中小企業のES=人間性尊重経営のパイオニア/有限会社人事・労務 矢萩 大輔 ES組織開発・人事制度改革ブログ

社員の幸せ、職場の幸せを基準に経営を、社風を変えたいと本気で思っている社長さん・人事担当者の方へのエールをあなたへ!

ともに働く、ともに生きる、ってどういうこと? ~自己実現は自分が関わった他者との関わりから見えてくる~

2021-04-05 11:31:46 | 地域貢献

皆さん、こんにちは。(有)人事・労務の山﨑です。

3月20日に有限会社人事・労務の姉妹団体、一般社団法人日本ES開発協会の新年会として<春のてらこや>オンラインイベントを開催いたしました。

ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。

ワーカーズコープについて、詳しく知りたい方は、こちらのリンクをご覧ください。

下記のサイトや矢尾板の過去のブログなどをお読みいただければと思います。

ワーカーズ・コープ!“個”の時代から“つながり”の時代へ ―共感を軸にした組織 “労働者協同組合” の設立サポート

 

 

今回は、<春のてらこや>を通じて、感じたことを伝えられたらと思います。

 

第一部は、オンライン映画上映会として「workers 被災地に起つ」を上映。

競争、効率、自己責任…ではなく、持続可能な社会への仕組みづくりを地域の人とともに模索・実践し続けてきたワーカーズコープ(協同労働の協同組合)による東北被災地での取り組みを22ヶ月間にわたって記録したものです。

労働、出資、経営を三位一体で行う、それだけ聞くと実際にどう動いているの??

と疑問が湧きますが、林業や福祉事業など実際に協同労働の形態で行う組織を見て成り立ち方を理解できました。

皆が経営に直結する数字が読めるわけではない、皆がその仕事に経験値が高いわけでもない、そんな差がある中でも目指すところが同じであるからこそ、一人ひとりの在り方を大切に共有しながら事業運営されていました。

立場関係なく「公共は自分たちで作り出す」という自分事意識が強いこと。

 

第二部は、トークセッション。

日本労働者協同組合(ワーカーズコープ)連合会 理事の玉木信博さんをお招きしました。

 

労働者協同組合(ワーカーズコープ)とはつまり

働く人や市民が出資して、主体的に経営に参加しながら、

生活と地域に応える仕事を協同でおこす協同労働の協同組合。

もともとは、戦後~90年代まで、国が失業者に対して仕事を出すという失業対策事業があったのですが、その制度がなくなり失業者が生まれていく中で、ただ雇われるのではなく、

自分たちでお金を出し合って、事業経営もしていこうとしたのが、ワーカーズコープの始まりだそうです。

 

内山節さんの言葉の通り

昔は【暮らしはつくるもの、仕事はつくるもの】

今は【仕事は雇われるもの、暮らしは買うもの】に変わりつつある。

そんな状況で原点に立ち返るような働き方のように感じました。

 

なぜ今原点に?

仕事がAIに取って代わられていく今だからこそ

仕事をつくる、おこすというワーカーズコープの考え方。

AIからは生まれない、地域・現場の課題をクローズアップして解決する、という発想。

私は、これが仕事の意味を今考え直す理由かなと思います。

 

弊社代表の矢萩からは、

社労士の視点から、”幸福感はコミュニティからやってくる”という話がありました。

矢萩はこう言っています。「共助なくして自助はない。」

ワーカーズのように楽しく働く人々の中には「共」があるのではなかろうか。

今、「共」という皆の願いは失われつつある。

その「共」はどのようなものだろうか、を理解するためにシロアリの例が出ました。

―――

シロアリは木を食べています。しかし木を食べて生きていくためにはシロアリの体の中にアメーバが共生して住んでいるのです。

なぜなら木を分解するのはアメーバで、つまりアメーバが死んでしまうとシロアリも死んでしまいます。アメーバは高温に弱く気温が33度を超えると死んでしまうのでその時はシロアリも死んでしまいます。

こうやって、シロアリは体の中に生態系が出来ていて、シロアリはアメーバとともに共生して生きています。

―――

玉木さんも「他者との関係性の中で自己が存在する」と仰っていたのですが、まさにこのシロアリとアメーバの関係性を見ると「共に生きる、共生する」ということの意味が腑に落ちたように感じました。

