中小企業のES=人間性尊重経営のパイオニア/有限会社人事・労務 ES組織開発・人事制度改革ブログ

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ソースと成人発達理論の関係について。なぜティール型組織を導入しようとしてもうまくいかないのか? インテグラル理論 鈴木規夫氏×ピーターカーニックのお茶会を振り返って

2023-05-24 22:21:30 | 組織開発・社風改革

成人発達理論とソースプリンシプルとの関係について鈴木氏からピーターへの問いかけ。

私自身の悩みがズバリの興味深いテーマです。

人事制度改革の相談を受けるなかでここ最近増えてる内容が、ティール型組織を導入したい、自律分散型組織を導入したいと言うものです。

だが導入がうまくいったケースはそれほど多くない。

成人発達理論とソースプリンシプルとの関係についてピーターは対談のなかで次のようなことを言っています。

 

気候変動だ格差問題だと崇高ビジョンを掲げてもお金にまつわるシャドーに向き合わないと大きな課題を解決することはできないと対談のなかで述べています。

 

社長のティール型組織導入への動機は様々だが、

気候変動だ格差問題などSDGs、社会貢献を掲げ人事制度を刷新したいと言う社長も少なくない。だがその背景には、有名企業のマスコミ等の多くのインタビューのなかで出てくるキーワードが社会貢献そして自律分散型組織であるからとか。若い方の採用文句もそれらに興味があるからだとか。

ここには、社長のもっともっとお金を稼ぎたい、トレンドに乗り遅れたくないという動機がすけてみえてきます。

 

実際、社長と導入にあたっての話を進めていくにつれ、例えば以下のような答えが返ってきます。

 

社長からは、

忙しいからなるべくシンプルな人事制度を導入したい。制度がほとんどなくとも社員が働いてくれるのがティール型組織ではないの?

さらに私から質問を重ね、

「対話を中心に社員さんと寄り添い、社長さんは自分が持っている業務執行権や人事権などの権限等を手放してまで導入するつもりはおありですか?」と投げかけると

「対話?そんな暇はないし、そもそも話してるだけじゃ会社は儲からないでしょ、ティール型組織にするのは今の人事制度は手続きに人事考課だ面談だと時間がかかるんですよ」

「権限?手放すわけ無いでしょ。私がいなきゃこの会社はまわりませんよ。だいたいうちの社員はそれほどレベルが高くないですから」などなど

ここには社長自身のシャドーが隠れている。

お金と向き合う、組織と向き合う、時間と向き合う。

ビジョンは崇高であっても、ピーターが言うように、お金に向き合うことなくして力と愛を統合した進化型組織はなかなか生まれない。

 

社長自身がそれらに無意識に投影していたものを取り戻し切り離されていた自分の一部を取り戻す。

外に奪われていたエネルギーを取り戻すことが大切なのです。

 

ピーターは、マネーワークの大切さについて語る。

お金が置き去りにされている状態でいくらティールだ自律分散だと言ってもそれは無理なのです。

お金というものに崇高な理念が引っ張られてしまうのですと。

 

そのリクレイミング(投影していたものを取り戻す)の過程で、本来の自己とつながりそこから自然とわいてくる自分が愛してやまない大切な思い、個人のパーパスを掲げそれを創造へとつないで行く。そういった一連のプロセスの過程のなかでソースとしての自覚が生まれイニシアチブが生まれる。

ソースでありリーダーである社長のおもいに共振、共鳴したメンバーが自然と集まりメンバー自身のソースもその場の中で同時に花を開いていく。ティール組織とは、そのようなプロセスで生まれていくものなのではないでしょうか?

ティールとは、そんな流れをとらえてみたときの状態を言ってるに過ぎない。

川の流れのように天気によってもまた、上流と下流といった場所によってもその状態を見た人の時間や場所によって違うのではないでしょうか?

