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中小企業のES=人間性尊重経営のパイオニア/有限会社人事・労務 ES組織開発・人事制度改革ブログ

社員の幸せ、職場の幸せを基準に経営を、社風を変えたいと本気で思っている社長さん・人事担当者の方へのエールをあなたへ!

構造構成主義から働き方改革のその先を見据えて

2019-07-31 10:45:57 | ダイバーシティ
我々の業界では、働き方改革ブーム。セミナーの話をいただく。それはそれで大変ありがたいのだが、大抵が働き方改革の法律の話をしてほしいとなる。

企業に社員に法律でこうなってるから守るように先生から話してほしいと団体や社長から話をいただくのだが多少の後ろめたさ感じながら引き受けることになる。
それは、
社長自身もそして依頼してくる団体の担当者もそしてなにより、私自身がおそらく現場を見てきている仲間の先生方も法律の話だけで会社が社会が法律の通りに変わるとは思っていないことだ。

一時間のセミナーだとしたらもう法律の話は、20分くらいにしてそれ以外のことを伝えましょうというのだがそうはならない。やはり受けがよいのは法律の話だ。

この書籍は働き方改革のその先。行きすぎた多様性の中、どのように組織を進化させていくのかの考え方が出ていると私には思う。
残りの40分の話だ。



構造構成主義という考え方。

いまの働き方改革への話の展開は法律の話か、ダイバーシティの話かを軸にしている。
この二つが行きすぎると、客観主義の合理性にとらわれ、正解は、法律はこれだと押しつけ人間性の否定に繋がる、一方の社会構成主義の行きすぎた多様性からは、社会が組織がバラバラへと陥る危険性と、この二つの側面のどちらかに陥りがちだ。この本は、新たなフェーズを提示しているように思う。

働き方改革をもっと俯瞰して見れば、法律は、全体の中の一部分。システムの部分に焦点を当てた話で、働き方改革に伴う個々人の意識の問題やチームの文化やコミュニケーションの変化、あり方といった内面の部分については置き去りにされている。法律の知識と同じぐらい、いやそれ以上に大切なのだ。内面が置き去りになると、社長も社員もただ自分の主張で法律を振り回すからたちが悪い。

子供に刃物を渡すようなものだ。

セミナーでは法律の話をとなり、なかなか受けが悪いがたまに変わってる社長や団体のリーダーがいる限りやりつづけていく。

立教大学経営学部教授 中原淳先生のセミナー「残業学 組織開発で進める働き方改革」を開催いたしました。

2019-07-29 20:54:14 | 組織開発・社風改革
こんにちは。有限会社 人事・労務の井上です。
先日、立教大学経営学部教授中原淳先生をお招きし、セミナー「残業学 組織開発で進める働き方改革」を開催いたしました。
多数のご参加、ありがとうございました。



140名の社労士の先生方が会場で埋め尽くされ、たくさんのエネルギーを感じる場でした。

個人的に毎日のようにブログをチェックさせて頂いている中原先生の生の講演を楽しみにしておりました。

内容としては、「長時間労働が生まれるメカニズム」と「長時間労働をいかに抑制するのか」についてです。

まず、残業を減らすための3つの方法があるそうです。

①時間に境界をつける
②マネージャーのマネジメントスキルをつける
③職場の組織開発

①時間に境界をつけるのは1番分かりやすく取り入れやすい方法です。

私自身も仕事を進める中で時間の感覚は大事であることは感じつつも、進め始めるとキリがなくなってしまったり、区切り方が難しかったり…上手く切り替えながら時間感覚、業務に充てる時間の使い方も工夫していけると小さな積み重ねで変わっていくこともあるのは実感しています。

②マネジメント力については座学では上がらず、実践からのフィードバックと研修でスキルを上げていく必要があります。

チームでの動きは、何となく日々の実践だけでも不安になり、知識が足りないから上手くいかないのかなどと不安感にかられることも多いですが、フィードバックと研修とのバランスが大切なんだなと気づきがありました。