 

つまり「共」は“つながり=他者との関係性”があってこそ、ということになりますが私たち人間はこのつながりを普段どのくらい考えられておりますでしょうか。

人間同士は、シロアリのアメーバのように体の中に取り込みあって・・・という共生はイメージしづらいですが私たちの共生とは何だろう?という疑問が湧いたところで、幸福学のお話に移ります。

矢萩は、GDPと生活満足度の関係によると今、お金やモノが幸福感には直結しないことが分かっています。GDPがある一定の基準を超えてしまうとどんなに物質的に豊かになっても幸福感は頭打ちになってしまうのです。と言いました。

 

また、人生の幸せには長続きする幸せと長続きしない幸せがあり、長続きする幸せは、共感資本、公益資本、社会関係資本のような私欲とは異なる関係性に基づいたものが多いのだそう。GDPで測っていたのは長続きしない幸せということです。

 

また慶応大学の前野先生が提唱した

幸せの4つの因子、についても皆で考えました。

 

  • 第一因子 やってみよう(自己実現と成長の因子)→自分への愛
  • 第二因子 ありがとう(つながりと感謝との因子)→みんなへの愛
  • 第三因子 なんとかなる(前向きと楽観の因子)→自分への愛
  • 第四因子 あなたらしく(独立とマイペースの因子)→自分への愛

 

幸せになるためには、自分を愛することと映画でも出たように皆を愛すること

その二軸が必要になってくるようです。

玉木さんはこの幸せ因子に対して、これは全て孤独だと感じることができない、全て他者との関係から生まれるものだね、と仰っていました。

 

だからこそ、私たちは生きていくために幸せになるために共同の場、コミュニティが大切なのですね。

 

最後に私が今回感じたことになりますが、

今の若い社会人、社会に出る前の学生は

・働くのが怖い

・働くから喜びが感じない そう思っている人が多いのかもしれません。

 

一方、映画にもあったようなワーカーズの方々は、

しっかり働く喜びや幸福感を感じているように見えました。

この差がコミュニティの存在なのではないでしょうか。

今、共(コミュニティ)の存在がなくなってきていることが、幸福感が下がっている要因なのかもしれないのです。

 

国や自治体などの公の場、と自分ごとの間には共がある。

その「共」というのは自分が属している会社だったり、地域コミュニティだったり、学校だったり課外活動の団体またはボランティア団体だったりするかもしれませんが、公とはまた別の自分ひとりではない場所、皆で同じ想い、願いを叶えたいと思っている場所、この場所の存在が一人ひとりの個人の力を強くし、幸福感を感じられる場所なのです。

 

今回のワーカーズコープをテーマにした<春のてらこや>は、昔より人と人のコミュニティ内の繋がりが希薄になっている今に警報を鳴らしてくれたように私は感じました。

 

私たちにとっての「共生」とは、同じ願いや想いを持つ人々が様々な形で関わり合いながら取り組みを行い、その中でぶつかったり協力したり、話し合いながらその関係性の中で自分が生まれていくこと、またその中で他者を愛し、自分を愛せるようになっていくことなのかもしれませんね。

 

この回の途中で地震がありました。地震は怖いですが、

その時に、あの人のところは地震大丈夫だろうか。そう思いを馳せる人がいることは

幸せなんだよ、と気づかせてくれたのではないでしょうか。

この「ともに働く・ともに生きる」がテーマに行われた回で地震が起きたことも、何か意味があるのではないかと感じます。

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協働の歓びを伝えられる人になりたい!園芸療法士初級の勉強をしてきました。

2021-04-01 11:14:43 | 地域貢献

みなさん、こんにちは。(有)人事・労務の志村です。

今回は、有限会社人事・労務が母体となっている903シティーファームの活動の一貫として、埼玉県守谷市にある「まちの庭」にて開かれた園芸療法士養成講座 初級編を受講してまいりました。



自然の循環を意識した場作りをしている毛利さんの畑は、訪れる度に毛利さんの想いに触れ、その場のエネルギーを感じ、とても活力が湧いてきます。

 

講座内容としては、

・玉ねぎの皮を使っての、卵の殻へのペイント

・レイズドベットの作成

・パン作り

・園芸療法についての座学

を行いました。

 

参加者の皆さんも、農業関係者の方から介護や福祉・保育士の方まで年代も幅広く、この園芸講座を受講した想いとして、

 

・畑という場を通して地域のつながりや、子供たちが土いじりを通して自然を学ぶ場を作りたい!

