中小企業のES=人間性尊重経営のパイオニア/有限会社人事・労務 ES組織開発・人事制度改革ブログ

社員の幸せ、職場の幸せを基準に経営を、社風を変えたいと本気で思っている社長さん・人事担当者の方へのエールをあなたへ!

「地域密着」から生まれる繋がりや現場視点の在り方。

2021-02-24 12:05:10 | 地域貢献

みなさん、こんにちは。(有)人事・労務の山﨑です。

 

「下町しまうまラジオ」第3回目の放送を終えました。

“未来の働くを考える”をテーマに手探りで、3回目まで歩んできましたが

「学校では教えてくれないけれど、人生に必要なエッセンス」を伝えられるようなラジオに

少しずつなってきているのではないでしょうか。

今回のメインゲストは、

東京都台東区に地域密着企業として、在宅介護サービスを展開しつつ、高齢者の声を形に業界初の入浴特化型短時間デイサービスを世に生み出した株式会社いきいきらいふの日下部社長です。

弊社の社労士 畑中とは10年来のお付き合いで、そのご縁もあり今回ご出演いただくことができました。

 

BEYOND THE BORDER ~境界を越えて他者を助ける社会を創る~

という経営理念のもと、

「介護だからこうしないといけない。」「こうあるべきだ。」「こんなことやってはいけない。」

などといった私達につきまとう固定観念を打破し、

純粋にシンプルにご利用者様が何を求めているかを素直に実現されていらっしゃいました。

入浴特化型デイサービスも、利用者アンケートで一番多かった需要が「お風呂」だったから。

物販の事業を始めたのも、車で送り迎えする際に「買い物に行けなくて困っている」高齢者の現状を知っていたことから、「それなら施設で食料品などを売ったら良いじゃないか!」という発想からスタートしております。

これは、統計などを取った上でニーズを素直に形にするのは簡単に見えてとても難しいのではないでしょうか。

私たちは、日々フラットに物事を見ているつもりでも自分の気持ちや想いが先行して、実は自分の価値観の中で見ているということがあると思います。

さらに日下部社長の凄いなあと感じる部分が、数字やデータに信頼をおきつつ、「想い」が先行することも、トライアルならどんどんやってみよう!とするところです。

田心カフェのお野菜をお届けする「田心便」も利用者さんのニーズをくみ取りつつ使っていただいているのですが、そのおかげでいきいきらいふの社員さんと田心カフェメンバー、さらに利用者さんとの繋がりができ、地域にとって新たな輪を生み出せています。

私は、いきいきらいふさんの在り方がそのまままさに地域密着企業だ!と感じました。

 

また、田心カフェコーナーは前回に引き続き、浅草寺にも奉納している明治から続く江戸伝統野菜の千住葱の葱善さんです。

地域の小学校をまわり小学校の畑や花壇などでお葱を育てる取り組みをされているそうです!

今、種から野菜を育てたことがない子供たちが多いため、種をとって種を植えることが循環を感じる一番の教育になりますよね。

葱善さんも当たり前のように135年間良いことを行い続け、それが会社のためにも地域のためにも未来の食育のためにもなっている、まさに持続可能的なゼブラ企業だと感じます。

ご紹介した田心カフェのお野菜をお届けする「田心便」はこちらから注文できます⇒ 田心便▼

 

今回も弊社代表ご意見番「だいすけ」こと矢萩とともにスタジオでお送りしましたが、

自分の想いを語る日下部社長も葱善さんも表情がきらきらされていて、

またそれを真剣に受けて想いを語る矢萩にも、お二人に負けず熱さを感じました。

真剣に向き合って、いつまでも学びつづけて、またそれを伝えていくことが

人生を豊かにする秘訣なのだろう、と経営者に囲まれたミレニアル世代として身が引き締まりました。

 

また、第3回目まででのラジオという場づくりを通じて、自分自身が小さく始める皆で歩むゼブラの在り方、を体感してきていきます。

 

例えば今回企画を作ったことで、いきいきらいふのご利用者さんが「葱善さんのお葱食べてみたい!」と思っていただけていたらそんな嬉しいことはないです。

他にもラジオの準備を通して、お客様が来て満足いただけるように整えよう!とカフェの士気が上がったように感じます。

 

誰かが小さく動き始めることで、伝播が起こりそれぞれの空気が良くなり、文化の質が上がっていく、そのような経験をさせてもらえていることに感謝しています!