③残業についても経営課題として、トップが意義をかたる必要があります。

残業についてもやはりトップである経営者が変わらないと効果が出ないとのこと。

トップダウンで結果が出るというよりは、トップが意義付けを行い、それに対して各々が思考し行動していく組織状態を創っていくことが大切なのだなと認識。

組織を変えていくには、その過程の中で組織開発の手法が生きてくるのだなと思いました。




また講義を進める中で20分ごとにディスカッションを行いました。

そのディスカッションでの参加者の社労士の先生方のお話を聞き、参加者の皆様の熱意を感じた中原先生。
急遽講演内容を変え、残業を減らすという視点だけでなく、下記の内容を加えて、お話ししてくださいました。


 組織を「変える」ために、
 組織の外部の人々は、クライアントと
 いかなる関係をとりむすび、
 いかなるかたちで、組織のデータを取得し、
 どのように組織を巻き込んでいくのか?  

組織の外部の支援者とクライアントは、
組織を変えていくなかで生まれてくる
「変革への抵抗」といかにつきあっていくのか 


「組織開発って何だろう?」

私自身組織の人たちが働きやすさを感じつつも、やりがいやモチベーションを保てる環境とは何だろうと思い、組織開発を学んでいきたいと感じて今に至るわけですが、
中原先生曰く組織開発は心理戦とのこと。

組織の見える化をし、対話する
組織ぐるみで組織のやり方を変えていく

見えていない氷山の下にスポットを当てていき、
普段みんなが見たくないものにスポットライトを当てていくことで、緊張感が一時的に走る

確かに何かを感じたとき、違和感やもやもやに気づいたときにその葛藤と向き合っていくことは、緊張感が伴うことだなと感じました。


まず、見える化が必ず必要
    ↓
その上で対話をしていく
    ↓
未来づくり


見える化にはデータが必要で、データがあることで対話の際もデータをもとにした建設的な会話ができる(対話ができる)

間違えても「ガチ対話」から入ってはいけないとのこと、この点は目から鱗でした。

せっかちで結果を急ぎがちな自分の特性からどうしても何か起きたら、まず「対話!」かと思っていましたが、本人と問題が中々切り離せない状況になってしまうとのこと。


上記のサイクルをくるくる回していくことで組織を変容させていく
日々仕事でもプライベートでも色々なことが起こる中でその出来事と向き合い、挑戦しながらも失敗しながらも、相手との対話から生まれる相違点への気づき。


弊社内で行っているハピネス5も組織の状態の見える化の一つのツールですが、見えたデータから対話が生まれ、関係性にも変化が出てきているように思います。

マインドチェックを見ては、社員同士の「天気」での指標を見て、表情やコンディションを気にかけたりなど。
「ありがとうカード」を贈ることで日頃伝えらなかった言葉を相手に伝えることができ、安心感が生まれたりなど、組織の状態を見える化だけでなく、使っていくことで組織への変化も生まれているなと実感する日々です。


聞く
考える
対話する
気づく
⬇︎
学ぶ

中原先生曰くこのサイクルが学びのサイクルだそう。聞く➡聞く➡聞く➡学びにはならない。

日々の何気なく行っている対話の中での気づきこそが学びになっているんだなと知り、目に見えない学びのサイクルは何とも実感として得づらいものですが、この日々のサイクルを続けていくことが学びにつながるんだなと知りました。



中原先生の講演の後の第二部では山崎先生と薗田先生と小山先生と弊社代表矢萩とのトークセッション。
先生方皆さんのこれまでの話を改めてお聞きすることができ、制度や就業規則を行いながらも、企業文化企業理念目に見えないものが大切さを感じ、組織開発として企業を支援していることを知りました。



トークの中では、UMUを利用して、会場のみなさんからの質問に答えていきます。
システムから質問を投げかけると上記の写真のようにスクリーン上に質問が映し出され、会場の皆さんで共有。
これだけの人数がいてもみんなが参画しており、対話をしているような感覚でした。

ディスカッション含め、聴く側も主体的に参加できる講演会であっという間の3時間でした。

今日の学びを更に次の気づきと対話につなげていけるようしようと思いました。

「中小企業の退職金の見直し・設計・運用の実務」再改訂版 発刊!