・神社仏閣にて自然の循環を軸にしたプランター栽培を活発化していきたい!

 

ということを伺い、私どもの活動と非常に共通する点があり、とても刺激を受けました。


受講を通して、

人と協働で何かをする楽しさ・わくわく感と、秋葉神社の田んぼプロジェクトや私どもが運営している田心ファームを通しても感じた、年齢や立場関係なく、自分の「好き」や「得意」を表現する場で起こる繋がりや思いの連鎖を感じました。

誰が何を指示するわけでもなく、自然にそれぞれが役割を見つけ、自然な形で仕事が決まっていく。

まさに903が掲げている「自分のやりたいことを自由に表現する!」ということが自然発生的に生まれている場である。と感じました。


今回の園芸療法士の講座を主催された毛利さんが最後におしゃっていた「自分が一番楽しむこと!始める前には自分の軸を明確に再認識することが大切です。」という言葉がとても印象に残りました。

 

毛利さん自身も、自分の畑を気付いていく上で、モグラやネズミに畑が荒らされ、その際に野菜が全滅したことがあったそう。

 

ネズミ避けやモグラが寄り付かないようにする対策を行おうと一時は考えたが、それは私が理想とするお庭ではないと、ふと我に返ったとのこと。

 

私も、目の前の課題や、やるべきことばかりに意識が向きすぎてしまい、日々の中で在りたい自分の姿を見失ってしまうことがあり、あらぬ方向へ進んでしまいそうなことがあります。

1日の初めなどに、改めて自分の軸は何なのか?どう在りたいのか?を再認識するタイミングを設けて、行動がブレないように自分を整えていこうと思いました。

 

今回のパン作りなど体験は、903シティーファームが運営する「浅草田圃プロジェクト」や、「田心ファーム」にて体現する場を作って参りますので、もしご興味がある方はホームページを覗いてご覧頂ければと思います。

https://hatarakuba.com/903cityfarm/

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ワーカーズコープに学ぶ!はたらく力でいろどり豊かなこれからの地域とは

2021-03-24 21:05:56 | 地域貢献

2021年3月20日、Online企画【ワーカーズコープに学ぶ!はたらく力でいろどり豊かなこれからの地域とは】を開催。

 

「Workers被災地に起つ」を上映。

そして、日本労働者協同組合(ワーカーズコープ)連合会 理事の玉木信博さんをお招きし、鼎談の機会を頂きました。

2020年12月4日に法律が成立、注目の「労働者協同組合(ワーカーズ・コープ)」

従事+出資+経営

はたらく人が自ら出資して自ら経営にも加わる、三位一体の組織のカタチ。

 

各々が “自ら出資し 自ら料理を作り提供する。全員で売上を共有し使い道を決める。”運営してきた「田心カフェ」と重なる。

 

ホラクラシー経営

Teal組織

異なる色ではありますが新しい組織のカタチとして注目していた最中に

大学時代の恩師、辻信一こと大岩先生よりご縁を繋いでいただき、この度の学びの機会を頂きました。

映画「Workers被災地に起つ」へのコメント

◎内田 樹 氏(思想家/凱風館 館長)

「公共的なものを創り出すのは私人である」

◎内山 節 氏

「暮らしはつくるもの」「仕事はつくるもの」

一人でできることもあるでしょうし、仲間といっしょにすることもある、自然があってできる仕事もあるし、地域があってこそ仕事もあります。

人や地域の目の前の困った!に寄り添うことで、仕事が生まれ

寄り添う関係の中で、人と人が繋がり、支え合い、仕事も広がっていく。

「ともに」仕事をおこし、歩み進めることから、持続可能な営みとなっていく。

 

既存の法人格の枠組みにおいて、法人設立・許認可等の支援を行ってきた私ですが、今回、「ワーカーズコープ」「協同労働」に触れて、「仕事をおこす」ことへの認識が変わりました。

