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ワーカーズコープに学ぶ!はたらく力でいろどり豊かなこれからの地域とは

2021-03-24 21:05:56 | 地域貢献

2021年3月20日、Online企画【ワーカーズコープに学ぶ!はたらく力でいろどり豊かなこれからの地域とは】を開催。

 

「Workers被災地に起つ」を上映。

そして、日本労働者協同組合(ワーカーズコープ)連合会 理事の玉木信博さんをお招きし、鼎談の機会を頂きました。

2020年12月4日に法律が成立、注目の「労働者協同組合(ワーカーズ・コープ)」

従事+出資+経営

はたらく人が自ら出資して自ら経営にも加わる、三位一体の組織のカタチ。

 

各々が “自ら出資し 自ら料理を作り提供する。全員で売上を共有し使い道を決める。”運営してきた「田心カフェ」と重なる。

 

ホラクラシー経営

Teal組織

異なる色ではありますが新しい組織のカタチとして注目していた最中に

大学時代の恩師、辻信一こと大岩先生よりご縁を繋いでいただき、この度の学びの機会を頂きました。

映画「Workers被災地に起つ」へのコメント

◎内田 樹 氏(思想家/凱風館 館長)

「公共的なものを創り出すのは私人である」

◎内山 節 氏

「暮らしはつくるもの」「仕事はつくるもの」

一人でできることもあるでしょうし、仲間といっしょにすることもある、自然があってできる仕事もあるし、地域があってこそ仕事もあります。

人や地域の目の前の困った!に寄り添うことで、仕事が生まれ

寄り添う関係の中で、人と人が繋がり、支え合い、仕事も広がっていく。

「ともに」仕事をおこし、歩み進めることから、持続可能な営みとなっていく。

 

既存の法人格の枠組みにおいて、法人設立・許認可等の支援を行ってきた私ですが、今回、「ワーカーズコープ」「協同労働」に触れて、「仕事をおこす」ことへの認識が変わりました。

…とそんなタイミングで、大学時代の卒論が里帰りし、目を通してみる。

『競争力より共生力―分かち合い』だと締めくくっている。

 

2008年、あまり実感知なく唱えていたことだが、

今、生きづらさを抱える社会を見て改めて思う、「ともに」の大切さ。

今後さらに、皆さんとご縁を深めながら、この学びを実践していければと思います。


多様な時代に重視すべき社員の「あり方」(Being)

2021-03-22 17:36:00 | 人事制度

 以前のブログで、「これからの時代組織は自律分散型の組織構造に変容していかなければならない」とのべました。

「アフターコロナの組織のあり方と人事制度」

しかし、その変容とはいわいる人事制度などの組織のルールや制度といったハード部分を作り替えれば、できるわけでなく、むしろそこで働く人材(ソフトの部分)がかわらなければ決してうまくいきません。逆に、働く社員の意識構造にあわせて、その自律的な働き方を邪魔しないように、制度のほうもその発達段階に応じて徐々に変化させていくと考えたほうがいいいでしょう。

 

これまでの人事制度は、例えば目標管理やコンピテンシーなどを活用することはかなり効果がありました。大量生産大量消費を前提とした時代のピラミッド型組織において、過去の経験から会社や上司がもっていノウハウを社員に伝え、ある程度決められたやり方で働いてもらうことで、かなりの確率で予想された成果を上げることができたからです。ただ、社会全体が多様化し、これまでにないスピードで変化が起こっている現代において(もちろんすべてがそうだとは言えませんが)その効果がでにくくなってきているのです。

目標管理は上司と部下で面談を行い、今期の達成すべき目標を会社目標に沿って設定します。その目標を達成するために部下は1年間活動し、上司はこれを支援します。しかし、今の組織では1年間も同じ目標を追い続けることで、企業の業績に本当に貢献できるでしょうか?1年後の目標などを具体的に立てることが不可能になってきているのです。