 

ぜひ、放送内容全編は、後日アップロードいたしますので、そこからご覧ください。

引き続き「下町しまうまラジオ」宜しくお願いいたします。


「仕事」のアンラーン、リラーン~ワーカーズ・コープ法の成立を受けて

2021-02-14 11:01:27 | 経営全般

地域子育ちフォーラム2021~子どもの未来と協同労働
-ワーカーズコープ法の成立を受けて-へ出席。


今回は、全国から700名の事業者が参加。
既にこんなにも多くのワーカーズの方々がいることに驚く。

 

全国各地の地域に寄り添い自ら仕事を創り出すワーカーズの方々。ワーカーズ・けやきの杜(仙台)/ワーカーズ・登米/ワーカーズ・浦安。

そこに加えて、「スロー」の辻先生。
大学時代に一度ご一緒させていただいた「スローフード」の島村菜津さん

 

本当に必要な仕事は何か―

皆で「仕事」の定義をUn-learn(学びほぐし)の時間。

 

 

キーワードは「あいだ」

先ずは自分の居場所から。
その居場所(他者との関係性)から「あいだ」が生まれる。
あいだから、ひとに(地域社会に)必要とされる仕事が生まれる。

 

 

■「教育」の話から「種苗法」「細菌」「ウイルス」の話へ

種。それ自体が育っていく― 
そこから、種をとって、また種をまく。
食べて、排泄し、土にもどっていく。
そこに、種をまいて、種が育っていく―

これが、一番の教育。


ジョン・デューイ(米・哲学者)が説く子どもたちの“労働”の重要さ、「協同労働」そして「自治自労」にも触れて―

学生たちと一緒に、焚火したこと。パーティーをしたこと。田植えをしたこと。
これ以上の教育的価値を与えられなかった―
30年間の教育現場を振り返って、こう話す、辻先生。

 

 

2020年―秋葉神社を舞台に見た光景が頭に浮かんだ。

子どもも大人も関係ない―共にはたらく。自ら仕事を創り出す。
人と自然との間、人と人との間、に生まれた皆のワクワク―場から生まれる必要とされる仕事。

人体の 細胞の数:およそ40兆個  / 細菌(微生物)の数:100兆個を超える

自分だと思っている自分の身体だけど、
自分の細胞以上に、他の細菌の働きがあって、
自分(と思っている)が存在している。

 

どっからどこまでが自分で、
どっからどこまでが相手か。

 

「あいだ」としての自分、から「仕事」を考え直してはどうだろうか。

 

 

■「シェア」と「フェア」を伝えたい。

基本にあるのはギフトではなくて、「シェア」。

シェアは、単にものやサービスを分かち合うことでない。
空間や時間を共にする、自分を一つのプロセス=「あいだ」に身を置くこと。


そして、シェアには、自分の権威を高めない配慮が大切だという。
フェア」であること。
「あいだ」に身を置く際には、確固たる自分でなく、自分を括弧に入れること。

大人が子どもとプロセスごっこをする時―
大人は敢えて腰を下げたりして子どもたちに目線を落とした姿勢を取ったりするでしょう。

平等とか、正しさとか、ではなくて「フェア―公正さ」


「所有」から『シェア』へ―「セパレーション」から『リレーション』へ。

 

■「ワーカーズ・コープ」の基本原理「意見反映-話し合い」

皆でお金を出し合いましょう。
皆で話し合って物事を決めていきましょう。
皆ではたらきましょう。

下記の通り法制化された。

定款において「どのように意見反映を行うか」を明記する必要がある。(法29条)
総会において、理事は「どのように意見反映を行ったか」を報告義務を負う。(法66条)

 