2019-07-29 18:48:05 | 経営全般
ご好評いただいている「中小企業の退職金の見直し・設計・運用の実務」の再改訂版が発刊されました。



本書は、「退職金制度の設計方法や見直しの方法」や「各種退職金制度の特徴」だけではなく、退職金制度にかかせない「資金準備の方法」や「トラブルを防止する退職金規程の記載方法」を中心に、これまで記述されることの少なかった「役員退職金」や実務上必要な「税金計算の方法」まで、退職金制度の一通りを網羅しています。

これらに加え、再改訂版ではさらには多様な働き方や人手不足に対応するための短時間勤務正社員や契約社員、パートタイマーに対する退職金の戦略的な活用方法も示しています。

退職金制度をこれから導入しようとしている企業、現在の退職金制度を見直そうという企業、退職金制度の興味がある企業すべての方にご一読いただきたい書籍です。

安心安全な場はイノベーションの為にある。相互理解なくしてイノベーションは起こらない。弊社の取り組み

2019-07-25 09:52:05 | 組織開発・社風改革
今日はイノベーション会議です。
弊社の新人の猪岡君も交えての、相互理解を深めるワークを皆でやりました。

まずは、最近のマイブームをチームでシェア。

へぇ、○○君そんなのに興味あるんだ!知らなかったなあ。
高校野球、甲子園に行きたい?私も行きたいなあ。

と普段毎日顔を会わせてうるさいぐらい雑談が多い職場なのに意外に知らないんだなあと。



さて、相互理解はなぜ必要なのか?
いま、弊社はなぜ相互理解に基づいたチームが必要なのかを考えてもらった。

以前の生産性向上の為のチームからお互いの違いを大切にして各々の強み関心をもちよりそこから新たな創造を生み出す場としてのチームが必要なんだ。

そこで大事なのがお互いの内面を知る。
そしてそこには、安心安全な場が必要なんだと。

相手と仲良くなるためにはまずは自分の内面を出す。そうすると相手も少し打ち解けてくれる。
これを返報酬性という。だから、みな安心して内面を少しずつ出していく。お互いの共通点や関心ごとが見つかるんだね。

さて、さらに、内面をさらけ出していく。

どこまで開示できるかな?
次の問いかけは、
これまでの仕事でこれはやったぞ、自分の力を発揮したという仕事を絵で書いてもらう。そして、自分がその時に大切にした価値観をカードで選び書いてもらうんだ。

さあどうかな? ん? 社長である矢萩の顔が? あぁー、あのときのエピソードか!



新人の彼は?なるほど、
柔軟性か?以外だな、彼女は?貢献だったんだ!



お前、ずいぶん絵がへたくそだな。
なにこの場面?そうだったの?

だいぶ場が盛り上がってくる。
皆が大切にしている価値観って以外に知らないないんだなあ。

さて、価値観を知るとどんな効果があるのか?

その人の行動は氷山であってそこにはその人が持っている思考の癖やものの見方そして、タイプがある。
それをお互いに知ることはチームを組む上でものすごく重要なんだ。



○○さんのネガティブの意見も実は単に反対意見を述べているだけでなくそこには、貢献という価値観があってのこと。
この人がたまに怒ったりするのは自分らしさを否定されたからと他者の価値観を理解するとお互い行動の本質がわかり仕事もやり易くなるんだね。

さあだいぶお互いを理解したところで、今のエピソードを聞いて互いの強みを手紙を添えて出してあげよう。

どうかな?
○○さんのエピソードを聞いて○○さんの強みは○○だと思いましたという具合だね。
さあ、どうだろう。

みな朗らかな顔に、おいおい、涙ぐんでるメンバーまでいるよ。

そう、受容と承認の大切さだよね。

お互いをしる大切さには安心安全な場が必要。
しかし大切なのは、ナアナアになることではない、ES(従業員満足)も社員を甘やかすことではない、意見を言わない、反対意見をのべない、何となくの合意そんな優しさはいらない!

