やねうら日記

~日常の中にある幸福

母のこと

2015年05月06日 | 日記
日に日に病状は進行し、昨日できていたことが今日はできない。
言葉はもうほとんど出ず、して欲しいことをなかなか理解してあげられない。
右手は麻痺し、食事するのも難しくなってきている。


それなのに、
病院から一時帰宅で一泊したとき、覚束ない足で台所に行こうとしている。何かと思って介助して行くと、ここにウィスキーがあるから、僕に飲め、と言う。(実際は言えない、そう手振りする)
病院では、病室をナース・ステーションの近くにすると直ぐに介助できるから移ってはどうか、と提案があったが、受け入れない。よくよく聞いてみると、4人部屋に自分ともう一人しかいないので、自分がいなくなるともう一人が寂しくなるからだと。(他の人が入ってくるからと説明して納得させた)


病気になって、入院して、どうしてこんなことになったのか、治るのか治らないのか、一切聞かない。
ただ受け入れ、一生懸命食べ、人を困らせないようにしている。
文句も泣き言も弱音も口にしない。
そしてよく笑う。
機能は失われていくが、人を思いやる気持ちはなくならない。


本当に人として尊敬する。


もう、不満を垂れ流すような生き方はやめよう。
先延ばしにしないで、毎日を生きていこう。
笑って生きていこう。