ビギナークリスチャン♪シズコの縁側

クリスチャン歴18年、うつ状態歴27年をむかえたけど未熟or発展途上?悩み満載!生かされて感謝♪クリスチャンブログ。

映画「華の乱」に寄せて

2010年06月26日 | 
・背の君を夢から現(うつつ)へ引き戻し北の大地に晶子飛び行く
(せのきみを ゆめからうつつへ ひきもどし きたのだいちに あきことびゆく)
                                 
・くれないの紅を墓標に有島を死へ連れ出でむ秋子悲しき
(くれないの べにをぼひょうに ありしまを しへつれいでん あきこかなしき)

・燃ゆる血を同じに流して死と生に向かいて往きたり秋子と晶子
(もゆるちを おなじにながして しとせいに むかいてゆきたり あきことあきこ)

・許されぬ情なら夢で交わしあむ我の肌の香君が知るまで
(ゆるされぬ じょうなら ゆめでかわしあむ われのはだのか きみがしるまで)
                                    晶子

・ヴィナスの如く生きたる君の唇をただ一夜だけ我のものにす
(ヴぃなすのごとく いきたるきみの くちびるを ただひとやだけ われのものにす)
                                    武郎

・躊躇えど君が択びし死の旅路狂喜と共に君とゆかまし
(ためらえど きみがえらびし しのたびじ きょうきとともに きみとゆかまし)
                                    秋子
・君と居るこの北国の果ての地でただただ君の全てを欲する
(きみといる このきたぐにの はてのちで ただただきみの すべてをほっする)
                                    晶子

・君側に居るこの時こそ神給わむ燃ゆる我等の愛与ふ時
(きみそばに いるこのときこそ かみたまわん もゆるわれらの あいあたふとき)
                                    武郎
・酒神(バッカス)の器溢れて血を流す君の血の味我味わえり
(ばっかすの うつわあふれて ちをながす きみのちのあじ われあじわえり)
                                    武郎
・我の唇血の味死の味恋の味君よ味わえ今もうひとたび
(われのくちびる ちのあじ しのあじ こいのあじ きみよあじわえ いまもうひとたび)                                  秋子

・人形と呼びし我の愛し妻帰り来憎め生きて帰りて
(にんぎょうと よびし われのいとしづま かえりきにくめ いきてかえりて)
                                    春房

・晶子先生さらりと取らむ我の情人(いろ)悔し憎らしただただ悲しき
(あきこせんせい さらりととらん われのいろ くやし にくらし ただただ かなしき)                                  秋子

・血の色の紅さし君は現れむ光の中に死の影連れて
(ちのいろの べにさし きみはあらわれん ひかりのなかに しのかげつれて)
                                    晶子
・昔悪女今賢夫人の晶子見えるか俺の虚しきうつろな骸を
(むかしあくじょ いまけんふじんの あきこみえるか おれのむなしき うつろなむくろを)                                  寛


昨日、落ち着かない気持ちでDVD「華の乱」を見た後、久しぶりに本音で短歌を詠んでみました。
最近私が書く詩に、どうも「嘘」があるなと、昔書いた「恋歌」という短歌を読み直し、恥じたところです。
思うままに、映画から感じた思いを書き、また「華の乱」に出てくる人物になって詠んでみるという試みもためしました。昨日ワードに書きつけ、今また推敲して、ここに発表させていただいた次第です。

句の最後にある名前をフルネームと共に簡単な解説を書いておきますのでご参考になさってください。

晶子=与謝野晶子 夫寛が実質のうつ状態の中、政治家に出馬したり、昔の恋人山川登美子の看病に行ったりと、夫婦のすれ違いで心は乱れている。その折、有島から北海道への誘いを受け、風邪で病んでいる子らを置き、有島のいる北海道へと飛んでいく。

武郎=有島武郎 亡き夫人が晶子にそっくりなことから晶子に魅かれていくが、もう1人の新聞記者波多野秋子との関係も断ち切れず、悩んでいる。北海道にある自らの農場を小作人に開放することで、自分も生きるきっかけをつかもうとする。その時晶子に手紙を出し、北海道の地に招く。

秋子=波多野秋子 新聞記者。やりての婦人記者であるが、出生が新橋の芸者と実業家の間に生まれた庶子ということを、非常に気にしている。夫の波多野春房から学費を出され、英語を学び、実質幼妻のように春房の妻となる。古風でプレイボーイの夫・春房を嫌悪し、最後には有島と心中を果たす。

春房=波多野春房 秋子の夫。実業家。自分を嫌う秋子を憎みながらも、心の底では深く愛している。そのことが映画の最後、春房の言葉に良く現れている。故・成田三樹夫が好演。

寛=与謝野寛 言わずと知れた日本を代表する明治、大正の第一歌人。前妻林滝野を離別し、不倫関係にあった晶子との恋を貫き結婚し、11人(実際は12人。1人の子は夭折)の子を設ける。自分の短歌が時代に遅れ始めたことを感じ、実質妻の晶子が家計を持っていることに男性のプライドを傷つけられ、鉄幹の称号を廃し、この頃は寛と名乗っていたようである。

画像は、北海道に行った有島を追って、晶子が行ったあるシーンです。

続きはいずれまた・・・。

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