 

そして、ピーターは、それは、私達社労士自身にとってもお金に向き合っていく姿勢が必要だと言っています。会社に携わる私達が、お金に投影している恐れから、エネルギーを取り戻しリクレイミングしていく過程が大切なのです。

私達の恐れが顧問先に投影されてしまい、顧問先自身のパワーを減退させてしまうのです。



私達も、顧問先に対し客観的な観察者の目ではなく、

顧問先とともにお金が中心の世界から愛を中心に据えた世界へと一緒に向かっていく仲間、当事者としてそこに存在しつつも客観的に顧問先を観る両方の目を兼ね備えたあり方でいようと心がけることの大切さを改めて自覚しなおすそんな、素晴らしい対談でした。

ピーター、規夫さん、そして史郎さんありがとうございました。




ワーカーズ法から探る下町の未来の"働く"

2023-05-16 17:00:47 | 地域貢献
新しい会社の形態、ワーカーズ法から探る下町の未来の働くをテーマに社労士会台東支部、政治連盟そして台東支部行政書士会の協力を頂きました。
 
 
開催にこぎつけるまでには、労働者協働組合法の名称から労働組合と勘違いする方やNPOなどがあるのに何のために我々社労士がこのセミナーをやるのかなど色々と話し合っての開催。
厚生労働省の水野さんの基調講演では、それらの疑問に短い時間にも関わらず要点を的確に示し答えていただきました。
 
 
自らがくらしの豊かさを主眼に置き、当事者意識をもって出資して働く。
お金を稼ぐ以上に大切な働く歓びがそこにはある。
それは生きていく歓びでもある。
区議の先生達も自治会単位の課題を解決できるかもしれない。台東区にワーカーズコープの窓口をいかにしてつくるかと。
 
 
最後に登壇頂いた社労士の高野さんからは社労士は今まで会社ばかり目を向け地域のことにはなかなか認知の幅を広げて考えて観ようとすることをしてこなかったように思うが今回の場で積極的に地域に目を向けていこうと思うと発言をいただき、この研修だからうまれた心からの言葉に仲間を得た感に嬉しくなりました。
 
 
水野さんそしてご登壇頂いた皆様、参加頂いた先生方ありがとうございました。

「身体と創造性」について考える

2023-05-08 18:38:44 | 日記

田原真人さんにご紹介いただき、蜃気楼専門学校の「身体と創造性」のワークショップに参加してきました。

田原さんには、弊社の顧問としてAI時代の職場やコミュニティのあり方についてご指導いただいており、2月には、同じ八王子セミナーハウスで開催された蜃気楼大学で金野が「コミュニティ経営」について講義をさせていただきました。

 

蜃気楼専門学校は、「学びたいテーマや目的を明確にし新しい時代の動きをつくっていきたいという思いから生まれた講師と受講生が時間を共有しながら集中して学ぶ『新しい学校』」です。

https://5rltr.hp.peraichi.com/

 

新緑に囲まれ、鳥のさえずりが心地よい八王子のキャンパス。

講師は、国際クンダリーニヨガ協会講師の青海エイミーさん。

自分を失いことばを見つける【書く】をテーマに「からだとクリエイティビティ」の関係について考える時間となりました。"六感+2法"。

過去のある地点に立ち戻り、見る・聞く・味わう・嗅ぐ・触れるという五感+「感情(痛み・喜びを感じるという感覚)」の六感をオープンにさせてそのシーンを感じ取る。まさに追体験。

不思議とそのシーンの風の音や、味、身体に触れる感覚、香りが戻ってきて、その時にいた人(席の位置までも)や来ていた洋服など細部までよみがえってくるという不思議な体験をしました。それを書き出していく。すると自然と文章がすらすらと書ける。小説家のように。身体全部の感覚をオープンにすることで、細部までよみがえり、それを描写することに集中するので、「面白く書こう」とか「こんなこと書いたら恥ずかしい」といった気持ちが一切なく私でも「書ける」。

最後に参加者同士で、互いの文章を読み合いシェアタイム。

自分が意図をせず何気なく記した"言葉"に、皆が共感したり、過去に引き戻され、それぞれの甘酸っぱい思いが蘇ってきたり…六感を働かせた追体験の言葉には皆に共通する”普遍性”がありました。とっても面白い。

書くことだけにとどまらず、何かを生み出すとき、何かを始めるとき、そのやりたいという"わくわく"感に身体性を伴うこと(より具体的に深く感じていくこと)こそが大切なのだと感じました。