また、コンピテンシーでは、業績の高い社員の行動特性を抽出し、その特性を他のメンバーも実施することで全体のレベルをあげようというものです。これも、職務内容が皆同じで、そのプロセスが変化しない環境なら効果はありました。しかし、今は一人ひとり担当する職務は多様で、しかもそのプロセスも常に変化が起こります。「業績を必ず出す行動特性」を抽出すること自体が難しくなっているのです。

もちろん、今後も、職種、仕事の内容や本人の等級などによっては、これからも有効な手法である場合も当然あります。例えば、入社から3年以内の新人を育成、評価する場合はどちらも有効な手法でしょう。しかし、多くの企業では、ある程度職業経験をつんで、複雑な業務にたずさわるようになると、このような定型的な評価は限界がくるようになっているのではないでしょうか。

このように、人材育成・評価において、これまでの「決められた目標にむかって努力する」「きめられた優秀モデルの人材になるように具体的なスキルを磨く」というだけでは、自律分散的な組織では対応できなくなってきているのです。では、会社は社員のどのような点に注目し、育成・評価すべきなのでしょうか。

これからはBeingといわれる、その社員の「あり方」(意識・思い・人生哲学・視座など)を会社はもっとも意識すべきなのです。

 

 

 

Beingの一つの指標に「視座」があります。今日や明日のことしか考えずに仕事をしている人が、成し遂げることができる仕事は、限られるでしょう。世の中にいいインパクトを与えるような業績をあげるリーダーは、自分個人のことよりも、組織全体はもとより、地域や社会全体にとって何が最も良いことかという広い視野で行動しています。この人間的な成長がないまま、Doing、Knowingだけを伸ばそうとしても、ベース(Being)が狭ければその上にあるDoing、Knowingを高めることはできません。これは逆三角形や長方形になることはないのです。

これからの組織は、そこに所属しているメンバーのBeingをしっかりと把握し、その高まりに応じた役割を与えていくべきです。また、Beingいかにして高めていくか、その経験と気づきの成長の場をどのようにつくっていくかを重視すべきなのです。特に自律分散型の組織を目指す企業にとっては、人事制度や社員育成においてBeingを重視した仕組みを作っていかなければならないでしょう。


アフターコロナの組織のあり方と人事制度

2021-03-17 21:25:58 | 人事制度

アフターコロナの組織のあり方と人事制度

 

 (有)人事・労務 社会保険労務士の畑中です。人事制度構築のお手伝いをさせていただいている中で、この1年、組織の在り方、そして個人の働き方があきらかに大きく変わってきています。

いろいろな要素が考えられますが、主に次のような理由といえるでしょう。

 

・テクノロジーが発達し、場所や時間を気にせずに働くことが可能になってきた

・以前であれば一部の経営トップなどにしか入らなかった情報がほぼ無料で誰でも得ることができるようになってきた

・個人が情報発信したり、個人同士で情報共有することができるようになった。

・単純な仕事はAIや機械でカバーできてしまうことが多くなってきた。

・個人(特に若者)の働くことへの意識が、これまでの利益追求型(資本主義型)から、社会や地域への貢献へと変化してきた。

 

 このような変化が徐々に進んできていた中で、2020年の新型コロナパンデミックがトリガーとなり、一気に組織の在り方や働き方が変化しました。具体的には以下のようなことが起こり、この傾向はさらに続くのではないでしょうか。

 

・テレワークやワーケーションといった場所を選ばない働き方の増加

・副業(複業)の増加

・フリーランサーなど、雇用にとらわれない働き方の増加

・オフィスの縮小・分散化

・ギグワーカーの増加

・一部企業の独占化(巨大化)と地域企業の増加

・株式会社以外の組織の増加(NPOや社団法人、ワーカーズコープなど)

 