空間と時間をシェアし
「話し合い=あいだ」に重きを置き
何がフェアか落としどころを確かめ合う。

自分と相手の意見が違う。違いからリレーションが始まる。

 

この意見反映は、時間がかかるもの。

今回のパネリストの三者、皆さん口を揃えて言うが、その「あいだ」も楽しんでいる様子。

スロー。


話すことが苦手な人もいる。
時間とか空間をシェアしている、それだけでもよいのではないか。
その「あいだ」に勇気をもって進み入る。
居場所が出来る。
その居場所(自分とは異なる者との関係性)から「あいだ」が生まれ、「おかげさま」「おたがいさま」の本当に必要とされる生きた仕事が創造されるのではないだろうか。

 

シェア。フェア。スロー(つながり)。

 

ワーカーズ・コープ法の成立を受けて、
自分起点、自分たち起点、そして、地域起点で、本当に必要とされる仕事について
アンラーニング、そして、リラーニング。

仲間と学びと実践を繰り返していければと思います。

 

▼ワーカーズ・コープ法 の設立・運営のポイントはこちらにまとめていきます。▼
https://www.jinji-roumu.com/workers-coop.html


ポストコロナ時代の働き方を支援!雇用の維持から雇用のシェアへ~産業雇用安定助成金の創設~   

2021-02-12 17:08:28 | 経営全般

昨今、コロナウィルス感染拡大により、飲食、観光など多くの企業が多大な被害を受けています。

国は、各企業の雇用維持を支援するため、「雇用調整助成金」の要件を大幅に緩和してきましたが、日本経済の停滞の懸念やコロナ終息後をも見据えて、主に休業による雇用の維持から企業間の雇用シェアへとシフトしています。

そして、令和3年2月5日、従業員の在籍出向を行う出向元及び出向先双方に助成金を支給する「産業雇用安定助成金」を創設しました。(出向諸経費 各10万円/1人当たり(定額) 出向運営経費 中小企業 9/10 大企業 3/4(出向元解雇等なし) 上限額1人あたり12000円/日(出向元と出向先の負担額の合計)

 

(出典:厚生労働省)

 

産業雇用安定助成金は、複数の企業が関与するため、やや複雑な印象です。ここでは、厚労省のガイドブックをもとに、首都圏各労働局に質問をしつつ申請に役立つ情報をお伝えすることが出来ればと考えております。

今回は、ガイドブックの内容や、労働局担当者に伺った話から、最初に確認すべき受給ポイントを5つご紹介します。

 

①助成金の要件や受給額は雇用保険適用事業所単位で確認する(中小企業の規模判定など例外を除く)

例えば、全国に事業所が散らばっている会社の場合、雇用保険適用事業所単位が10事業所あればそれぞれ事業所ごとに助成金の判定を行います。

 

②資本的、経済的、組織的関連性等からみて、出向元事業主と出向先事業主が実質的に一体であり独立性を認めることが出来ないと判断される場合は支給対象外となる。

従って、グループ会社間での出向は、現状では、基本的に認められないと考えた方が良いかもしれません。(まだ、行政の発表事例がなく個別対応になります)

 

➂出向計画期間内に助成金の支給対象となる、他の出向を行うことが(出向元と出向先の兼用)できません。

 

④対象になる労働者(抜粋)

出向計画期間の初回の出向した日の前日時点において、出向元事業主に引き続き被保険者として雇用された期間が6か月以上の方です。

 また、その労働者について1か月以上2年以内の期間で実施した出向が対象になります。

 

⑤出向先で雇用調整助成金を使い社員を休ませていた場合は?