…とそんなタイミングで、大学時代の卒論が里帰りし、目を通してみる。

『競争力より共生力―分かち合い』だと締めくくっている。

 

2008年、あまり実感知なく唱えていたことだが、

今、生きづらさを抱える社会を見て改めて思う、「ともに」の大切さ。

今後さらに、皆さんとご縁を深めながら、この学びを実践していければと思います。

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多様な時代に重視すべき社員の「あり方」(Being)

2021-03-22 17:36:00 | 人事制度

 以前のブログで、「これからの時代組織は自律分散型の組織構造に変容していかなければならない」とのべました。

「アフターコロナの組織のあり方と人事制度」

しかし、その変容とはいわいる人事制度などの組織のルールや制度といったハード部分を作り替えれば、できるわけでなく、むしろそこで働く人材(ソフトの部分)がかわらなければ決してうまくいきません。逆に、働く社員の意識構造にあわせて、その自律的な働き方を邪魔しないように、制度のほうもその発達段階に応じて徐々に変化させていくと考えたほうがいいいでしょう。

 

これまでの人事制度は、例えば目標管理やコンピテンシーなどを活用することはかなり効果がありました。大量生産大量消費を前提とした時代のピラミッド型組織において、過去の経験から会社や上司がもっていノウハウを社員に伝え、ある程度決められたやり方で働いてもらうことで、かなりの確率で予想された成果を上げることができたからです。ただ、社会全体が多様化し、これまでにないスピードで変化が起こっている現代において(もちろんすべてがそうだとは言えませんが)その効果がでにくくなってきているのです。

目標管理は上司と部下で面談を行い、今期の達成すべき目標を会社目標に沿って設定します。その目標を達成するために部下は1年間活動し、上司はこれを支援します。しかし、今の組織では1年間も同じ目標を追い続けることで、企業の業績に本当に貢献できるでしょうか?1年後の目標などを具体的に立てることが不可能になってきているのです。

また、コンピテンシーでは、業績の高い社員の行動特性を抽出し、その特性を他のメンバーも実施することで全体のレベルをあげようというものです。これも、職務内容が皆同じで、そのプロセスが変化しない環境なら効果はありました。しかし、今は一人ひとり担当する職務は多様で、しかもそのプロセスも常に変化が起こります。「業績を必ず出す行動特性」を抽出すること自体が難しくなっているのです。

もちろん、今後も、職種、仕事の内容や本人の等級などによっては、これからも有効な手法である場合も当然あります。例えば、入社から3年以内の新人を育成、評価する場合はどちらも有効な手法でしょう。しかし、多くの企業では、ある程度職業経験をつんで、複雑な業務にたずさわるようになると、このような定型的な評価は限界がくるようになっているのではないでしょうか。

このように、人材育成・評価において、これまでの「決められた目標にむかって努力する」「きめられた優秀モデルの人材になるように具体的なスキルを磨く」というだけでは、自律分散的な組織では対応できなくなってきているのです。では、会社は社員のどのような点に注目し、育成・評価すべきなのでしょうか。

これからはBeingといわれる、その社員の「あり方」(意識・思い・人生哲学・視座など)を会社はもっとも意識すべきなのです。

 

 

 

Beingの一つの指標に「視座」があります。今日や明日のことしか考えずに仕事をしている人が、成し遂げることができる仕事は、限られるでしょう。世の中にいいインパクトを与えるような業績をあげるリーダーは、自分個人のことよりも、組織全体はもとより、地域や社会全体にとって何が最も良いことかという広い視野で行動しています。この人間的な成長がないまま、Doing、Knowingだけを伸ばそうとしても、ベース(Being)が狭ければその上にあるDoing、Knowingを高めることはできません。これは逆三角形や長方形になることはないのです。

これからの組織は、そこに所属しているメンバーのBeingをしっかりと把握し、その高まりに応じた役割を与えていくべきです。また、Beingいかにして高めていくか、その経験と気づきの成長の場をどのようにつくっていくかを重視すべきなのです。特に自律分散型の組織を目指す企業にとっては、人事制度や社員育成においてBeingを重視した仕組みを作っていかなければならないでしょう。

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アフターコロナの組織のあり方と人事制度

2021-03-17 21:25:58 | 人事制度

アフターコロナの組織のあり方と人事制度

 