このような中で、組織の在り方は、単に利益を求めるだけの集団ではなく、地域や社会のことを意識し、その課題を解決していくために地域社会と結びつきながらイノベーションを生み出していくことが求められる時代になってきています。そして、その組織は、明らかにこれまでのピラミッド型組織からの変容が必要になります。それが「自律分散型」の組織なのです。自律分散型組織とは、

・多様な価値観を認め、一人一人の個性や能力を十分に発揮しながらも

・組織として強いつながり(関係性)をもつ

組織のことを言います。

 

 「ティール組織」(フレデリック・ラルー著 栄治出版)でも述べられているとおり、組織には発達段階があります。ここで述べられていることは、細かい点はさておき、日本の中小企業にもあてはまります。



 昭和の行動経済成長の時代の日本の組織は、その多くが、アンバーからオレンジ的な組織だったでしょう。典型的なピラミッド型組織です。大量消費大量生産を重視し、欧米にキャッチアップしようとする日本は、非常にこの組織マネジメントがうまく機能したといえます。バブルがはじけて平成に入り、IT企業などが多くではじめたころから、フラットでボトムアップを重視するグリーン企業も見られるようになってきました。しかし、組織が大きくなってくる過程や時間が経過するなかでグリーン組織はオレンジやアンバーになってしまうことも少なくないようです。結果として、コロナ前の日本の企業はいまだにオレンジ的要素が最も多く、それにアンバーやグリーンの要素が混じっているような組織構造をしている企業が多いのです。

 もちろんすべての企業がティール型になるのがいいわけではありません。業種や地域、そしてなによりその企業の組織風土や社員の意識構造によって、もっとも適した組織構造が1社1社違うはずです。また、同じ一つの組織の中にも、単純にすべて「ティール」だとか「オレンジ」だといってしまうことはできず、実際はティール的要素の強い組織にもオレンジ的な部分が含まれていたり、またその逆もあるのです。

 しかし先ほどみたように、世の中全体の急激な変化の中で、どのような組織であっても、その組織構造を変容させていく必要性があり、その方向性は地域や社会のことを意識し、その課題を解決していくために地域社会と結びつきながらイノベーションを生み出していく自律分散型(いわいるティール組織に近い)の組織であることは間違いないでしょう。

 では、自律分散型組織の人事制度とはどのように構築すればいいのでしょうか。今からスタートするベンチャー企業なら、いきなりフラットで書籍「ティール組織」にでてきているような人事制度に挑戦することはできるかもしれません。しかし、すでに組織として(おそらくピラミッド型の組織)歴史があり、人事制度がすでにあるような企業にとっては、どのような変容の過程をたどるかも重要になってきます。既存の企業がどのような人事制度を構築していくべきか、事例なども含めて、またご紹介できればと思っています。


日本労働者協同組合連合会の玉木氏と今月20日のイベントの打ち合わせを。 ワーカーズコープに学ぶ はたらく力でいろどり豊かなこれからの地域とは<2021 JES 春のてらこや> 

2021-03-04 11:25:51 | 地域貢献

会社というものをコミュニティととらえ、民主的な運営を法律で明文化。

本日、玉木さんとの打ち合わせでは、会社という今までの概念がアンラーンされていくそんな場でした。

お金は?
一日中会社運営に対して対話しているの?
意思決定はどうするの?
給与の決め方は?
情報の見える化は?

一時間の打ち合わせをオーバーしてしまい、玉木さんすみません。

働きずらさを抱えた方への社会的支援でなく社会的
労働の場づくり

働き方改革、同一労働同一賃金、リモートワーク、副業と働くをとりまく社会的環境が大きく変化する中で確かに国が示しているように働きやすい環境も生まれている。
だが一方で社労士として現場に携わる中で本当に私達の「働く」は豊かになって来ているのかと戸惑いを感じることも多くなった。
国は経済成長に偏った政策を強いているだけではないのか?本当はそんなことをしなくても豊かに働いて行ける場面も沢山あるのではないかと。

