の詳細はこちら>>

さて、今回はいよいよ前回の内容を踏まえて読書会スタート。ここからは、メンバーとの4回に渡る最適化社会日本の著書を皆で学び会いながら進めていきます。

 

書籍では、最適化社会の定義を次のように示しています。



つまり最適化≒調和です。

分断の世界から生まれる様々な障害。

格差問題

気候変動問題

 

など私達の世界は多様という名の下、分断を食い止めることはできません。

 

二之湯先生は今こそ哲学が大事なのだと言います。

 

この統計から何が見えるでしょうか?

将来に希望を感じる人が15パーセント。

 

私達日本人が宗教のように信奉していた経済、科学が陰りを見せ始めたいま、その反動で社会に希望が持てない状態に陥っているといいます。

 

まさにいま真善美と言った誰もがそうだという共感が大切なのではないでしょうか?

オリンピックを見ていて思うこと。

オリンピックで金メダルを取る選手は誰が見てもすごいと思いませんか?




プラトンは、社会の根幹を真善美と定義しさらに、真や美は善をありきで初めて存在すると述べています。

善を最高のイデア、概念と置きましたが、正に共通善に向って社会を見つめ直すときなのではないでしょうか?

 

最適化社会は、AI、テクノロジーの力でそれが可能になる時代なのです。



例えば私達の研究テーマである人事の世界でも、

ソサエティ4.0までの工業化社会、情報化社会までは、この図のように組織は、人材を会社のある一定の型に当てはめて△の目標に向って人材を動かすほうが効率は良かったわけです。人間はバラツキのない個性を剥ぎ取った、いわば材料であるというわけです。ソサイエティ5.0はAI、テクノロジーの力で個性を活かしたまま最適な組み合わせが可能になり、人間性を尊重した組み合わせで△の目標を実現することが可能な社会へと進化していくのです。

 

プラトン、そして師匠のソクラテスは対話の手法を通して高次の真理へと行き着く方法を説きましたが、まさに私達に取って大切なのは共感に至るための対話のプロセスなのではないでしょうか?

 

私達のソサエティ4.0までの世界は、科学、数字から世界全体の真実をとらえて来ました。

しかし、フッサールは科学の限界を次のように述べています。



まさに私達は数字や科学の客観的な世界の中で現実感、手触り感の乏しい生きている実感が得られない社会の中にいるのではないでしょうか?

あなたにとっての家庭とは?

あなたにとっての会社とは?

あなたにとっての地域とは?

 

そんなことを問う暇もなくただ何となく毎日が過ぎていく。

モノよりコトをもとめる時代とは、科学や数字だけで世界を実感できる範囲はますます限られて来ることの表れではないでしょうか?

 

最適化社会ではそんな個々人の主観を大切にし、人間性を尊重した経営、社会が実現する時代になるのだという。

確かに、複業解禁、在宅勤務の流れや自動運転、無人の農業機械での作業など私の身近な世界でAI,テクノロジーが人間性の豊かさを実現している。

 

多様なモノやコトを多様なままで共通善のもと一つにまとめ、つないでいく。

 

一方でフッサールは多様性、相対主義についてこんな警告を述べています。




ヘーゲルの言う各々の主観をぶつけ合いそこから真へと鍛え上げていく行程を私たちは大切にしなくてはならない。忙しくて対話の時間がないと目先の経済活動に奔走する日常からは多様性あふれる豊かさ職場や社会は実現しない。

改めてこれからの会社の役割を問い直してみる。

会社はお金を稼ぐ場以上に生きていくリアリティを私たちに与えるそんな最適化社会へ向かう過程のなかでコミュニティへと進化していくはずだと今回の読書会を通して思いました。


次回の読書会は、9/15実施です。

詳しくは・・読書会「最適化社会における生命論的組織のあり方」>>