例えば出向先において、自社の社員を雇用調整助成金を使って休ませている場合でも、要件を満たせば、産業雇用安定助成金を受給することが出来ます。(2月8日時点現在)

 

現状、この助成金は申請書類が多く、内容も分かりにくい部分が多々あるため、昨年の雇用調整助成金のように、要件の緩和や書類の簡素化がされていくのではないかと思います。

 

さて、出向元企業との雇用契約は維持されたまま、従業員が別の企業へ異動する「出向」は、今まで世間的にはあまりなじみのない制度でした。

 

しかし今、コロナ禍をきっかけとして、「出向」という働き方が注目を集めています。

 

弊社の顧問先でも、「出向先として他業種から労働者を受け入れたい」、「自社の従業員を出向させたい」との声が上がってきています。

 

そのような企業様に対して、この助成金を有効に活用し、企業の維持発展、そこで働く従業員の方の雇用を守るサポートをさせて頂ければ幸いです。

 


身近なところから小さく始める「情緒的絆」の深め方

2021-02-02 18:25:45 | 地域貢献

みなさん、こんにちは。(有)人事・労務の山﨑です。

 

先日、新年最初の「下町しまうまラジオ」の放送が終了いたしました!

放送内容は、後日アップロードいたしますので、そちらからご覧ください。

 

新年最初のラジオゲストは「四国で一番大切にしたい会社大賞」にも選ばれた株式会社スワニーの代表取締役 板野司社長にお越しいただきました。

四国の香川から世界へ。ES経営と地域産業の手袋から、支えるキャリーバック、近年ではマスクまで社会貢献度の高い事業で成長されています。

顧客に寄り添い、ファンがどんどん増えていく様子が伺え、何故そのような組織が出来上がるのだろう?と私は終始不思議に思っていましたが、「情緒的絆」が鍵だそうです。

 

詳しくは、後日動画にて本編を見ていただけたらと思いますが、

自己開示をし合ったり、感情を伝え合ったり、イベントなどの場をともにすることで、情緒的絆が深まっていく。社員一人一人が自分事として組織を捉え、自由闊達に行動するようになる。とのこと。

まだ入社して数か月の私自身は、この情緒的絆を深めるプロセスが大切なことを身を持って実感しています。

数週間ただ業務をともにしていくよりも、1時間のぎゅっとした本音で対話することの方が、ずっと心が通じ合う時間になること、ありますよね。

 

人間は感情があって動いているのに、会社となると効率や目に見える数字の部分でだけを追ってしまいがちですが、強くしなやかな養分のある組織になっていくには、一見遠回りに見えるこういった情緒的絆を深める意識が大切なのだと感じました。

 

また、今回は田心カフェコーナーにもゲストが!

浅草寺にも奉納している明治から続く江戸伝統野菜の千住葱の葱善さんです。

135年という長い期間の中、想いと繋がりを軸に持続可能な経営を行ってきた葱善さんはまさにゼブラ起業の原点ではないでしょうか。

「持続可能」という部分が、ひとつゼブラ企業のテーマとしてあげられます。

「半径300メートル以内に自分たちを知らない人はいない。」

この言葉から目の届く手の届く、地域から範囲から輪を広げていった様子が伺えました。

 

スワニー板野社長も、「まずは家族、従業員、そしてお客様、最後に株主」この順番で大切にしていくと仰っていました。

“目の前の大切な人にまずは真剣に向き合う、

向き合ったことでストーリーが生まれる。

そのストーリーに共感した人がその会社・商品・その人のファンになる”

 

これが、ゼブラ企業らしさなのかなあと感じています。

 

少し余談となりますが、藻谷浩介さんと平田オリザさんの「経済成長なき幸福国家論 下り坂ニッポンの生き方」という本で11月~1月末まで読書会を行っておりました。

オンラインTERAKOYA読書会 シリーズⅥ「地域のつながりを起点とした幸せな経済のまわしかた」▼

 

全5回を通して、「自己決定力」がキーワードになっていたのですが、

自分で決めていく力、自分で決めていると実感する力は、

目の前の大切な人に真剣に向き合うことと重なるのではないでしょうか。

個人的には、「自己決定力が高いこと」はつまり「自己肯定感が高いこと」と通じ、自己肯定感が高いと幸せ度が上がると考えています。

 

ラジオ通じて、「はたらくと生き方(幸せ)を融合させる」ことが少しずつですが

形作られているような気持ちになっています。

 

みなさま、引き続き「下町しまうまラジオ」をよろしくお願いいたします!