 (有)人事・労務 社会保険労務士の畑中です。人事制度構築のお手伝いをさせていただいている中で、この1年、組織の在り方、そして個人の働き方があきらかに大きく変わってきています。

いろいろな要素が考えられますが、主に次のような理由といえるでしょう。

 

・テクノロジーが発達し、場所や時間を気にせずに働くことが可能になってきた

・以前であれば一部の経営トップなどにしか入らなかった情報がほぼ無料で誰でも得ることができるようになってきた

・個人が情報発信したり、個人同士で情報共有することができるようになった。

・単純な仕事はAIや機械でカバーできてしまうことが多くなってきた。

・個人(特に若者)の働くことへの意識が、これまでの利益追求型(資本主義型)から、社会や地域への貢献へと変化してきた。

 

 このような変化が徐々に進んできていた中で、2020年の新型コロナパンデミックがトリガーとなり、一気に組織の在り方や働き方が変化しました。具体的には以下のようなことが起こり、この傾向はさらに続くのではないでしょうか。

 

・テレワークやワーケーションといった場所を選ばない働き方の増加

・副業(複業)の増加

・フリーランサーなど、雇用にとらわれない働き方の増加

・オフィスの縮小・分散化

・ギグワーカーの増加

・一部企業の独占化(巨大化)と地域企業の増加

・株式会社以外の組織の増加(NPOや社団法人、ワーカーズコープなど)

 

このような中で、組織の在り方は、単に利益を求めるだけの集団ではなく、地域や社会のことを意識し、その課題を解決していくために地域社会と結びつきながらイノベーションを生み出していくことが求められる時代になってきています。そして、その組織は、明らかにこれまでのピラミッド型組織からの変容が必要になります。それが「自律分散型」の組織なのです。自律分散型組織とは、

・多様な価値観を認め、一人一人の個性や能力を十分に発揮しながらも

・組織として強いつながり(関係性)をもつ

組織のことを言います。

 

 「ティール組織」(フレデリック・ラルー著 栄治出版)でも述べられているとおり、組織には発達段階があります。ここで述べられていることは、細かい点はさておき、日本の中小企業にもあてはまります。



 昭和の行動経済成長の時代の日本の組織は、その多くが、アンバーからオレンジ的な組織だったでしょう。典型的なピラミッド型組織です。大量消費大量生産を重視し、欧米にキャッチアップしようとする日本は、非常にこの組織マネジメントがうまく機能したといえます。バブルがはじけて平成に入り、IT企業などが多くではじめたころから、フラットでボトムアップを重視するグリーン企業も見られるようになってきました。しかし、組織が大きくなってくる過程や時間が経過するなかでグリーン組織はオレンジやアンバーになってしまうことも少なくないようです。結果として、コロナ前の日本の企業はいまだにオレンジ的要素が最も多く、それにアンバーやグリーンの要素が混じっているような組織構造をしている企業が多いのです。

 もちろんすべての企業がティール型になるのがいいわけではありません。業種や地域、そしてなによりその企業の組織風土や社員の意識構造によって、もっとも適した組織構造が1社1社違うはずです。また、同じ一つの組織の中にも、単純にすべて「ティール」だとか「オレンジ」だといってしまうことはできず、実際はティール的要素の強い組織にもオレンジ的な部分が含まれていたり、またその逆もあるのです。

 しかし先ほどみたように、世の中全体の急激な変化の中で、どのような組織であっても、その組織構造を変容させていく必要性があり、その方向性は地域や社会のことを意識し、その課題を解決していくために地域社会と結びつきながらイノベーションを生み出していく自律分散型(いわいるティール組織に近い)の組織であることは間違いないでしょう。

 では、自律分散型組織の人事制度とはどのように構築すればいいのでしょうか。今からスタートするベンチャー企業なら、いきなりフラットで書籍「ティール組織」にでてきているような人事制度に挑戦することはできるかもしれません。しかし、すでに組織として(おそらくピラミッド型の組織)歴史があり、人事制度がすでにあるような企業にとっては、どのような変容の過程をたどるかも重要になってきます。既存の企業がどのような人事制度を構築していくべきか、事例なども含めて、またご紹介できればと思っています。

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