安心安全な場とは、手段であって目的は別にある。
目的はイノベーション、創造性を発揮するための安心安全な場だ。
だから、そこにはある種の緊張感がある。
意見を言わないただ会議に出ているだけのメンバーは会議にでなくてよい。
相手に同調するだけで何も考えていないメンバーはかえってチームを易きに流してしまう邪魔者なんだ。

安心安全な場の意味を再度理解をしてもらった。

さあ、ここからが本番、次回はこの強みを発揮して次の四半期に何をしたいか、出来るかをチームで考えよう!

これからはメンバーの違いが大切になってくる。同じ価値観からは同じものしか生まれない。確かにゴールが決まっている、効率性を重視すればそれもよい。しかし、時代はカオス、先が見えない時代。

このような時代は、創造性だ。イノベーションはお互いの強み、違いを掛け合わせたところから生まれる。

新人の彼の甲子園球場に行きたいという夢を皆で叶えてあげたい。
休みをとって有志でいこう。彼の地元の高校を応援しにいこう。

会社は、皆の為にある。皆、一人一人の夢を叶え、より遠くへ、よりチャレンジングで一人では行けない未来の光景を描きそこにいつしか仲間と一緒なら叶うかもしれないというワクワク感があるから会社やチームがあるのだ。

今回のイノベーション会議、代表である私が楽しませていただきました。
新人の彼がはやく弊社のメンバーになれるとよいなあ。

令和元年、働き方改革、ダイバーシティの先に何があるのか?インテグラル理論を学ぶ。

2019-07-08 10:30:48 | ダイバーシティ
インテグラル理論の監訳者である加藤洋平氏による全八回の勉強会が始まりました。

なんという難解な理論。
頭がパニック状態、しかし、自社の問題そしてお世話になっている会社の方々そして社会に向き合っていくにあたって様々な問題が複雑になってきているのを感じている今日この頃、もっと自分自身の成長の為にも勉強しなくてはと。



皆さんの会社はいかがですか?様々な経営におけるトラブル、
人事制度をつくれば解決するのか、社内ルールをつくればトラブルは起きないのか?
どうも、そんな単純で直線的な解決方法では解決しない案件が増えてきていると思いませんか?

その解決の一助になる理論の一つにこのインテグラル理論をしっかり学んでみようと!

加藤氏が述べているように昭和の画一的な時代から平成に入り、多様、個の尊重へと舵を切る中、社会は複雑性を増していきました。
皆さんも恐らく感じてるであろう、
個を尊重するあまり、意思決定が遅く収集がつかなかったり、自己愛の肥大化などが起きています。
学級崩壊やクレーマー、モンスターぺアレントなど様々な社会的なトラブルが起きているのも事実です。

いま必要なのは、平成の時代で積み残してきたこれらの問題を新しい令和の時代に解決していくことではないのか?

それこそが、このインテグラル理論に述べられている統合の思想ではないか?
統一と統合は違う。統合とは個を尊重しつつそれを内包した上位概念をつくっていくこと。

人事の世界でも多様性のなか人事制度を刷新しよう!働き方改革を推進するルールをつくろうと国をあげて取り組んでいるがなかなか進まない。

まさに、私たちがやらなくはならないのは多様性を認めつつもそれを内包する大きな世界観を社員皆で作り上げていくこと。そこには、組織開発、対話の文化がまさに必要なのではないだろうか?
それは、時代のニーズともいえるのではないでしょうか?

それは大変だが、そんな時代の大きな変わり目の渦中にいる私にとってはこんなエキサイティングな時代、やりがいのある仕事に向き合っているとも言えるわけで、感謝し、一生懸命勉強していこうと講義を聴いて改めて思った次第である。