ワーカーズコレクティブ。
玉木さんの話を伺って人間本来の自然な暮しから生まれてくる働く営み。
働く豊かさの本質、協働という人間らしい自治自労を社会の中心に据えた働く形。

3月20日のイベント本番が楽しみです。

903シティファーム推進協議会もいまのコミュニティの仕組みを2年以内のワーカーズコレクティブへむけて変容していこうと思います。
そのためにはより一層メンバー主体の民主的な運営を皆で心がけて活動を推進していきたいと思います。


「ワーカーズ・コープ」は農業経営に活用可か―雑誌『農業経営者』へ寄稿しました

2021-03-01 11:14:33 | ダイバーシティ

ご存じと思いますが、さきごろ労働者協同組合法が成立しました。

ヨーロッパでは長い歴史をもちますが、

日本でも、この新法が農業や農村経営においても活用可能ではないか。

「働き方改革」や「思いの共有」といった、

これまでの連載で取り上げられたこととも繋がってくるのではないか。

その一環として原稿をまとめることはできますでしょうか。

 

雑誌「農業経営者」編集者の方からご相談頂き、2020年末に法制化された【労働者協同組合(ワーカーズ・コープ)法】について、寄稿させて頂きました。

 

 

 

労働者協同組合の運営原則 をご紹介しますと―

 

  • 組合員の議決権及び選挙権は、出資口数に関わらず、平等であること。

 

  • 組合員自ら選んだ代表者と組合員との間で「労働契約」を締結すること。

 

労働関係法規が適用されることが明文化。

 

  • 組合との間で「労働契約」を締結する組合員が総組合員の議決権の過半数を保有すること。

 

出資者の5分の4以上は働く人

働く人の4分の3以上は組合員

 

  • 剰余金の配当は、組合員が組合の事業に従事した程度(日数や時間数、業務の質など)に応じて配当する。

剰余金の法定積立も定められた。

準備金10%

就労創出等5%

教育繰越5%

 

 

既に、多くの事業所があり、7000人が、ワーカーズとして働いている。

私たち、903シティファーム推進協議会―田心カフェの運営についても、

ともに、働く(協同労働)。ともに、生きる(協同生活)。を体験する場として紹介頂きました。

 

 

「田心カフェ」は、各々が“自ら出資し 自ら料理を作り提供する。全員で売上を共有し使い道を決める。”「労働者協同組合(ワーカーズ・コープ)」とも重なるカタチで運営し、ボランティアメンバーと共に、これからの働き方について向き合いながら、歩み進めています。

 

よみがえれ!浅草田圃プロジェクトの仲間がカフェへメンバーに会いに来て食事を楽しむ、「田心便」からつながりでめぐる経済へと参画する、共感でめぐる社会のワクワクを味わい楽しむ地域の方々。

その基盤を支える、903シティファーム推進協議会の発足当初より、ゆるやかに続く仲間からの出資。

国民の自発的な生活協同組織の発達を図り、国民生活の安定と生活文化の向上を期することを目的とする『消費生活協同組合』とも重なるカタチ。

 

 

ともに、働く。

ともに、生きる。

 

 

労働者協同組合(ワーカーズ・コープ)、消費生活協同組合、そして、共感コミュニティ通貨eumoも交えた、新しい働き方、生き方を目指すコミュニティ「社会的連帯経済」を目指して―

 

新しい働き方を目指す組織―ワーカーズ・コープ

 

この可能性について、

関心を寄せる皆さんと話しながら、

地域ごとに、豊かなコミュニティが育ち、

そんなコミュニティ同士が繋がり、互いに補い合い豊かになっていく、

新たなプラットフォームの構築を描いていければと思っています。

 

▼ワーカーズコープに学ぶ はたらく力でいろどり豊かなこれからの地域とは<2021 JES 春のてらこや>

▼ワーカーズ・コープ法 の設立・運営のポイントはこちらにまとめていきます。
https://www.jinji-roumu.com/workers-coop.html